ZCR/bLOG


[Radio] FD 2012

2012年12月06日 22時 更新

8月の第1土曜日は、フィールドデイ・コンテストだ。

1994年から連続参加中のKPI。今年の移動地は当初、男鹿か由利本荘を見込んでいた。
しかし、先月の6m&Downのリヴェンジで、再び 八峰町 (04008i PN90XK)となったのである。
気持ちの切り換えがスパッとできないKPIであった。(^^;)

現地の標高は約470m。ここから南方向への障害物は、約150km先の鳥海山しかない。さらに首都圏へは、月山→裏磐梯→筑波山・・といったルートとなる。
以前も書いたが、バックは かなり急な がけ地 で、反射板の如くなっているため、北海道との交信はバックスキャッタに頼るしかない。

実は、2005年のFDで同じ場所でQRV*1した。当時は林道終点で行き止まりであったが、数年前に林道が延伸*2され、現在はカーブミラーも設置されている。*3


PN90XK 八峰町 池の台林道

設営終了して50MHzをワッチしてたら、50.1505あたりで英語が聞こえる。早口でコールサインが聞き取れないが、TOPレターは A だ。北米か??・・と、アンテナを回すと、北米ダイレクト*4方向である。しかし、この方向は前述のとおり崖になっていて、空は仰角30度以上にしないと見えないのだ。方向を確認するが、逆方向ではなく、やっぱり北米なのである。*5

こんな時間*6に北米が??・・と思ってたら、いつのまにか聞こえなくなってしまった。帰宅後、クラスタをチェックしたが、その時間帯のポストはなかったもよう・・? ま、いっか。*7



VUHFアンテナ群

21時、コンテスト開始。とりあえず、50MHzSSBでCQ作戦。
しかし、3分間応答無しで、CWへ行き、07のJH7MGJ/7とQSO。その後、S&PとCQを交互に繰り返す。
最初の1時間は17局12マルチで、出足は悪い。

22時頃から、50.384*8でRUNを試みるが、なんとなくカブってる雰囲気。どこの局かと思ったら、常連さんのJK1YMM/2だった。うーむ・・しかたない。ここは明け渡すか・・ orz
しかし、この後もひとつの周波数に留まることができず、けっきょく周波数ジプシーに・・・(^^;)

00時少し前、24(奈良)のJH3OXM/3とできる。Esではない。FAIっぽくもなかった。MSか?

00:30過ぎ、ちょっと144MHzに浮気。14(茨城)のJK1JHU/1*9をはじめ、12(千葉)、13(埼玉)などとできる。430では、何も聞こえず。

01時少し前から50MHzに復帰するが、まだまだポロポロ交信できる。CONDXいいのか悪いのか・・?? 34(鳥取)のJR4QPD/4や、26(和歌山)のJK3HLP/3ともできるが、やっぱしEsではないと思われる。

02時を過ぎても まだ聞こえていたが、ほぼQSO済みの局だったので02時半頃就寝。ここまでで 60局24マルチ。



04時半起床*10。04:40から戦線復帰するも、入感傾向にはあまり変化なし。

05時台にようやくお隣の02(青森)とできるが、これ以降マルチはさっぱり増えず。

band/area1 2 3 4 5 6 7 890DXQSOs
50 64 6 3 1 37 620 137
144 4 1 2 7
430 12 3
1200
total 68 6 3 1 38 724 147

11時台になって、22(京都)のJR3LSE/3とできるが、これもスポット的で他の3エリア局とはできない。

同じく11時台、このコンテストにはQRVしてこないだろうと思ってたJE1BMJに呼ばれる。ありがたや(^^;)。*11

しかし、12時を過ぎてCONDXは落ち始め、13時頃には、あまりのヒマさに430MHzへ浮気してJH1RYE/0ほか数局とQSO。RYE局とは50~430の3バンドでできた。

50MHzでの13時台の交信はたった2局。14時台は とうとう1局のみで、ぜんぜんダメダメモードに落ち込んでしまう。
新局探ししたりCQ連呼するもポイントゲットできず、ついに15時タイムアップとなってしまったのであった。

