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[Radio] 続:145MHz帯ノイズ

2014年09月07日 23時 更新

隣家に乗りこんで雑音源と思しき BDの電源を落としてみたら、BD自体のノイズは確かに止まったものの シャックでのノイズ強度には ほとんど変化がなかったことはに書いた。

隣家のBDは確かにノイズを出してはいるが、シャックで受信しているのは このBDからのものではないということになる。

それでは、真の雑音源・・その正体は いったい何なのであろうか!?

ところで、隣家がノイズ源であると判断したのは、以下の理由である。

a1. ハンディ機(+付属ホイップ)によるノイズ探索で隣家の居間が反応
a2. 隣家に近接して設置の発信器を方向探査するとノイズ方向とほぼ一致
a3. アンテナに俯角をつけたノイズ方向探査では隣家の居間方向とほぼ一致
a4. 自宅周辺でのノイズ探索では、他に有力なノイズ源は見あたらない

a1と a3は BDのノイズを検出したものだろう。a2は偶然の一致? 水平偏波6エレで真逆の東南東と出たのは、やはりY宅のノイズを拾ったのか?*1

a4については・・通常この手のノイズは半径50m程度というのが一般的・・なのだが・・もし、アンテナの向きどおりの遠方にノイズ源があるとすれば どうだ?・・しかし まさか そんな・・

もう、ワケが判らなくなってボーッと144MHz帯を受信しつつメインダイヤルを回していると・・おかしなことに気づいたのである。



2014.01.31 追記:

その「おかしなこと」とは・・

1. ノイズに周波数特性がある

144.354MHzから急にノイズ強度が上がる。てゆうか、144.330MHz以下の周波数では、ノイズの強度はかなり落ち、144.200以下では ほとんど気にならない*2*3。なぜ今まで気づかなかったんだろう!?*4

ちなみに、上の周波数は146MHz以上までノイズは連続している。148MHzあたりで弱くなるが、それはRigのフロントエンド*5の帯域を外れるからで、ノイズの帯域はさらに伸びているものと推測される。

2. ノイズ最大方向で、多くの 周期的信号 が 受信される

その信号の周期は、約4Hz。詳しくはリンク先のmp3ファイル*6を参照のこと。 このような信号が、144.365 144.384 144.425 144.487 ~ 145.047 ~ 145.622 ~ 145.979 という感じで 20個以上受信できる*7。ノイズ最大方向からアンテナを逸らせば消えるし、信号最大方向はノイズと一致しているので、大元は同一の可能性がある。しかし・・これはいったい 何だ??

さておき、O宅、Y宅、T宅のノイズに上記の特徴があるかどうか再度調査したところ、いずれのお宅のノイズも144.330以下で検出可能であったが、4Hzの周期的信号は検出できなかった*8。・・ということは・・シャックで受信しているノイズの出所は、やはり O宅、Y宅、T宅いずれでもない可能性が高い・・ということになるのでは??

つまり・・ノイズ源の方向は、アンテナのフロント方向そのもので、その距離は、60m超・・??



アンテナの方向は ほぼ西北西。この方角を重点的に探索することにし、まず 130mほど離れた A地点*9で手持ち6エレを振り回すが、ノイズは検出できず。シャック方向でも検出できないので、もっと離れる必要ありと判断。

次に、200m程度離れた某公園 B地点。西北西方面に周期的信号が確認できる。郵便局が その方向だが、400mはあるぞ・・と、B地点近傍の市役所分庁舎、某歯科医院あたりをウロウロするが、ノイズは検出できず。

ノイズ探索ルート。赤のラインはJA7KPI宅から ほぼ西北西方向。

C地点 郵便局裏。さすがにここで 6エレを振り回すわけにはいかないな・・と思ったら、クルマのモービルホイップでノイズが受信できる。さっそく144.350~355をチェックすると、354以上でノイズレベルが上がるのが判る。また、144.384では、例の周期的信号も聞こえる。間違いない。受信しているのはシャックのノイズと同じヤツだ。

郵便局周辺をぐるぐる回るも、ノイズ源には行き当たらず。やっぱりダメか・・と、半ばあきらめて D地点 某ホームセンタの駐車場に入ると・・おおっ! 郵便局裏よりもかなり強力ではないか。

そこで、今度は某ホームセンタ周辺をぐるぐる・・したっけ、急激にノイズレベルが上昇!! ものすごいノイズである。ついにたどり着いたノイズ源とみられる E地点、そこは・・ホントかよ!? シャックから 800mも離れてるじゃん!! しかし、アンテナのフロント方向とは ほぼ一致*10しているのだ。


キミドリっぽい建物が某羽新報印刷事業部。その手前が Willcomの基地局。真犯人はどっちだ!?

