第33回 全市全郡コンテスト
なんとか・・移動で参加。でも能代市内。
今回のアンテナは、144や430でも作ったことのある Vビーム。これを HF 28MHzでやってみようというものだ。
とはいえ、素材は1.9MHzの逆Vである。エレメントは、28MHzに合わせて切っちゃうと後で1.9用として使えなくなるので、エレメント端から30cmくらいずつ折り返し、その折り返し数でエレメント長を調節してみた。片側でだいたい3.25波長だ。*1
Vビームの頂角は、MMANAの計算で最大ゲインを得られた ほぼ45度にセット。50Ω給電では、頂角をもっと狭くすればSWRは落ちてくれるのだが、ゲインは低下してしまう。本当は、大進無線等で扱っている110Ω→50Ωのバランを使うのがベストなのだろうが、今回は準備が間に合わなかった。このため、マッチング機構は省略し、5D-FBをそのままつないでいる。*2
MMANAの計算では、SWRは2程度に収まるはずだったのだが、アンテナ・アナライザによれば、SWRはようやく3である。SWR最小周波数は28.06MHz。
ちょっと不整合損失が気になるものの、あとはATUにおまかせして先に進もう。
図は、MMANAによる この 逆Vビーム、2010年全市全郡で使った Gapped DL、移動運用標準アンテナであるトラップDPの指向性等の比較である。
最大ゲインや低角度方向のゲインは今回の 逆Vビームが最強だ。が、最大の欠点・・このアンテナはとても回せない!! こんなんで使い物になるのか!?
ちなみに、ビーム方向は、だいたい南南西。能代からは静岡方向。
今回はこのような特殊アンテナを使用ということで、他のアンテナとの比較実験もやりたかったのだが、ヘルニアで腰にあまり負担かけたくなかったため、他のアンテナ上げるのは断念した。すんません(^^;)。
現地は、最近よく来てる能代市内のPN90。
オール秋田ではロケット実験場の南のPN90XDだったが、今度はちょっと北のPN90XEだ。標高を稼げないのなら、広い+水辺(しかも海水)ということで、移動地は浜になるのである。波打ち際までは約40m*3。風がけっこう強く、波も高くて ちょっと恐かった。
コンテスト参加部門は、2010年全市全郡のリヴェンジというわけではないが、28MHz電信である。
あのときは、850mまで登ったにもかかわらず、ぜんぜんダメダメだった。今年は海抜ゼロメートルだが、はてさて どうなりますか。
アンテナ設営して24MHzを聞くと、JD1移動局が「UP」と打ってパイルをさばいている。適当に1kHzくらい上で呼んだら一発でコールバックがあった。もしかして、いいかも? *4
21時、コンテスト開始。
予定どおり28MHz。なんも聞こえないのは覚悟してたけど、ホントになんも聞こえないとヤル気も失せていく。開始当初は電信電話にするか電信のみにするか迷い、SSB周波数もワッチするが NG。
5分経過してようやく大阪局と交信。その後しばらく見つけられなかったが、21:20過ぎに九州局を捕まえる。この後 21:45頃までに九州2局。しかし続かず、14MHzへ降りる。28には頻繁に戻ってみたが、けっきょく 1日目の28はそれで打ち止めであった。
14MHzに出たのは、マルチバンド参加局とあらかじめ14でナンバ交換しておくことで、明日の28の交信成立につなげようという皮算用があった。CQ出して呼ばれる局面もあったが、28の状況も気になるため考え直し、S&Pに徹することに。
その14も日が変わる頃には新局を拾えなくなり、次はKPIとしては異例の7MHz*5へ。でも、ちょっと援助交信しただけで睡魔に襲われ、01時には就寝。
シュラフは持参していたが、面倒いので使わなかったら やっぱり寒くて目が覚めてしまった。
04:48起床。7MHzでよく聞こえていた有名コンテスタのVSE局の後、14MHzでJA1ZGPとJA7YCQに食い下がってなんとかゲット。信号はZGPが強いけど、耳はYCQの方が上のような・・(^^;)
この後06:20過ぎ 28MHzに上がって再びZGPを呼ぶと、14で既にやってたせいか わりとスンナリ取ってもらえた。やったね!!
