最近ハマってた50MHz移動用の5エレは、なんとか最終形態に到達(?)。
ほぼ毎晩 MMANAの最適化機能を走らせ、インピーダンスやゲインの周波数特性を検討してエレメントのアルミパイプにマーキング(+テーピング)。エレメント間隔は休日の午前中にシコシコ作業を続けた。
ホントは、もう少しガンバってみたいのだけれど、大仕事も近づいて来ており、ここらへんで端折らせていただくこととする。VY SRI。
右図は、KPI654G4のMMANAによるSWRのシミュレーションとアンテナアナライザ(BR-210)での実測値である。完全一致してはいないものの、同一傾向といえる特性となっている。
今までのデータとどこが違うのかというと、既にお気づきの方もおられるだろうが、SWR基準インピーダンスが、今回は 18-j83Ωになっている。
前回記事の5月16日の追記を引用する。
大前提としている給電点インピーダンス=19.5-j88Ωというのがホントに合っているのか・・という問題に突きあたるのである。 MMANA で、このインピーダンスの虚数成分を84Ωとかに減らしてやると、なんか実測値に近づいてくるような気がする。
・・ということで、以前の実験で割り出した「19.5-j88Ω」が怪しい・・ということに(^^;)。
そういえば、過去に手がけた八木のシミュレーションと実測SWRの傾向は違うし、なぜか高めの周波数での実測SWRがいつも良かった。
純抵抗成分の19.5Ωという値は、ボリウムの直流抵抗値をデジタルマルチメータで測ったものだが、-j88Ωの虚数成分は、コンデンサの36pFという表示と計算式 1/2πfC からの計算値である。
しかし、ここに盲点があった。確かに36pFのコンデンサは50.2MHzくらいではだいたい-j88Ωなのだが、実験時には、端子〜ボリウム〜コンデンサ〜端子という具合に配線されており、この間の配線長(数cm*1)のインダクタンスがまったく考慮されていなかったのである。
バランのリード線は無視できる・・と書いたのはいいが、こっちは無視できないのだ。
で、その配線のインダクタンスによる相殺分は、誤差が大きいとは思うが、MMANAとか NEC2 for MMANA で計算してみたところ、+5〜7Ω・・と出た。
つまり真の実験値は、だいたい6-88=-82・・で、19.5-j82Ωとなるべきだったのでは・・・(^^;)
そこで、今一度、クリエイトデザインの旧版CL6DXZのデータを見なおし、計算させてみると、ほぼ18-j83Ωと出た。
これがそのまま今回の基準インピーダンスとなっているわけだが、MMANAで以前のKPI654Dデータを元ネタとし、SWR計算基準Zにこの値をセットして最適化機能を走らせて収束したものが今回のKPI654G4*2ということになる。
シミュレーション値と実測値とを比較してみると、純抵抗成分は 以前の実験値から減る要素がないことから元のママでいいような気がする。また、虚数成分はもうすこし減って やはり 19.5-j82Ωあたり・・が妥当な線なのではないかと思われるのだがどうだろう。*3
というわけで、5年前のミスを今さらながら訂正することになってしまったが、今後、旧CL6DXZ等の給電部を利用してオリジナルな八木宇田アンテナを作ろうという方の参考になれば*4幸いである。
さて、この5エレの実験も兼ねて南秋田郡を中心に数回移動してみた。お空は50MHzでEUが入感するCONDXとなったようだが、今シーズン、ご本尊はまだ聞くことができてない。
午前中にアンテナの作業をして、午後からの移動だったので、Esの爆発にもまだ遭遇していないが、今年の夏至は・・うーむ、6/21か・・・
仕事デスマ突入のためできなかった「真・最終形態」へのモディファイを実行した・・つもりだったが、これもまた完全ではなかったのである。
SWR最小値は いちおう 1.0となり、上に掲載した KPI654G4より実際のSWR測定値には近くなっているものの、SWR最小点は計算値と実測値で約300kHzずれている。
-j82Ωじゃなくて-j80Ωあたりが正解なのかもしれない。
しかしながら、もはやこれ以上現状の特性に文句をつけるつもりもなく、これをもって、5el.シリーズは 終了させていただくこととしたい。
次のネタは、広帯域無指向性アンテナ・・の予定は未定。
*1 5cm程度であったと思われるが・・記憶が・・(^^;)
*2 しかし、なんなんだよ、このG4ってのはよ(^^;)
*3 そうすれば、おそらくはSWRの底が50.3あたりまで落ちてきてくれる?
*4 そんな奴、いるのか!?