第24回VUオール秋田QSOパーティに能代市浅内移動で参加。
現地は PN90XD 標高約20m。かの能代宇宙イベントの開催地近傍。
そもそも、なぜここなのか・・というと、以前にもちょっと書いたが、ここら辺は秋田市のコミュニティFMの入感状況が極めて良好なのである。
このコンテストでは大票田の秋田市に電波を飛ばすことが有効だが、逆もまた真なり・・で、良く聞こえる場所は良く飛ぶ場所・・のハズなのだ。*1
もちろん山に登ればここよりも良い場所はある。だが、さすがに雪に阻まれて山に登ることは不可能。平地で一番のポイントが この浅内鉱さい堆積場近傍なのだ。
ここには東北自然エネルギー開発による集合型風力発電所が設置されている。ということは、メインテナンスのため ある程度除雪がされているだろうという思惑もあった。
12月30日に下見を実行。能代ロケット実験場まではタイヤ跡も多く安心だったが、その先はちょいと不安だった。
浅内浜から鉱さい堆積場に至る雪の多い坂を20mほど登ってなんとかクリアすると、あれま、ほとんど積雪がない。さすが風力発電基地。雪は風で吹っ飛んでしまい、積もらないのだ。
さて、実際のアンテナ設置地点選定には、FM放送用2エレ八木を使った。
データは次のとおり。ただし、ありあわせの材料で製作してある *2ので最適化はされていない。
このアンテナを持ち、VX-8のSメータで秋田コミュニティFM*3とFM椿台*4の信号強度が良好なポイントを探索。鉱さい堆積場周辺では、第一鉱さい堆積場*5、第三鉱さい堆積場北西地点*6、同北東地点*7、同南西地点*8の4か所で測定したが、最良ポイントは下の写真の北西地点*9であった。
また、ビーム方向はすべての地点でダイレクト方向*10で、男鹿反射の可能性は否定された。なお、この他に2011年と2012年の移動地でも測定してみたが、第三鉱さい堆積場との差は歴然*11であった。*12
下見は元日にも行い、両コミュニティFMの信号強度を再チェック。雪は30日よりも多かったが積雪4cm程度であり、問題なしと判断した。*13
当日は06時40分頃起床したものの またしても大雪。自宅の雪かきに時間を喰われ到着が遅れてしまったのだが、現地では嘘のように積雪がなく、20分の遅刻で済んだ。
気温マイナス1℃、北西の風7m/s、曇り時々吹雪。
09:20から145MHzFMにてCQ開始。
まあ、コンテストというよりも基本的にローカルQSOの延長なので、QSOレートはものすごく低い。(^^;)
途中、衛星AO-73のCWにQRV。本家JARLのQSOパーティでは、衛星によるQSOも有効。
受信周波数固定でやっていたが、数局通り過ぎていったような・・(^^;) なんとか 1QSO。*14
CWではTADA、SSB/FMでは名字をオペレータ名とした。全QSOで統一しなければならないというルールはないので、これでもOKである。中にはイニシャルで送ってくる局もあり、さすがに聞き返してしまった。
10時台、北東ビームで青森市、五所川原市とできるも、その先の函館方面は聞こえず。
11時に入り、430MHzで にかほ市移動のJI7OED/7とできるが、だいぶ西から入感してきていた。帰宅後地図で確認したら、どうも男鹿反射のようである。 同局とは後になって144MHzでもできたが、144ではダイレクトビームであった。
11時台は秋田市中心に まあまあ伸びた。しかし、お昼を過ぎるとパッタリ止んでしまった
13時過ぎ、144で今回の最長距離 山形県新庄市とできる。160kmくらいか。かなり安定して入感。3段GPとのこと。
14時過ぎ、衛星FO-29にQRVし、CWで2QSO。
15時過ぎまで ねばってみたが、もはや打ち止めと判断し撤収することにした。
<タイムチャート> | 09 10 11 12 13 14 15 19 20|合計 ----+---------------------------+---- 50| 1 - 1 - - 1 - - -| 3 144| 7 5 10 4 2 1 1 - 2| 32 430| 1 1 5 - - - - - 1| 8 SAT| - 1 - - - 2 - 1 -| 4 ----+---------------------------+---- 合計| 9 7 16 4 2 4 1 1 3| 47
