JARL All JA Contest 2004

ALL JAコンテストへの6m(50MHz)での参加は10年ぶり。HFシングルバンドでの移動参加なら過去数回経験しているのだが、6mでの移動としては初めての参加となる。

実は、今回も6mではなく20m(14MHz)での参加を予定していた。今年はいくらか暖かいとはいえ、この時季(4月末)の6mCONDXは、まだまだ低調だからだ。
しかし、前日に14MHzのアンテナ(以前FDコンテストで1位になったときのビーム)をチェックしてみたら、ががーーん!!
ブームがないのよ。そういえば、ブームを新しく作り直そうと思ってほったらかしにしていたことを思い出した。
まあ、そーいうわけで、CQ誌の特集も50MHzだったし、やっぱり50で出るかぁ・・って。(^^;)

移動場所は、秋田県山本郡峰浜村の高峰山(たかぼうやま)340m地点(QN00BH)。
小雨の中、16:30出発。途中コンビニで食料を調達し、16:55現地へ向かう。
向かうといっても、現地までは30分程度のお手軽移動なのである。


小降りの雨の中、マストの垂直出しに手間取ってしまったが、とりあえずアンテナ立てて一息ついた。
バンド内偵察するも、ザッザッザという周期性のノイズしか聞こえない。しかし、福島や新潟のビーコンは聞こえている。
そういえば、今回はZLOGCGじゃなくZLOGJAだから、ちょっと立ち上げてみるかぁ・・とパソコンを起動してみると、なぜか赤LEDが点灯して、ピーーーーーーという警告(?)音。

「あれ??・・なにこれ・・・・ああっ!!まさかバッテリか!?」

アセってエンジンキーを回すと・・・クルマのエンジンかからんの。
バッテリがアがってしまったようである。ひええええー、どないしょーーー。

気を取り直し電圧を測ってみると、あらまあ、11Vに達しておらなんだわ。んなバカな。

というわけで、バッテリ異常が発覚したのが19:30。問題点は次のとおりだ。
  1. 無線できない。受信できるが送信は怪しい。
  2. 帰れない。
  3. 夜寒いのにヒーターつかない。
  4. ケータイないので、連絡手段も無し。
  5. 自宅までは、16km。しかも1/3は山道。

20:00とりあえずオニギリ喰って対策を練る。
まず、だれでも考えつくのが無線で知ってる人を捕まえて山まで来てもらう、あるいは自宅に有線で連絡してもらって家族に来てもらうことだ。しかし、いまどき能代市周辺で50MHz聞いてる人などいるわけがない。秋田市のおなじみさんも出てくるかはわからない。しかも、うちの親父は今夜は飲み会だ。
その前に、無線機が送信できていない雰囲気が濃厚。この案は却下だ。


20:30、雨がやみ、徒歩で下山するしかないと決断。懐中電灯持って山を降り始めた。
塙川まで出れば、公衆電話があるだろう・・・・
しかし、山のなかは恐いですねー。フクロウみたいな鳴き声とか、映画とかで観るのとは大違い。
一番恐いのはそろそろ冬眠からさめる「月の輪熊」である。でも、まあ夜行性じゃないだろう・・とタカをくくって降りる。
月が雲の間から顔を出し、そのうち、星も見え始め、西北西方向には火星も見えてきた。なんかやっぱり安心してしまう。

でも月の輪熊は、実は夜行性なんですねぇ。ぞぞぞーっ。能代高校以外のよいこのみんなはマネしちゃダメだよっ。(^^;)
だから、寒くてもとにかく朝まで待ってから行動すべきなんだよね。

50分後、塙川に出る・・が、公衆電話ないじゃんっ!! 電話かけられれば、タクシーを呼べる・・。
でも、ケータイ効果で、やっぱし公衆電話ないよーー。これはもう、歩行速度6km/hを証明するしかない。
たかが16kmなのである。自転車だと1時間かからない。なーに、時間はたっぷりあるのだ。
誰にも迷惑はかけんもんねー・・なんて、半ば意地になって歩き続ける。
10kmほど来たところで、脚が痛くなってくる。1時間半歩いてることになる。
歩く速さにはほとんど変化がないが、脚(足)の痛さはかなり激しくなってくる。

けっきょく、2時間40分かかった。自宅到着23時10分。歩行速度6km/hは証明された。
両足にマメができている。手当して、今後の対策を練る。


00時10分、親父のクルマで再び山へ出発。しかし、ビール飲む前に気づいてよかったよなぁ・・
山道では、タヌキを見かける。はぁー、さすがポンポコの峰浜村。いるんだなー・・。

