HFロウバンドで使用している スローパーモドキ、エレメント端の嵩上げを ようやく実行した。
嵩上げ前後の概要図を示す。*1
これは シャックを南側から見たものである。
なお、タワーと自宅及び隣家のトタン屋根もデータ化してある。*2
西(図の左側)の3.5MHz用エレメントを 約4m、
東(図の右側)の1.8MHz用エレメントを 約3m上に持ち上げた形だ。*3
実際の嵩上げは 4mの竹竿を使用。税込み 1本 170円だった。アンテナマストに竹を使うのは開局時以来。*4
写真で判るとおり テンションは あまり掛けていない。*5
1.8/1.9の切り換えは、緩めて エレメント端を折り返すことによりおこなう。*6
東側の竹竿は もともとあった短いマストに沿わせてあるので ステンレス線のステーを南側に 1本のみとした。
エレメントとは 50cm程度離れているが、ステーを取ったら SWR最小周波数が 20kHzほど下にズレてしまったので、ステンレス線は 竹竿から1.5m程度とし、その先~屋根までは 絶縁体のロープに変更した。
西側で使った屋根馬は 2004年の台風15号で 倒れたTVアンテナのもの。15年ぶりの再登板だ。
ステーは 4本。ホームセンタで売られている「ステーアンカー」というTVアンテナ用のグッズを使用。*7
東側と異なり、3.5MHz用エレメントの こちら側はステーによるSWRの周波数ズレは 認められなかったため ステーはすべてステンレス線である。*8
嵩上げ前後の 指向性/ゲインについての MMANAによるシミュレーション比較。
1.82MHzにおいて 打ち上げ角自体は 変わらないものの 低打ち上げ角方向のゲインは 約1dB増加。*9
ZK3A トケラウ諸島のペディも 割と楽にゲットできた。
3.51MHzについては 高打ち上げ角方向のゲインが 2dB程度増加したものの、低打ち上げ角のゲインは 1dB未満だが減少した。
残念だが、本アンテナは あくまで 1.8MHzDXがメインである。3.5では 国内コンテスト向けに強くなったと思うことにしよう。
でも いちおう ZK3Aは取れた。
シミュレーションによれば、エレメント端をさらに嵩上げすることで もう少し上積み可能のようだが、増加は 0.5dB未満であり かなりコスパが悪い。
この辺が 限界のような気もしている・・ *10
おまけ:
MMANAでのシミュレーションでは 当然ながら インピーダンスや SWRも計算できるのだが、実際のアンテナでは 20数mの5D-FB*11を経由しての SWR測定となる。
この同軸ケーブルのインピーダンスへの影響はどうなるのか・・ を 計算するため 知ってるヒトは知ってる Zi = Zo×(Za cosβl + jZo sinβl)/(Zo cosβl + jZa sinβl) の公式を MS Excelで計算しようと思ったら、なんと 当方の使ってる Excel 2003には 複素数計算の関数が無いことが判明。
新しいバージョンにはあるそうだが、しかたないので関数電卓でシコシコ計算してみた。したっけ・・ なんか変。電卓キーの押し間違いもあるかと、細心の注意をもってして実行してもありえないインピーダンス値となってしまう。ありえない・・ Qマッチや半波長ケーブルの条件を当てはめてみると・・判りますよね。
で、どこがおかしいの?? ・・と 考えること数分・・ うーん うーん・・ あぁっ!!
そう、ここでの三角関数は 度(deg)ではなく ラジアン(rad)なのである!! *12
いやぁ~ ラジアンなんて久々に使ったぜ。20年ぶりくらいか? ・・まったく・・ 情けない・・ (^^;)
もひとつ おまけ: ZK3A & FT8 f/h mode
トケラウ諸島のペディション ZK3A は けっきょく 1.8~24MHzの CW、10のRTTY、14のFT8、18のSSBで できた。
このうち 1.8 3.5 7 10 24 は、本 スローパーモドキによるQSOである。14は逆V、21/28は 3エレ。
18は Rig内蔵チューナに拒絶され、3エレ→手動チューナ→Rig内蔵チューナという 二段階マッチングで対処した *13(^^;)。さすがに ナンなので、次は 18MHzのアンテナを 今月中になんとかしたい。24で できたのが ホントかよ・・って感じだが、東側に長く引っ張っているエレメント方向に 垂直偏波成分のビームが出ているせいかも。
ということで、28MHzでは まだ受信すらできていない。期間中に聞こえてくれるのだろうか??
