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[Radio] Dualband 4el H-Hentenna

2008年04月15日 22時 更新

144/430 デュアルバンド 4エレ Hヘンテナ を製作した。

もっと長いVビームとか、円偏波とかいろいろ検討してみたけれど、イマイチ意表を突けないネタだったり、円偏波の御利益が見えてこなかったりで先送りし、しばらく前に設計して事前実験を済ませていた本アンテナが日の目を見ることとなった。

4/5の夕方からウダウダと製作に入り、4/6の朝には7割方完成。お昼頃から仕上げにかかった。

hhu(h-hentenna unidirectional)-4el-dualband. Elements are L-shaped alminium angle.

アンテナ本体は左の写真のとおりだ。単なる144MHz用の4エレHヘンテナにしか見えないかもしれないが、これで144/430のデュアルバンドに対応している。

発端は昨年作った 144MHz用6エレHヘンテナ だ。おふざけで435MHzでSWRを測ってみたら、使えそうなレベル一歩手前だったのである。そこで、本格的に設計*1に入った。

Hヘンテナの基本形2エレから始め→3エレ→4エレとエレメントを増やしてみたが、430MHzでは5エレ以上にしてもゲインUPにつながらない*23エレ→4エレもほんのわずかな差だったが、3エレでは前のアンテナである LDV よりも435MHzでのゲインが低いため、4エレでの製作ということになった。

Uバランの4:1変換がデュアルバンドで使えるのかどうか不安だったので、実際に製作*3し、200Ωダミーロードを使用して145/435MHzで問題なく使えることを確認。*4

Around feed point with Half-wave U-balun. The brown bar is only spacer inshulated.

ブームは、マスプロのWH5の残骸のアルミパイプを使用。ちなみにブーム長は91cm。*5エレメントは6エレでも使ったアルミのLアングル*6材。今回はブームが丸パイプなのでUボルトで取り付けてみた。*7

右は給電点付近の写真だが、茶色のバーは例によって単なるスペーサである。また、WH5のブームは軽いのは良いが、肉厚がなく強度不足。

この下に、MMANAによるビームパタンとSWR特性の図を示す。なお、SWRグラフでの赤のプロットは実測値。ちょっとシミュレーション値とずれているが、今回は深く追求していない。

hhu-4-dual beam pattern 145

hhu-4-dual swr vs freq 145

hhu-4-dual beam pattern 435

hhu-4-dual swr vs freq 435

hhu-4-dual

現在のところ、仰角は約5度と、ほとんど水平設置である。
地上波での前アンテナLDVとの比較では、144MHz帯でかなりのゲインUPが体感でき、AO-16やAO-51等の145MHz UPLINKのFM衛星での通り具合も改善されている。また、VO-52の145MHz DOWNLINKにおいても移動局の弱めの信号が聞こえるようになった。

430MHz帯における水平方向ゲインはLDVとほとんど変わらないはずだが、LDV以上に聞こえている気がするし、仰角20度方向のビームパタンのNULLも今のところあまり気にならない。はちょっと気になるのだが、総じてLDVよりも使えるアンテナであると言っていいだろう。*8

まあ、なんといってもわずか1日の使用感なので、割り引いて読んでいただきたい。また追々レポートしていくつもりである。

MMANA data file
hhu-4-dual.maa ←適当にお使いください。


2008/04/08 追記:

対AO-7は、ちょっとキビしくなってしまった。以前の LDV だと EL>60度 でなんとか自ループが確認できたが、この Hヘンテナ では60度超の仰角への輻射はわずかで、とても衛星まで届かない*9。かといって、低仰角の場合は29MHzの受信用アンテナが対応できないのだ。*10

2008/04/13 追記:

AO-7対策のため、とりあえず、シャックの10/18/24MHz用3線式ダイポールの24MHzエレメントを切りつめて28MHz用にしてしまった。給電点インピーダンスが下がってくれず、SWR>2 の状態*11だが、受信感度は間違いなく上がった。

その結果、17時のMEL=27度のパスで2QSO。18時の70度のパスでも2QSOでき、LOS間際まで自ループを追うこともできた。隣家の屋根よりも低いのを冬までになんとかしたいところだが・・・・やはりルーフタワーかな。

というわけで、本アンテナを使用してSO-50を除く*12全部のアナログ衛星にQRVできた。

*1 設計といっても、MMANAでダラダラと計算させるだけなのだが・・(^^;)

*2 430MHz帯では、3倍高調波アンテナとなり、逆相成分によりビームが割れてゲインが上がらなくなるのか? '''MMANA'''によるシミュレイションで、430専用の反射器や導波器を配置することでそれなりのゲインUPが可能であることは判ったものの、構造が複雑化してしまうため、それは却下とした。

*3 今回も、5D-FBの波長短縮率は0.75としている。

*4 430MHz帯では、1.5λ=1/2波長+1波長迂回となり、結局普通の半波長迂回バランとして動作しているものと推測。このほか、Qマッチもデュアルバンドで使えるようである。

*5 今回は、コンパクトなアンテナを目指してホントは3エレにしたかったが、ゲイン不足のため4エレとなり、しかしせめてブーム長は1m未満に・・ということとした。

*6 12mm+12mm 厚さ1mm

*7 ロケットが販売していたエレメントブラケット、復活・・・しないよねぇ。(T_T)

*8 FM衛星AO-51へのQRVで、NULLに落ち込むのはハッキリと判る。Sもかなり落ちる・・というより、一瞬消失するといった感じ。ただし落ち込むのはきわめて短時間。しかしながら、仰角=20度近辺を長時間維持するようなパスだと、使い物にならないアンテナとなってしまうのであった。「気にならない」と書いたが、訂正。

*9 とはいうものの、VO-52の天頂コースパスのほぼ60度のところで、某お散歩セット移動局となんとかQSOできているので、ぜんぜんダメというわけでもないようだ。

*10 そうなると、今度は自宅のハイバンド用アンテナをなんとかせんと・・ということになるのであった。さて、どーしよーかいな→4/13追記のとおり。

*11 10/18MHzの共振周波数も若干上昇してしまったが、無視できる程度。

*12 シャックのFT-726には88.5HzのToneしか実装されていないので、SO-50へのQRVは不可能。ま、Rig換えればいいんだけどさ。

Tada/JA7KPI : 2008年04月07日(月)

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