思うところあって、HFハイバンド用のトラップを作り始めている。
以前 3.5MHz用のトラップを作ったとき 、共振周波数は「アンテナアナライザ+ワンターンコイルでインピーダンス最大の周波数」とした。
しかし、これで正しいのだろうか。
正確には「リアクタンス分ゼロで純抵抗分最大の周波数」であろう。
アナライザの表示で「インピーダンス最大」であっても、トラップがその周波数で共振しているとは言い切れない。
現用のアンテナアナライザは、今は亡きクラニシのBR-210だ。残念ながら、こいつはリアクタンス分の測定ができない。
とりあえず、28MHz用のトラップから製作に入る。
ボビンは、いつもの塩ビパイプ(38φ)、1φのエナメル線*1をイイカゲンな密巻で6ターン。コンデンサは今回も1.5C-2Vを使い、ボビンの中でとぐろを巻かせている。(当初1.5C-2Vは20cmくらい)
エポキシ系接着剤で固定する前に、左の写真のようにワンターンコイルを使い、1.5C-2Vをニッパで切り詰めて周波数を調節する。
低い方からアナライザの周波数をスイープしていくと、インピーダンスはぐんぐん上がっていき、26.80MHzで最大に。
さらに周波数を上げると、インピーダンスは下降に転じ、28.25MHzで最小となり、その後再び上昇する。
3.5MHzトラップのときも同傾向だったわけだが、インピーダンス最大/最小の周波数はきわめて近く、どちらもバンド内(3.500〜3.575)に収まっていた。ところが今回は 1MHz以上も離れているのである。
ここで冒頭の疑義発生を認識した次第。
トラップとは、並列共振回路が共振することにより、端子間のアイソレーションが確保され、トラップ以降のエレメントが電気的に切り離される・・つまり、並列共振しているのなら、その端子間の電圧は最大となっているはず。
・・ということで、トラップの片方の端子→ゲルマダイオード→20kΩ抵抗→ラジケータ→もう片方の端子・・と配線し、ラジケータの動きを観察してみた。
したっけ、ラジケータが最大に振れるのは、アナライザでのインピーダンス最大の周波数ではないのだ。もちろん、最小になる周波数でもない。
前出のインピーダンス最大周波数と最小周波数のほぼ中間、27.5MHz*2で振れが最大となったのである。あ、やっぱし(^^;)
こ、これはいったい・・と悩む中、ふとアナライザをインピーダンス・モードからSWRモードに換えてみたら、なんと、ラジケータの最大点=SWRの最小点*3 ということに気がついた。
純抵抗成分の対周波数変化特性が極めて緩やかだとすれば、SWR最小点イコール、リアクタンスが打ち消しあってゼロ、つまり共振している・・ということではなかろうか。
だいぶ遠回りしてしまったけれど、けっきょく、トラップの共振周波数はワンターンコイルでSWR最小になる周波数ということでいいのね。
いいのか?? ・・・この答えはアンテナテストの際に判明するだろう。・・つづく。(^^;)
おっとっと、28MHz用トラップは、1.5C-2Vのコンデンサ切り詰めにより、上記SWR最小(ラジケータ最大)周波数を28.4MHzに調節。
ボビン内でのとぐろの巻き方でも周波数が変化。どうも心線をつないだ側の端子に1.5C-2V自体が近づくと周波数が低下するようだ。
つづく・・ 6バンド・ダイポールアンテナ →その後の実験 トラップ周波数とアナライザ
本日、12/14交信分までの全QSLカードをJARLビューロゥ宛にEXPACKで発送。<br>JARLから届いた分の受領入力もやっと終了。さいきん、移動運用時の手書き紙LOGからの転記ミスを発見することが多くなった。<br>眼か、ミスタイプか・・・いずれにしろ、事務能力の低下を自覚。<br>カード自体の分類はエリア毎に分けているだけ。(0〜9エリアの他、7K〜7N、DX、SWLカードに区分)<br>入力が面倒くさくて困るのだが、カードの振り分けの方は手早くおこなえるし、気晴らしになるのが救いだ。<br>ほんとうは、もっと細分類化すべきなのだろうけどね。<br>トラップの方は、問題の検証をとりあえず先送りし、24MHz用の製作に入った。(^^;)