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[Radio] 散在流星

2017年03月25日 22時 更新

散在流星の数は早朝に多くなるため MS通信には早朝が適している・・ということをよく聞く。
誰もが当たり前だと思っている MSの知識。でも それは本当なのだろうか。

答えは やってみなくちゃわからない・・ (^^;)

散在流星カウント結果  ANT.Dir_FRONT


2月~3月は 散在流星が少ない期間であることは以前ちょっと書いた。しかし、流星群自体もまったく無いのである。つまり、この期間であれば 流星群の影響を排除しやすいということだ。

で、散在流星による PING信号の数をカウントしてみた。記録は 観測用ソフトの HROFFTを使用。(2/9 21:10~2/10 07:50, 2/10 21:10~2/11 07:50)

信号源は 53.750MHzの福井高専(JA9YDB)からのビーコン。アンテナは天頂向けの 2エレクロス八木らしい。水平面指向性は無指向性。打ち上げ角は高角度と思われる。*1

対して 当方のアンテナは 1日目は 高角度に強そうな逆相給電。2日目は 低仰角な同相給電とし、方向はアバウトに福井高専向けとした。


HROFFT 2017/02/10 06:50~07:00


まあ、わずか 2日の観測なのだが、確かに日の出(06時38分)頃に PINGが増加している。

その数は 最大で 10分間に 20個程度・・ 1分間に 2個ということになると、MSには ちょっと厳しいかも。5秒ずつのシーケンスでは かなり厳しいだろう。やはり推奨値の 15秒とすべきなのか・・

また、出力画像を ざっと見てみると、流星群の時期と比較して ロングバーストが 少ないのにも気づく。

もちろん、HROFFTが出力した画像を人間が目視してPINGをカウントした結果である。実際の MS交信で使用する WSJT-Xの MSK144デコーダは もっと性能が良いかもしれない。


HROFFT 2017/02/11 06:00~06:10


しかし、やはり それは やってみなくちゃわからない・・

DXSCAPE とかの WWな50MHzの動向をみると、1月の しぶんぎ座流星群以降も MSK144による QSOが途切れることなく報告されている状況もある。

時刻は かなりランダムで、早朝だけというわけでも ないもよう・・ うーむ・・


あと、PINGの総カウント数は 逆相:466 同相:560 で、同相の方が多かった。しかし 2日だけの結果なので 実際のところは何ともいえないかな・・と。



2017.03.01 追記:

散在流星カウント結果  ANT.Dir_BACK


アンテナの方向を変えてカウントしてみたが、傾向は同じで やはり日の出時刻の前後にPING数は増加する。

アンテナがバックを向いた状態では、逆相給電の方が多くPINGを拾えているようだ。実際、北海道のJA8CAR局とはバック×逆相で何度も交信できている。

バック×同相の前半では かなりキビしい結果となった。これは、イラストを描いてみれば・・当然かもしれない。


散在流星カウント結果  ANT.Dir_SIDE


アンテナをサイド(90度)方向に向けた場合 なんかパッとしない結果となったものの、ピークはやはり日の出あたりに出ている。

つまり、アンテナが何処へ向いていようと MSで交信できる可能性があるということか。考えてみれば、散在流星は 輻射点も流れる方向もバラバラなハズで、反射/散乱波の到来方向も またバラバラなのであろう。

しかし、相手局の方向が判っているのであれば、お互いにアンテナを向けた方が良いのは言うまでもない。

また、打ち上げ角の高い逆相給電でも 同相と同程度の受信ができており、地上高の低いアンテナでも 良い結果が出せる可能性があるものと考えられる。

時刻的には、やはり日の出時刻±1時間といったところか。それ以外の時間帯は、10分間に5個程度のことが多いので MSにはイマイチ足りないと思われる。

散在流星による MS通信、ぜひチャレンジしていただければ幸いである。もちろん流星群でも。



2017.03.25 追記:

本日、早起きして 1.8MHzをワッチするも、既に遅かったもよう (日の出 = 05:35)。

気をとりなおし、散在流星に期待して 50MHz MSK144で CQビーコンかけるが、反応無し。

1時間以上 空振りし続け、ようやく大阪からコールされたのだが、そこから 73受け取るまでが長かったこと。20分近くかかったのである。

散在流星では、やはり 15秒シーケンスの方がいいのかもしれない。次回があれば 15秒明示でセルフスポットしてみるか。


*1 実際のアンテナは 地上高37.4mとのことなので、低角度への放射(水平偏波)も十分ある。

Tada/JA7KPI : 2017年02月10日(金)

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