バッテリ同士をブースタケーブルでつないで、エンジンをかける。かかったぁ。

01時〜02時にかけて50MHzの具合をみるも、ほとんど聞こえない。
JE1BMJをかわきりになんとかCWで3局(11と12)、SSBで2局(07と10)QSOするが、電波伝搬の状態も悪く、自宅に戻って寝ることにする。02:21下山開始。帰り道では、キツネを見た。
03:30過ぎに就寝。

朝、7時起床。いいお天気。しかし、二日酔の親父が起きてこない。ようやく9時に三たび出発。
現地につくと、ピクニックに来たらしいクルマが数台とまっている。
そーか、なんとか夜を越せばこの人達のクルマから電気もらえたんだ。しかし、後のまつり。
(高峰山は公園になっており、天気のいい日などは景色を見に登ってくる人も割といる。桜も植樹されているが、まだ開花していない)

10時台から無線運用に復帰するが、やはり伝搬状態が悪い。例の「Sを振って強力に入感しているのに呼べど叫べどコールバックがない」現象がひどいのだ。福島の局は「ノイズでSが7振ってます」とのことだった。

たしかにノイズは高めなのだが、福島のビーコンは強力であり、かすかながら5エリアの局や宮崎のビーコンも聞こえている。昨日はEsが出たというし、今日もなんとか出現してくれないか・・・ しかし、局数は伸びず、また風も強くなってきた。家の者にも心配かけたし、涙をのんで15時で撤収を決断。
途中でエンストすると再びセルが回らなくなる可能性が高いので、細心の注意をもって下山する。

Time212223000102030405060708091011121314Total
JA0400003200000008735836
00002200000006501016
上段: 局数、下段:マルチプライヤ

36QSOのうち、CWによるものは19。CONDXが悪いと、やはりCWでのQSOが増える。
マルチ的には、7エリア管内の02と05がとれていない。しかし、03は8局とQSOできている。
3エリアの1局は和歌山である。Esではなく、通常の対流圏伝搬のような感じだったが、定かではない。
また、4エリアの1局は、またJR4QPD/4である。この局は鳥取だが、いつもよく聞こえている。4が1局だけできた・・といえばこの局。どういう場所に移動しているのだろう。

Area1234567890total移動地
JA0411111001602436峰浜村
JA9400015101300231(参考) FIXED

翌日は出勤。もう、脚が痛くてタイヘン。
で、数年ぶりに自転車で仕事場へ・・・したっけ、今度は自転車にアクシデントが・・・
・・・・このハナシは → 別ページ(Bianchi2)・・・歩くのと自転車乗るのでは、使う筋肉違うのね・・・

帰宅して、バッテリをチェック。やはりエンジンはかからず、電圧は10.8Vくらい。
なんぼ充電しても電圧は上がらない。すべて熱に変換されてるだけ?? こりゃ、ダメだわ。ご昇天〜。
ちょうど定期点検の時期でもあり、クルマ屋さんを呼ぶことに決定。

翌々日、バッテリをひとまわり上の規格のものに交換 ( 28B17R 24Ah → 46B24R 36Ah ) して無事クルマが帰ってまいりました。
脚の痛みもだいぶひけてきて、もう普通に歩けます。

今回の教訓:
定期点検には早めに出そう。山に行く時は電圧チェックもしっかりやろう!!

・・・・で、ケータイはどないしょー??

なお、恒例の虫刺され箇所は1箇所。当日はぽこっとふくれている程度でかゆくもなかったが、今回も翌日になってから炎症がひどくなってきた。刺されたときにすぐに薬をつけておくべきだよね。

高峰山神社への参道

ところで、この高峰山の頂上には神社がある。

以前移動運用しに来たとき、いちおうお参りをした。
財布から1円玉と5円玉を数枚、賽銭箱に入れたのだが、帰りに車の中で財布がないのに気づき、あわてて引き返したら、財布は神社の鳥居のところに落ちていた。

だってさ、百円玉入れちゃったら、タバコ買えなくなるじゃん。
まさかあんた、まだ根にもってんじゃないよなぁ。


※東北2位 ・・って嘘だろ・・あー、嬉し恥ずかし・・そうして高峰山神社の賽銭は増えるのであった・・
2008.07.30追記: 4年3か月経って電圧が11V台に低下し、バッテリを寒冷地仕様車用の 55B24R に交換。
BACK to SHACK & FIELDS of JA7KPI