07時頃までは14と28を行ったり来たりするも、両バンドとも稼げない。しかし、08時台には 札幌、須賀川、天童と近場ができる。遠方のF層スキャッタとかでもないし、やはり対流圏散乱なのか? 近場としては、09時台に紫波郡もできた。しかし、09時~10時台は28は伸びず、14での交信がかなり多くなった。
10:50、沖縄が強力に入感し、呼んでQSO。夏のEsなら しばらく待っていれば九州が聞こえてくるのだが、今回はそうはいかないもよう。また14の比重が大きくなる。
11:20過ぎ、28でCQ出したら、YCQに呼ばれる。すごいぞ偉いぞYCQ!! その後 盛岡のYAFにも呼ばれた。いつもありがとう!!*6
変化がみられたのは、13時過ぎで、28MHzで11交信できている。この後、14には降りず、ずーっと28に居座ることとなった。13時台には、VSE、EIJ等 複数の有名局とできているので、全国的に28のCONDXが上昇したものと思われる。しかし、14時台に入ると再び沈黙モードに。
band/area | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | dx | QSO |
7 | 2 | 1 | 1 | 4 | ||||||||
14 | 6 | 3 | 4 | 6 | 5 | 13 | 3 | 2 | 42 | |||
24 | 1 | 1 | ||||||||||
28 | 13 | 3 | 3 | 1 | 6 | 5 | 4 | 2 | 37 | |||
total | 22 | 6 | 7 | 6 | 6 | 19 | 9 | 7 | 2 | 84 |
15時過ぎ、8N1の三文字コール局を呼び、なんとかコールサインは取ってもらえたのだけれど、NR?の連発で、トータル3~5分も送ったかな? 一瞬沈黙があった後、「QSL」と打ってCQに戻られた。大丈夫か? (^^;)
15:30過ぎ、石垣島局が超強力に入感*7し、呼んでQSO。しかし、やっぱり後が続かない。
あとは 辛抱しつつS&Pを続け、日没が17:13なので16:30にはCLということになった。
TABLEは、今回のPN90XE移動の全QSO。QSOしてくださったみなさん、お呼びくださったみなさん、どうもありがとうございました。
ま、28も楽しかったけど、はじめから14MHzをメインにしていれば、もっともっと楽しかったかも。でも、これでいいのだ。
最後に、ZLOGの吐いたデータも貼り付けておく。
<タイムチャート> | 21 22 23 00 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16|合計 ----+------------------------------------------------+---- 7| - - - 3 1 - - - - - - - - - - -| 4 14| - 13 3 - 2 2 2 - 3 9 7 1 - - - -| 42 28| 4 - - - - 3 2 4 1 1 3 - 11 2 2 4| 37 ----+------------------------------------------------+---- 合計| 4 13 3 3 3 5 4 4 4 10 10 1 11 2 2 4| 83 累計| 20 31 43 64 79 |
<時間およびエリアごとの交信局数> [14 MHz] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 合計 累積 [21] - - - - - - - - - - - 0 [22] - - 1 4 3 5 - - - - 13 13 [23] - - - - 1 2 - - - - 3 16 [00] - - - - - - - - - - - 16 [05] 1 - - - - - 1 - - - 2 18 [06] 1 1 - - - - - - - - 2 20 [07] - - - 1 - - - 1 - - 2 22 [08] - - - - - - - - - - - 22 [09] 1 - - - - 2 - - - - 3 25 [10] 2 - 2 1 1 2 - 1 - - 9 34 [11] 1 2 1 - - 2 1 - - - 7 41 [12] - - - - - - 1 - - - 1 42 [13] - - - - - - - - - - - 