7のFT8でもできた。ちなみに、14のFT8は JTDX 2.1.0-rc139でQSOできたが、リターンを受信しても DFが変わらなかった。そのままのDFで RPTを送ってしまったのだが、ZK3Aからは RR73が返ってきた。
7では WSJT-X v2.1.0 24fcd1*14を使ったのだが、CAT制御無しでも DFが引っ張られて RPTを送り、もちろんRR73が返った。*15
うーむ・・ DFが下に引っ張られるのは なんでだろー?? 意味あるのか? 周波数的に区分して 何か重みを付けようというのか? JTDXの例みたいに 引っ張られなくても交信できてしまうのはなぜ?? それとも ZK3Aのオペレータの神対応だったのか??
JTDXは 2.1.0-rc140が出たが、インストールしたばかりで F/Hモード*16は未検証。
今回は 初めてのF/Hモード運用だったので HFで FT8やってしまったが、やはり HFのFT8は あまり楽しくない。*17
28MHzでは、CWと FT8で 短時間受信できたものの とても呼べるレベルではなかった。この時季、28はキツイ。FT8も 28なら意味あるかも・・ *18
*1 MMANAの「アンテナ形状」で真正面から見た図。
*2 屋根データについては 個人情報保護の観点から 非開示と決定する。(^^;)
*3 端を上げると 基本的に 共振周波数も上がる。しかし いつもそうとは限らないので注意。
*4 竹竿の先端は水が溜まらないようブチルゴムテープで防水。先端から50cmくらいの細い部分は折れにくいようにビニテで補強。
*5 テンション弱いと強風時の振れ幅がでかいので、もう少し 掛けた方が良いかも?
*6 エレメント端で折り返すと その部分の L成分はキャンセルされ、リニアローディングにはならない。
*7 DXアンテナ製。ホームセンタで売っている。TVアンテナ程度ならこれでもOKだろうが、ルーフタワーで使うのは お勧めしない。
*8 2020.3.19 強い南風が吹いて 西側の竹竿がステーの少し下でボッキリ折れた。エレメントワイヤは ほぼ東西に張っているので、東風 西風には強いが南風には弱い。北風はほとんど吹かない。幸い予備の竹竿があり、少し補強した上で 即 交換できた。
*9 端っこを 3~4m上げるだけで 1dBとは オイシイ・・のかな?? ・・のかも?? (^^;)
*10 その前に 144/430のアンテナと近接しているので、これを如何にして かわすかを検討せねば・・
*11 以前は 5D-2Vを使っていたが、マルチバンド使用で不完全マッチングな場合は FBケーブルの方が低損失なのでは?
*12 関数電卓側に deg/rad の切り換え設定がある。
*13 手動チューナでも 1.5くらいまでしか落ちなかったので・・ これでも 飛んでいったから 18MHz恐るべし・・
*14 64bit版
*15 WSJT-X 使う限り DF 3000Hz以上で呼ぶとかしないのなら CAT制御は不要ということか。てか、CAT制御は したくない・・ってのが当方の本音。なぜって、自動的に連動するのが気持ち悪いから。(^^;)
*16 FOX and HOUND mode for DX-pedition
*17 あくまでも 個人的な感想です。(^^;)
*18 FT8は 他のモードでダメな時の 最後の武器だ!! 我々は忍・・ (^^;)
> DFが下に引っ張られるのは なんでだろー??<br>> JTDXの例みたいに 引っ張られなくても交信できてしまうのはなぜ??<br><br>ざっくり言って、ピックアップした局の周りにある混信への、作者の考え方・対応の違いかと
おぉ なるほど。FT8で呼ばれる側になったことが極めて少ないので気づきませんでした。<br>コールバックした局が次のシーケンスで他局に潰される可能性を減らす・・ということですね。<br>どこのどなたか存じあげませんが、ご教示ありがとうございました。