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[Radio] ALL JA / Delta Loop

2007年09月04日 22時 更新

オール JA コンテストである。これは日本アマチュア無線連盟主催の無線競技会であって・・・などという解説は省略するが、リンク先に飛んでも、コンテストがなんなのかは一般人の方々には理解できないと思うぞ >JARL。(別にそれでもいいけど。説明するだけ無駄かも ^^;)

さて、今年のALL JAは 久々の泊まりがけ。しかも、アンテナを新調しての参加となった。

地図画像 現地は、自宅からほぼ1時間の藤里町 QN00CH。ここからは、1年ほど前にもQRVしている。能代市との境界線から20mほどの地点で、人の手で樹を切り倒して作ったような土地になっているが、あたりには何にも無い。標高は210mくらい。

(追記: この場所から、さらに数百m奥(北)に行ったところに、広々とした岡があることが判明。こちらなら1.9MHzのフルサイズ逆Vも設置可。GLは同じ)

なぜ藤里町か・・というと、今回はアンテナの関係から14MHzメインでのQRVということを先に決めていて、じゃあ、14MHzであまりQRVしていない市町村は?・・ということで移動地決定となった。

04008C藤里町 QN00CH なんにもなーい・・・場所から南南西方面を望む

今回のアンテナは、シングルバンド参加ということもあり、比較的マトモな部類の「デルタ・ループ」である。

トップの水平部エレメントには、95年のFDコンテストで14MHz1位になったときの Hヘンテナの残骸である 3mアルミLアングルを使用。これを 3本 (3cm+3cmのもの1本→半径10mmに換算、3cm+1.5cmのもの2本→半径8mmに換算) 接続している(重ね合わせ部分50cm)。写真でお判りのとおり、パイプではないため、強度的にイマイチで、両端が垂れ下がっている状態であり、きわめて格好悪い。できればパイプ材を使うべきだろう。

斜めに降りてくる部分のエレメントは、2φ(半径1mm)の軟銅線(長さ約8m)。

Delta Loop 給電部のバラン

給電部は、自作の、トロイダルコア2個を使った200Ω→50Ωのインピーダンス変換トランス+ソータ・バラン
ダミーロードとSWRメータでの実験では、100Wも通過OKのようであり、また、周波数特性的にも30MHzまではなんとか使えそうという代物だ。

このバランは、壊れたACアダプタのケースに実装し、内部はエポキシ系の接着剤で防水。外からもいちおうブチルゴムテープでぐるぐる巻きにしてある。まあ、いくら防水しても水は必ず内部に侵入するのだが、どうせ移動用。あまり気にしないことにする。

逆Vとの比較

このデルタ・ループをMMANAでシミュレイトしてみたのが左図である。マゼンタがデルタ・ループ。青が頂角90度の逆V。

デルタ・ループの方がほんの少し性能がいいみたいだが、たかだか1dB程度である。ゲインとビームパタンについては「ほぼ同じ」といってしまっていいだろう。

これが2エレ八木とかになると、もう4dB程度期待でき、200W+短縮DPの固定局に匹敵するシステムになるのだが、500W局には勝てないし、まあ、しかたないか。

さて、MMANAである程度のシミュレイトはおこなったものの、いきなり現地で組み立てて不具合が発覚するのもナンなので、出発前に近所の堤防で寸法合わせ(クラニシのアンテナアナライザ BR210使用)。銅線の長さは、ほぼMMANAでの計算どおりの8.02mとなって一安心。

SWRは 14.0〜14.1で1.114.2で1.214.3で1.3きわめてブロードである。(50Ωでの給電もプロポーションを変えることで可能なのだが、ゲインがほんの少し上がるものの、広帯域性が犠牲になる)

SWR vs Freq. of Delta Loop

で、調子に乗って周波数を上げていったら・・・あれ?? 24.8〜25.0MHzもSWR=1.2程度 だぞ。さらに周波数を上げると、51〜52MHzでもSWR<2 になっている。まあ、50MHz帯は怪しいとしても、24MHzで使えるのはちょっと美味しいかも。ただし、指向性的にはあまりよろしくないけれど。(ほとんど無指向性? BS7Hをさんざん呼んでみたがダメだったので、ゲインも大したことない?)

で、再度SWR特性をシミュレイトしてみたら、右図の如く結果が出力されたのである。

10MHzでもSWR=30程度。これが逆Vだったら、SWR>100である。また、18MHzを超えてもSWR<15というのもいい。逆Vなら30〜80になるところだ。

つまり、このデルタループは、ATU無しで14MHz/24MHzのデュアルバンド対応(オマケで50MHz)であり、ATUを併用することで「のめしアンテナ」としても使えるのでは??