上のTABLEは、コンテスト外のQSO*12を含めた今回の八峰町移動の全QSOである。

過去のデータを見ると、今回のCONDXは1997年のFDと似ている。1997年もEsが出ず、4,5,6エリアと交信できていない。当時は7エリア管内局数も多かったので局数は今回より多く159だったものの、マルチは惨敗で23しかとれなかった。

1エリアとの交信数に着目してみると、今回は64なのだが、KPIのFDでのレコードは2005年の65であるから、今回は1エリアに対しては良いCONDXであったといえる*13だろう。

Esに関しては、宮崎のビーコンは時折入感していたものの、コンテスト参加局の信号はついに受信できなかったのは残念である。
また、FAIらしき伝搬は確認できたのだが、それを活用するまではいかなかった。これは反省点である。

というわけで、簡単にまとめると、とにかくマルチが少なすぎる。これじゃ、ダメじゃん・・なのであった。orz



ZLOG用DOS機 PC-9821La10。アッパーグローブBOXのフタを吊して設置。ちなみにバイザの裏には乾電池式の蛍光灯をセット。

さて、クルマが変わり、どういう具合にLogging用PCをセットするか迷っていたのだが、けっきょく写真のとおりアッパーグローブBOXの扉を吊り上げるという手法に落ち着いた。
・・でも、なんか壊しそうで恐いな。(^^;)

前のクルマのパジェロジュニアは、乱暴にいえば、パジェロミニにオーバーフェンダを着けただけのもので室内の広さはほぼ同じため、コンテストでも違和感なく運用できた。*14

二日目(8/5)は、かんかん照りで、かつアブ&ブヨがぶんぶん飛び回っていたため、ウインドウ閉めてエアコンをかけざるをえなかったのだが・・今後もこんな過酷な運用が続くのね・・かわいそうなパジェロミニ・・(^^;)

あ、そうそう。フロントガラス用のサンシェード、これは必須だ。無かったのでバスタオルで代用してみたが、代用品でもかなり効いた。次までに入手しておくこと>俺。



最後に、ZLOGが吐いたデータを貼り付けておく。

<タイムチャート>

    | 21 22 23 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14|合計
----+------------------------------------------------------+----
  50| 17  9 11  9 10  4  -  3  8 11  8  9 10 11  7  6  2  1| 136
 144|  -  -  -  4  -  -  -  -  -  -  2  -  -  -  -  -  1  -|   7
 430|  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  1  2  -|   3
----+------------------------------------------------------+----
合計| 17  9 11 13 10  4  0  3  8 11 10  9 10 11  7  7  5  1| 146
累計|       37       64       75      105      133      146|
<時間およびエリアごとの交信局数> (括弧内は電信の内数)

[50 MHz]
         1     2     3     4     5     6     7     8     9     0     合計    累積

 [21]    7(1)  1(1)  -     -     -     -     6(1)  -     1     2     17(3)   17(3)
 [22]    2(1)  2     -     -     -     -     3     -     1     1(1)   9(2)   26(5)
 [23]    6(3)  1(1)  1     -     -     -     2(1)  -     -     1(1)  11(6)   37(11)
 [00]    5(2)  1(1)  -     -     -     -     1(1)  -     -     2(1)   9(5)   46(16)
 [01]    6(4)  -     1(1)  1(1)  -     -     -     -     -     2(2)  10(8)   56(24)
 [02]    2(1)  -     -     -     -     -     1     -     1(1)  -      4(2)   60(26)
 [04]    3(1)  -     -     -     -     -     -     -     -     -      3(1)   63(27)
 [05]    4(3)  -     -     -     -     -     3(3)  -     -     1      8(6)   71(33)
 [06]    4(1)  -     -     -     -     -     5     -     1     1     11(1)   82(34)
 [07]    4     -     -     -     -     -     2     -     -     2      8      90(34)
 [08]    2     -     -     -     -     -     5     -     -     2      9      99(34)
 [09]    4(2)  1(1)  -     -     -     -     4(4)  -     -     1(1)  10(8)  109(42)
 [10]    4(2)  -     1     -     -     -     2(1)  -     -     4(1)  11(4)  120(46)
 [11]    6(2)  -     -     -     -     -     -     -     1(1)  -      7(3)  127(49)
 [12]    3(1)  -     -     -     -     -     1(1)  -     1     1(1)   6(3)  133(52)
 [13]    1(1)  -     -     -     -     -     1     -     -     -      2(1)  135(53)
 [14]    1(1)  -     -     -     -     -     -     -     -     -      1(1)  136(54)