42 [14] - - - - - - - - - - - 42 [15] - - - - - - - - - - - 42 [16] - - - - - - - - - - - 42 Total 6 3 4 6 5 13 3 2 - - 42 [28 MHz] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 合計 累積 [21] - - 1 - - 3 - - - - 4 4 [22] - - - - - - - - - - - 4 [23] - - - - - - - - - - - 4 [00] - - - - - - - - - - - 4 [05] - - - - - - - - - - - 4 [06] 3 - - - - - - - - - 3 7 [07] 2 - - - - - - - - - 2 9 [08] - 1 - - - - 2 1 - - 4 13 [09] - - - - - - 1 - - - 1 14 [10] - - - - - 1 - - - - 1 15 [11] 1 - - - - - 2 - - - 3 18 [12] - - - - - - - - - - - 18 [13] 3 1 1 - 1 1 - 2 - 2 11 29 [14] 2 - - - - - - - - - 2 31 [15] 1 - - - - 1 - - - - 2 33 [16] 1 1 1 - - - - 1 - - 4 37 Total 13 3 3 - 1 6 5 4 - 2 37
このコンテストの場合、マルチは・・いいだろ。(^^;)
最後に・・逆Vビームは・・効いたのか? ・・効いたよね。効いたことにしよう。そうしよう!!
2013.2.25 追記:
結果発表・・全国5位なのだが、20局エントリで東北1位なので、「シングルオペ50MHzバンド以上の種目を除く各種目上位25%以内にあるコールエリア第1位のJARL会員局に賞状を贈る」という規定に引っ掛かり、いちおう入賞ということになった。なんか、はずかしい。(^_^;)
逆Vビーム、やはり効いたのか・・・
*1 エレメントは裸銅線。波長に対し十分短く折り返しビニルテープでまとめてしまえば切り詰めたのとほぼ同様な効果が得られる。
*2 ただし、もともとCOMETの強制バランは着いてるし、念のためパッチンコアも12個入れた。
*3 しまった!! 帰宅してから洗車するの忘れてる!!
*4 ATUを使うことで、7,14,24,28MHzの 4バンドでQRV可能。他のバンドはNG。24MHzでも指向性利得は それなりにある。
*5 KPI標準装備の移動用アンテナは、7MHzではATU使用してもSWRが落ちない。今回のアンテナは、たまたまATU入れたら使えた。
*6 お返しに、14で呼んで援助させていただいた。
*7 59+40dB以上
おめでとうございます。
こんにちは.昨夏の書き込みでは失礼いたしました.<br><br>全市全郡コンテストでは JA7YAF で午後だいたい 28MHz を聞いておりました.<br>かすかすの信号が多い中 KPI さんは Sc で安定して聞こえておりました.<br>私たちはほぼ同じ緯度で 100W+自慢(?)の 6el 26mH で34QSO でした.<br>オペレータが足りなかったため相手が少なそうな朝は運用しておりませんが<br>18時すぎまでじゅうぶんに運用したつもりですから,<br>それ以上に交信できたVビームはかなりの性能があったと言えると思います.<br>ちなみに2010年は同様の設備・運用で 21QSO でした.<br><br>なお Sc は16時をすぎて強くなりましたが相手は少なく,18時半で閉じました.<br>遅くなって弱い Es で14・21MHz CW が上昇したものの<br>新しい相手はほとんど見つからず,28MHz は静かでした.<br><br>28MHz ではぎりぎりの状態の交信が多いですから<br>確かに低いバンドで交信済みですとナンバーが確認しやすく助かりますね.<br><br>例年通りオール東北に参加する予定ですのでよろしくお願い申し上げます.
たいへん興味深いお話しで、参考になります。実際、同程度の緯度に位置する局からの情報は貴重ですね。ありがとうございました。<br>オール東北は、参加の方向で検討していますが、例年どおりとはいかないかもしれません。1.9に出るのか、それともハイバンドか??