帰宅して晩飯喰ってから常置場所で少しQRV。FM衛星SO-50で中国局を呼んだが、こちらのコールサインをなかなか採ってくれず苦労した。QSOパーティでも1QSO。
ログをまとめる段階で、衛星でのQSOも有効なのではないかと思えてきた。シングルバンドには無効だろうけれど、デュアルやマルチバンドなら本家JARLのQSOパーティ同様に衛星QSOもOKの可能性がある・・
ということで秋田県支部の担当者さんにメイルで問い合わせしたところ、基本線は有効なんだろうけれど想定外なので検討が必要・・とのこと。LOGはとりあえず暫定様式で提出することに。
2015.02.08 追記:
上の運用場所の写真の南方向には、ちょっとした丘が写っているが、この丘は50mほどある。
てぇことは、この丘の南側に回れば秋田市のコミュニティFMの入感状況はもっと良好になるに違いない・・ということで、雨の中 現地に行ってみた。
したっけ、正月の運用場所で信号強度 S=7だったのが S=5に低下。ビーム方向はやはりダイレクト。念のため、帰りに元の運用場所に寄って信号強度を確認してみたが、やはり S=7であった。*15
両コミュニティFM局は多段回折で入感しているものと推測。おそらく、丘の上に上がれば VY FBなのだろうが、道がないので無理。
また、伝搬ルートからの憶測では、秋田~能代間は、濁川~下新城~大久保あたりの山(丘?)が壁になっているようである。浅内浜まで出てくれば、この壁を避けることができるわけだ。
2015.02.21 追記:
コンテストの結果が出た。衛星によるQSOも有効と判断され、FSM部門で 2位。
各バンドの最多交信局数から90交信は可能のはずなのだが、難しいか・・・
*1 しかし、なぜここで良く聞こえるのかは未だにわからない。ただ、鉱さい堆積場自体はこのアンテナ設置ポイントの10m下にあり、ちょうど幅800mくらいの川(鉱滓が堆積しているわけだから大地導電率はかなり高いと思われる)の10m堤防の上に陣取ったような感じになっている。しかし、その先には標高50m程度の丘がある。もっとも・・70MHz帯と50/144/430MHz帯の飛び方は違う・・のかも。(^^;)
*2 角材に竹竿(エレメントはエナメル線)とアルミパイプ(定尺2m)をビニルテープとロック・タイで固定。給電線はRG58A/Uで、給電点に簡易バランとしてTDKのパッチンコアを3個入れてある。
*3 76.5MHz http://www.fm765.com/
*4 79.6MHz http://www.fm796.com/
*5 旧宇宙イベント会場。
*6 第10回宇宙イベント会場入口。
*7 第10回宇宙イベント無線LANアンテナ設置点。2番目に良かった。
*8 能代市側風車南端。3番目に良かった。
*9 両局ともS7
*10 現地からは両局の送信所(金照寺山・高尾山)はほぼ同一方向。
*11 S3~5
*12 その後、自宅の1階の屋根でも手持ちでやってみたが、東端でS5。中央部(衛星用アンテナの小ルーフタワー設置箇所)でS3(シャックに近いせいかノイズ多し)。西端では S<1で ほとんど無感であった。(東端は市道に面しているが、西端は隣家に囲まれている)
*13 でも、番組は正月進行なのか両局とも同じミュージックバード・ソースの垂れ流しになっていて興ざめした。(T_T)
*14 MEL>50°なのに、横着してANTの仰角は付けなかった。
*15 本題とは関係ないが、FM青森(80.0MHz)も(どちらの地点でも)S=7であった。
SO-50でのQSO、ありがとうございました<br>VU ALL秋田でサテライト通信が有効になるのなら現地乗り込みしちゃおうかな(笑)
SO-50は、めっきり静かになりましたね。えっ? 1局出てこなくなっただけだって??<br>さておき、JARL的にはサテライトってひとつのバンドとみなされてるわけで、VU ALL秋田で有効にするのであればやはり同様のくくり方になるべきなのかと。<br>しかし「周波数 50MHz帯以上」というのも生かすならばAO-7は無効になるのかな。ここらへん、わかりやすく規約に反映させるのも苦労しそうですね。