ARRLの VUCCアワードでは ふたつ(または4つ)のグリッドからの同時QRVが認められている。つまり、異なるグリッドの境界線上からQRVするということだ。
今回は、PM99 と QM09の境界線上から MEO GreenCube(IO-117)にQRVしてみた。*2
本題に入る前に・・
IO-117へのアクセス用に 以前はシャック内設置の IC-9700を持ち出して使っていた。USBケーブル1本で事足りるからというのが大きな理由だ*3。LEO衛星へのQRVでは 旧型機の IC-910を使うことが多かったので、IO-117でも こいつを使いたい。ただし IC-910にUSBコネクタは無い。
そこで、某インターフェースを入手。USBデバイスのオーディオ入出力とPTT制御用のCOMポートが1個できるタイプの IFだ。しかし、IO-117では ドプラシフト対応のため 周波数制御用に COMポートがもうひとつ必要となる。
よくある COMポートをShareできる Freeなツールを導入し 周波数制御とPTT制御させてみたのだけれど、周波数制御が かなり遅れるようだ。そのせいか、周波数の跳びが激しい。まったく使いものにならないというわけではないが、ハッキリいって 使えない・・と思った(^^;)。*4
そこで、シャック内の腐海から USB→CI-VのIFをサルベージ。これと現用IFの USB→CI-V/ACCのACC側だけを使って試したら周波数跳びは かなり少なくなったけれど、USBポートを ふたつ塞いでしまうので イマイチ。
けっきょく、JN2AMD局が頒布しておられる COMポートが ふたつできるタイプの IFを入手。これで だいぶ楽になったが 周波数跳びが無くなったわけではない・・(^^;)
周波数制御のために、hamlibの rigctldと Gpredictを使っているが、実はIC-9700と IC-910とでは 設定方法が異なる。なんで同じじゃないの!? (^^;)
IC-9700 IC-910 Radio type Duplex Simplex VFO Up/Down B↑/A↓ Not applicable
このほか、IC-910は APCの感度が良すぎるのか 終段保護のため SWRがちょっと高いとパワーが出てくれないので、使用ANTである12エレの衛星帯域でのSWR改善も実施した。
受信感度比較も実施。(アンテナ→同軸切替スイッチ→IC-910D/IC-9700)
信号源は自宅敷地内の隅に置いたFET1石の発振器。アンテナ回してギリギリ受信できるレベルでテストしたところ、耳で聞いた感じではFM/SSBとも同程度のS/Nと判断できた。
新移動体制構築が完了したので、さっそく移動することにした。
移動地は・・ グリッド PM99|QM09 もしくは PN90|PM99の境界線上・・を考えていたが、実際は 当日 ひーこらいって 見つけた地点だ。PN90|PM99は どうにも FBなポイントが見つからず、今回は PM99|QM09のマルチグリッドだけということになった。
南秋田郡 大潟村 ソーラースポーツライン脇の農業作業道の路肩で、おそらくソーラースポーツライン用の『25km』表示の立札*5の近傍である。
運用地点、クルマの前後から写真撮影したが、GPSから取得したグリッドロケータが それぞれ PM99xx と QM09ax と表示されている。*6
15時半頃からQRV。
垂直偏波オンリィなので 水平偏波が有利になると数分~10分程度 お休みになってしまう。仰角は可変させたが、偏波切換も やはり必要と実感。円偏波を使う手もあるが、逆旋になってしまう場合もあるらしいので やはり 水平/垂直切替が良いのかな。
キー連打しないよう注意していたものの、周波数跳びは やはり無くならず、Gpredictの周波数制御画面とにらめっこ。ズレたら 即 Tボタンを押して周波数を戻す。
Gpredictの Polar View画面は ANT方向/仰角の手動制御用*7。Soundmodem画面はあまり見ないが たまに AFのセンター周波数を大幅にズラしてしまうことがあるので注意だ。
Digipeater GUIソフトは当然 見続けているわけだが、PC画面が狭いので 直近に呼んでくれた局を優先しがちだ。一番先に呼んでくれた局はすぐにスクロール・アウトしてしまうので。
最終的に イタリア等 ヨーロッパを含む DX 8局、JA 7局と交信。さすがに土曜日なので混雑していて なかなかキビしかったが。
PM99, QM09 or PN90 point can be set up in a little over an hour after leaving my home, so I may QRV again soon.
However, I'm unable to provide a definite date at this time.
So please wait.
最後に・・ LoTW用の ADIFファイルへのマルチグリッドの記述は、例えば HAMLOGの Remarks欄に <GRIDSQUARE:9>PM99,QM09 と記述する手もあるが、当方は あまりRemarks欄に詰め込みたくなかったので、TQSLの JA7KPI/7に PM99,QM09 という『局の所在地』を追加*8。これを使って署名し、Uploadした。
*1 畦道でもなく、完全に田んぼの中。
*2 マルチグリッド運用については 否定的意見もあるだろうが、ルール上 セーフと明記されているのが大きい。ただし市区町村では いろいろシガラミもあるし、こうはいかないと思う。(^^;)
*3 バンドスコープとメモリ・キーヤ機能があるため、コンテストでは 9700を使うことが多い。
*4 FT8などのためには このタイプで十分と思われる。
*5 PM99xxの写真の左側の路肩に立札が写っている。
*6 GPSで 経度が 140.0000000になる地点を探したが、そんなキリの良い数値は出ない。(^^;)
*7 周波数制御はPCにやってもらわざるを得ないが、実はKPI、あまりPCには任せたくないヒトなのである。
*8 もちろん PM99,QM09も VUCCのアカウントに追加。