ZCR/bLOG


[Radio] Multi Grid QRV on Sat

2023年07月09日 21時 更新

ARRLの VUCCアワードでは ふたつ(または4つ)のグリッドからの同時QRVが認められている。つまり、異なるグリッドの境界線上からQRVするということだ。

当方のローカルには大潟村があり、PN90 QN00 PM99 QM09の4つのグリッドが隣接して存在している。4グリッドの交点は圃場の中*1なので さすがにQRVは不可能だが、2グリッドの境界線上からは可能である。

今回は、PM99QM09の境界線上から MEO GreenCube(IO-117)にQRVしてみた。*2



IC-910D & TOUGHBOOK CF-19

本題に入る前に・・
IO-117へのアクセス用に 以前はシャック内設置の IC-9700を持ち出して使っていた。USBケーブル1本で事足りるからというのが大きな理由だ*3。LEO衛星へのQRVでは 旧型機の IC-910を使うことが多かったので、IO-117でも こいつを使いたい。ただし IC-910にUSBコネクタは無い。

そこで、某インターフェースを入手。USBデバイスのオーディオ入出力とPTT制御用のCOMポートが1個できるタイプの IFだ。しかし、IO-117では ドプラシフト対応のため 周波数制御用に COMポートがもうひとつ必要となる。

よくある COMポートをShareできる Freeなツールを導入し 周波数制御とPTT制御させてみたのだけれど、周波数制御が かなり遅れるようだ。そのせいか、周波数の跳びが激しい。まったく使いものにならないというわけではないが、ハッキリいって 使えない・・と思った(^^;)。*4

そこで、シャック内の腐海から USB→CI-VのIFをサルベージ。これと現用IFの USB→CI-V/ACCのACC側だけを使って試したら周波数跳びは かなり少なくなったけれど、USBポートを ふたつ塞いでしまうので イマイチ。


けっきょく、JN2AMD局が頒布しておられる COMポートが ふたつできるタイプの IFを入手。これで だいぶ楽になったが 周波数跳びが無くなったわけではない・・(^^;)


能代港 PN90XF。ANTは 2波長超 上げる というポリシーがある。本例は 車高から2波長以上。Satでは ANT低くね? という例も多いような・・(^^;)

周波数制御のために、hamlibの rigctldと Gpredictを使っているが、実はIC-9700と IC-910とでは 設定方法が異なる。なんで同じじゃないの!? (^^;)

            IC-9700   IC-910
Radio type   Duplex    Simplex
VFO Up/Down  B↑/A↓   Not applicable


このほか、IC-910は APCの感度が良すぎるのか 終段保護のため SWRがちょっと高いとパワーが出てくれないので、使用ANTである12エレの衛星帯域でのSWR改善も実施した。

受信感度比較も実施。(アンテナ→同軸切替スイッチ→IC-910D/IC-9700)
信号源は自宅敷地内の隅に置いたFET1石の発振器。アンテナ回してギリギリ受信できるレベルでテストしたところ、耳で聞いた感じではFM/SSBとも同程度のS/Nと判断できた。



新移動体制構築が完了したので、さっそく移動することにした。

移動地は・・ グリッド PM99|QM09 もしくは PN90|PM99の境界線上・・を考えていたが、実際は 当日 ひーこらいって 見つけた地点だ。PN90|PM99は どうにも FBなポイントが見つからず、今回は PM99|QM09のマルチグリッドだけということになった。

南秋田郡 大潟村 ソーラースポーツライン脇の農業作業道の路肩で、おそらくソーラースポーツライン用の『25km』表示の立札*5の近傍である。

運用地点、クルマの前後から写真撮影したが、GPSから取得したグリッドロケータが それぞれ PM99xx と QM09ax と表示されている。*6


15時半頃からQRV。
垂直偏波オンリィなので 水平偏波が有利になると数分~10分程度 お休みになってしまう。仰角は可変させたが、偏波切換も やはり必要と実感。円偏波を使う手もあるが、逆旋になってしまう場合もあるらしいので やはり 水平/垂直切替が良いのかな。

キー連打しないよう注意していたものの、周波数跳びは やはり無くならず、Gpredictの周波数制御画面とにらめっこ。ズレたら 即 Tボタンを押して周波数を戻す。

Gpredictの Polar View画面は ANT方向/仰角の手動制御用*7。Soundmodem画面はあまり見ないが たまに AFのセンター周波数を大幅にズラしてしまうことがあるので注意だ。

Digipeater GUIソフトは当然 見続けているわけだが、PC画面が狭いので 直近に呼んでくれた局を優先しがちだ。一番先に呼んでくれた局はすぐにスクロール・アウトしてしまうので。

最終的に イタリア等 ヨーロッパを含む DX 8局、JA 7局と交信。さすがに土曜日なので混雑していて なかなかキビしかったが。


PM99, QM09 or PN90 point can be set up in a little over an hour after leaving my home, so I may QRV again soon.
However, I'm unable to provide a definite date at this time.
So please wait.


大潟村 ソーラースポーツライン 25km立札近傍 北東方向 大潟村 ソーラースポーツライン 25km立札近傍 南西方向

最後に・・ LoTW用の ADIFファイルへのマルチグリッドの記述は、例えば HAMLOGの Remarks欄に <GRIDSQUARE:9>PM99,QM09 と記述する手もあるが、当方は あまりRemarks欄に詰め込みたくなかったので、TQSLの JA7KPI/7に PM99,QM09 という『局の所在地』を追加*8。これを使って署名し、Uploadした。


*1 畦道でもなく、完全に田んぼの中。

*2 マルチグリッド運用については 否定的意見もあるだろうが、ルール上 セーフと明記されているのが大きい。ただし市区町村では いろいろシガラミもあるし、こうはいかないと思う。(^^;)

*3 バンドスコープとメモリ・キーヤ機能があるため、コンテストでは 9700を使うことが多い。

*4 FT8などのためには このタイプで十分と思われる。

*5 PM99xxの写真の左側の路肩に立札が写っている。

*6 GPSで 経度が 140.0000000になる地点を探したが、そんなキリの良い数値は出ない。(^^;)

*7 周波数制御はPCにやってもらわざるを得ないが、実はKPI、あまりPCには任せたくないヒトなのである。

*8 もちろん PM99,QM09も VUCCのアカウントに追加。

Tada/JA7KPI : 2023年07月08日(土)

«12エレのメンテ 最新 7月の6mDX '23»
編集