Total   64     6     3     1     -     -    36     -     6    20    136
       (26)   (4)   (1)   (1)              (12)         (2)   (8)   (54)
<時間ごとの取得マルチプライヤー>

[50 MHz]
 [21] 07 14 06 04 11 08 09 18 12 15 29 13
 [22] 03 30
 [23] 10 05 17 24 19
 [00] 20
 [01] 34 26 16
 [02] 28
 [05] 02
 [10] 22
<マルチマップ>

    11111111111111
    000000000111110000000011111111112222222222333333333344444444445
    123456789012342345678901234567890123456789012345678901234567890
  50..............*******************.*.*.*.***...*................
 144.................*..*...***....................................
 430....................*...................*......................

あと、なにやら このコンテスト*15の開催日を他のコンテストと入れ替えるなどという案があるらしい。

その理由が、

日本のアマチュア無線全体の高齢化が進行しています。(中略)
8月第1週という酷暑の時期に、野外でアンテナ設営作業等を含めたコンテスト運用を行うという行為は再検討する必要があるのではないか

・・なのだそうだ。
いや、むしろ夏休み中のリアル若い人たちの参加をうながす意味で、現状のままの方がいいのではないかと思うし、自分としてはどのコンテストと入れ替えたとしてもけっきょくは移動での参加になる。意味なしなのである。わりゃ、なめとんのか、ゴルァ・・と言いたい。(^^;)*16

そんなこと検討する前に、早くコンテスト結果公表してほしい。JARL NEWSの発行に合わせようとしているフシがあるが、なぜ? Webのメリットはどこに?



2012.12.6 追記:

12/4に結果出たもよう。

http://www.jarl.or.jp/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/fd/2012/entry.html#X50

電信電話部門シングルオペ50MHzバンド(X50)で東北1位だったが、電信部門シングルオペ50MHzバンド(C50)の1位2位に交信数、マルチとも負けているので、入賞した気がしない。彼らはどちらも福島移動なので交信数で負けるのはしかたないが、マルチでも負けるとは・・やはり気合いが足らぬのだろう・・・


*1 2005 FD X50 東北1位

*2 ただし、200m程度で行き止まりとなる。

*3 しかし、ひとりも(+一匹も)通らなかった。アブやブヨはたくさん飛んでたけど。

*4 ほぼ北東

*5 前述のとおり、この場所は、北海道はダイレクトビームではできない。

*6 18時頃

*7 ホントに北米だとすると、その信号は近場のコントロールポイントから降ってくる・・といったイメージか。仰角はかなり高めということになる。池の台林道では、2000年の6m&DownでもWを聞いている。

*8 1,2,7,9,0エリアがポロポロ聞こえているが、1エリア メイン。このCONDXなら、1エリア内の混信が少ない(と思われる)上の方に陣取った方がよかろう・・という・・

*9 JHU局とは50MHzでもできたが、50MHzでは、FAIらしき散乱波とグラウンドウエイヴが、周波数のズレたツー・トーンで聞こえることがあった。最初はQRMかと思ったが、まったく同じ符号を打っているのが確認でき、ビックリした。

*10 2時間睡眠・・はっきりいって、よいでねっす(^^;)。ちなみに、日の出は04:42頃。

*11 十分強力にS振ってた。

*12 50での8J1GINGA/7 (男鹿市)とのQSO

*13 あくまでも当地04(秋田)から見てのハナシであるが。

*14 KPIは左手でもパドルを打てるのだが、足下の自由度確保等いろいろあり、以前から助手席側で運用している。

*15 以前も書いたが、コンテストの正式名称は「フィールドデーコンテスト」である。しかし、ここでの表記は「フィールドデイ」とさせていただく。「少年サンデー」は許すが、「フィールドデー」は許せないのである。(^^;)

*16 動かすんなら、6&Dを6月にしませんか?