14/24という周波数関係なら、10MHz/18MHzというデュアルバンドも成立すると考えられ、実際、計算させるとビンゴであった。しかし、やはりデカい。

MMANAデータファイル → Delta-Loop14b.maa 適当にお使いください。
(実際のアンテナのSWR/周波数特性は、BR210での測定ではシミュレイションとかなり合致していたことを付記しておく)


14MHz Delta Loop on ALL JA Contest

例によって、またまた「前置き」が長くなってしまった。ま、いつものことなので、そこらへんはご容赦を。

コンテスト開始前、FMラジオでFM秋田でもNHKでもない局を発見。しばらく聴き続けてFM新潟であることを確認(77.5MHz)。ダクトであろう。しかし、コンテスト開始直前には消滅してしまったようだ。

今回のメインバンドである14MHzを聞いてみるが、DXだけで国内はなにも聞こえず。気になる24MHzへ上がると、9M2移動局がCQを出している。呼ぶと一発で拾ってもらえた。日本国内の9M2を呼ぶ局も弱いながらよく入感。スキャッタか。

1.9MHzに行くとUKK/8氏が聞こえ、ダメもとで呼んでみたら、なんと、取ってもらえた。それ以前にRig内蔵のATUでチューンがとれるのがウソのようである。(ホントです ^^;)
試してみると、1.9〜29MHzまでの全バンドで簡単にチューンがとれる。これだったら、マルチバンドでもなんとかなるのでは・・と思ったが、やはり14MHzメインは崩さずに行こうと決めた。

(追記: ケーブルが8D2V13.5mの場合は全バンドでチューンが取れるが、ケーブルの損失を減らすため8D2V3.8mに変更したところ、3.5MHzではチューンがとれなくなってしまった)

21:00 ALL JA コンテスト開始

ちなみに、いつもなら電信電話部門への参加なのだが、今回は口内炎か、ちょっと腫れていて、しゃべるとほっぺのウラが痛いため電信オンリィでの参戦である。

初っぱな、青森の局とできる。なんか、ディレイがかかっているような音で聞こえる。白神山地回折波と電離層反射波の干渉だろう。

それはさておき、その他にも多数のCQが確認できるものの、いくら呼んでもレスポンスがないのだ。ゼロインしてるつもりなのだけれど。ナンバを聞くとHを送信している。500W?まさか国内TESTで1KW出すか?・・・とにかく、コールバックがない。QRZ?・・・SRIが返ればいい方か。30分間呼び続けて、たったの2局。こ、これは、あかん。

ここで呼ぶのをあきらめて7と3.5に降り、援助交信(妨害?)を少し。SWRはかなり高いはずだが、それなりに普通に入感している局となら何の問題もなく交信できる。とはいえ、最初はKJRさんと間違えられる確率がやはり高い。(^^;)

CQ出すとかして連続送信するとバランのコアが発熱するのか、ATUでチューンをとったはずなのにSWRがズルズルと悪化することがあるのを発見。7よりも3.5の方が悪化の度合いが大きい。とはいえ、この現象は、他の周波数(3.5/7以外)では確認できていない。

さて、メインの14MHzでは、CONDXは妙に安定で聞こえる局は固定化し、しかもレスポンスが無いということになれば、これはもうCONDXが動くまで寝るしかないのである。ここまででたったの4局3マルチ。01時過ぎに就寝。


04:15、寒くて起きてしまう。日の出は04:42。CONDXは若干良い方に変化。04時台に14MHzで6局できるが、やはりマトモに飛んでくれない。05時台は再び下に降り、7でEIJを、3.5でRNNを妨害。(^^;)

その後05:30過ぎに14に戻ってCQを出してみたら、ついに今回初めて呼ばれた!!のである。この後は、ぽつりぽつりと呼ばれ出し、07時少し前から軽いRUNに入って約1時間で1〜7エリアの50数局と交信。今回のALL JAのキモはここだった。いや、まさにここしかないんだけどね。

08時台は、呼びに回って20局程度できるが、その後は泣かず飛ばずで、21や28で妨害にいそしみ、たまに24にも顔を出しつつ、14MHzでは1時間に10局程度のレートが続く。15時過ぎに再びCQを出し呼ばれる局面もあったが、続かず。16:30でQRT。

Area1234567890total移動地
JA07448111372910514132藤里町
JA951242117124311642132能代市

過去の記録を見てみたら、ALL JAでの14MHzシングルには1995年も参加している。このときは、幟山(211m)から逆Vで電信電話部門へのQRVであったが、奇しくもQSO数は今回と同数である。しかし、マルチはどうか?・・・って、左のエリア別の交信数で比較すれば、なんとなく見えてこないか? くるよな。 (T_T)
そうだよな、今回ほど呼べども呼べどもコールバック無し・・・ってのは、過去経験したこと無いからなぁ・・・はぁぁ・・・ (-o-;)


というわけで、今回はスコアは伸び悩んだものの、他バンドにも顔を出せたことで、まずまず楽しめたコンテストとなった。それにしても、7エリア内のQSOは06が2局、02,04,05が1局ずつで、後の5局は03。07は聞こえもしなかった。岩手は頑張ってるけど・・・先が思いやられるなぁ・・・

それから、ALL JAといえば、バッテリあがり事件も記憶に新しいところだが、今年はバッテリ交換後まる3年。そろそろ怪しくなる時期だけど、今年中には交換せんとな。

Tada/JA7KPI : 2007年04月30日(月)
コメント(1) [コメントを投稿する]
JA7KPI 2007年09月04日(火) 22時

14MHzCWで132局41マルチで全国16位、東北2位。MSQさんが全国4位、東北1位。<br>そのまま電信電話にエントリすれば東北1位だった模様。うー、口内炎(^^;) 。<br>Powerはどうしようもないとして、アンテナが低いのも敗因と思われる。<br>とはいえ、マストはギリギリ。互角に戦うには、もっと標高をかせぐ必要があるな。


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