Tada/JA7KPI : 2012年08月04日(土)
コメント(9) [コメントを投稿する]
β教粗 2012年08月05日(日) 12時

50CWのQSO有難うございました。187で8J1GINGA/7 男鹿市のスローなCWとQSOした後、そういえば居るかな?と思って探したらすぐ見つかりました。<br><br>今回は大丈夫だったようですね。

JI7RVJ 2012年08月06日(月) 10時

お疲れ様でした。<br>コンデション最悪でしたね。<br>温度上昇とコンデション一緒に上昇してくれれば良かったんですが、全くだめでしたね。<br>おかげで両腕はぴりぴり痛くてたまりません。<br>又宜しくお願いします。

β教粗 2012年08月09日(木) 16時

*7 について。へえー油断して全然聞いてませんでした。8月に入ってからもオープンすることがあるんですねぇ。<br><br>あとFAIですが、西北西ビームの西日本がメインなんですが、私の過去の実験では対称の東北東ビームでも実験で確認したりQSOできたりしています。<br><br>それにしてもFDだと50Wの移動がメインなので、マルチ稼ぎは厳しそうですね。

JA7KPI 2012年08月09日(木) 20時

FAIのメカニズムからいって、東方向もあり得るのは理解できますが、なかなか東に向ける機会がない・・んですよね。<br>それと、FDだとほとんどMで、聞こえたならQSOできるので精神的には楽ですね(^^;)。ただ、LもPもいらっしゃいますから、こちらが採れないこともあるのですが・・・

7K3DIW 2012年08月20日(月) 21時

FDでの交信ありがとうございました。<br>QRP5W+5eleで04まで飛んでいくとは、夢にも思っていませんでした。<br><br>実は、Hヘンテナの打ち上げ角の低さに注目して、山岳移動用の軽量、ショートブーム・高利得アンテナを設計しようと調べていたら、ここにたどり着きました。<br><br>KPI局の略史も見せて頂きましたが、ほぼ同世代なんですね。<br>これからも、6mには出てきますので、通常QSO、コンテストでもよろしくお願いします。

JA7KPI 2012年08月21日(火) 23時

DIWさん、5911Pありがとうございました。<br>本文にも書きましたが、やはり今年のFD、50MHzのJA1~JA7のCONDXは良かったということなのでしょう。

JA7KPI 2012年08月27日(月) 16時

「JARLコンテストについての意見」については、本日付けでメイルをJARL宛て送信しました。<br>基本的にbLOGの本文内容と同一意見で、FDの時期入れ替えは反対、160mの件は、条件付き賛成としました。<br>ついでに、コンテスト結果公表の迅速化を要望しました。

JE7IDA 2012年08月28日(火) 09時

いつも JA7YAF に貴重なマルチを提供してくださいましてありがとうございます.<br>FD は八幡平市焼走り(岩手山北東斜面)で短時間 7/144 に出ました.<br>144CW で KPI さんを探しましたが,KGE さんしか聞こえませんでした.<br><br>さて FD は確かに暑くてまいりますが,日程を変更すると各クラブに影響があり,<br>特に学校クラブではほとんどが参加断念か大幅縮小となります.<br>また他の国内コンテストが夏休み前半になりますと,最近の高校・大学はこの時期多忙で,<br>そのコンテストも多くの学校クラブが参加断念か縮小参加となります.<br>入れかえ方によってはかなりの高校で各部員が3年間で本格参加できる大コンテストが1つだけになり,<br>下級生の初運用に上級生がついて指導することもできなくなるなど影響は甚大です.<br>高校クラブの多くが学校で難しい立場にあり,活動停滞は廃部の口実にされかねません.<br>しかし夏休みでもあり各校の皆さまは今回の意見募集をご存じないようです.<br><br>意見募集の末尾を読みますとコンテスト・委員会は難しい立場なのかなとも感じます.<br>個人,クラブ,非参加者も含めお互いを尊重した意見が集まれば委員会を支援でき,<br>皆が楽しみ発展していける環境が作れるかと思います.<br>長文で失礼いたしました.全市全郡もよろしくお願い申し上げます.

JA7KPI 2012年08月29日(水) 21時

IDAさん、情報ありがとうございます。それは深刻ですね。<br>私の意見に対してはコンテスト委員会から受領確認メイルが届いていましたが、意見送付がまだの方は、意見募集のしめ切り(8/31)まで2日ありますので、ぜひご意見をお送りくださいませ。


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