E地点・・某羽新報印刷事業部・・さすがに日刊新聞をも印刷している*11だけあって24時間稼動しているっぽい・・常時ノイズ発生を裏付ける状況証拠だ。

しかし、この印刷事業部の駐車場には、なにやらケータイの基地局らしきものが・・まさか・・こちらが犯人だったりして・・と、目を凝らして確認すると、Willcomのロゴが・・PHS (ピッチ)か!?

ううむ・・ここはノイズ源が印刷事業部内*12なのか PHS基地局*13なのか 見極める必要があろう・・

少し距離をおいて6エレで探ってみるが、そのときは水平偏波の方が強力であった。しかし、PHS基地局なのか印刷事業部なのかまでは判別できない。判別のためには、もっと近づかないと・・

だが、至近距離で6エレ振り回すと通報されてしまう危険性が・・(^^;)


VX-8 + Whip(COMET CHL-19)

そこで、VX-8の再登場となる。
アンテナとしては、本体付属のものや1/4λ系のものではなく、基本1/2λ系のノンラジアルホイップを使用。
ノンラジアルのものは、人体の影響が少ないと考えられ、指向特性が安定である。

MMANA data file
VX-8_whip.maa ←適当にお使いください。*14

VX-8_whipの指向性

で、右図が VX-8 + ノンラジアルホイップの指向性パタン*15

まあ、ダイポールと同じようにエレメント展張方向にNULLが出るわけで、このNULLを利用してノイズ到来方向を判断するのだ。相手が水平偏波なら、サイドに対して20dB以上*16のNULLとなる。

なお、某羽新報印刷事業部前でのノイズ強度は、VX-8+ホイップで既にフル・スケールの状態*17のため、VX-8のアッテネータ機能をONにしている*18

これで E地点近傍をウロウロしてみて、Willcomのマストからのものではなく、某羽新報印刷事業部内部から漏れてくるノイズであると断定。ノイズ源は、印刷工場のド真ん中っぽい。

ちなみに、PHSのアンテナについては、市内にある他のアンテナ*19も探ってみたが、ノイズの類は検出できなかった。


しかし・・確かにノイズの特徴及び到来方向は一致するものの、E地点~JA7KPIシャック間距離は、前述のとおり約800mもあるのだ。800m離れて完全に受信できるノイズ・・これってアリなのか!?*20*21

それもあるが、このノイズ・・電波法違反の可能性はないのだろうか。微弱電波とはとうてい思えないのだが・・(^^;)*22

さて、このノイズの出処をさらに完璧に特定したいわけだが、新聞休刊日には印刷システムが停まるのではないか。同時にノイズも停まれば、動かぬ証拠といえるのでは?*23

そして・・2月の休刊日は、たぶん 2月11日。つまり 2月10日夜~2月11日未明にかけて 2月11日号の新聞を印刷した後にシステム停止する可能性がある。再稼動は 2月12日早朝か?

とりあえず、2月10日の夜を待とう・・・つづく・・・



2014.02.11 追記:

がーん。今年は2月の新聞休刊日は無いもよう。次の休刊日は 4月14日らしい。さて、どうしたものか。



2014.04.14 追記:

がーん。4月13日が市長市議選挙の告示日のため、某羽新報は休刊しないもよう。こうなりゃ、直接訊くしかないか。



2014.05.07 追記:

がーん。本日が休刊日のもよう。しかし朝07時時点でノイズに変化はない。一昨日夜~昨日未明にチェックすべきだった・・ こうなれば乗り込むしかないか。



2014.09.07 追記:

しばらくAO-73にもQRVしなかったのだが、現在、例のノイズは同方向で検出可能なものの、その強度はかなり弱くなっている。最大で S=1振れるかどうかというところだ。

この間、伝搬経路的な変化といえば、上のノイズ探索ルートの地図のC地点の東北東に位置する某銀行能代支店ビル解体があったのだが、関係は不明だ。以前から強度変動はあったので、いましばらく観察を続けたい。


*1 再度実験したいが、積雪のため春まで実験不能。

*2 ただし、帯域を狭めたCWモード。

*3 訂正。前に書いたようにノイズレベルは変動し、144.200以下でも弱いときはアンテナ向けて1.5程度ながら強いときは 9+10dB(このとき144.384では9+20dB)にもなる。

*4 とはいえ、やはりアンテナを西北西に向けたときが最もノイズレベルが高い。これが隣家の残留ノイズ??

*5 プリアンプを含む。

*6 CWモード 144.384MHzで受信できた信号。

*7 最も強力なのがmp3ファイルにした144.384MHz。次が144.365。TVの同期信号のように数十kHzおきに整然と並ぶ・・などという規則性は見つけられなかった。

*8 この「周期的信号」は、FM/AMモードでは検出不能なので、SSB/CW受信可能なRigを使う必要がある。

*9 ここからはシャックのアンテナが見える。

*10 西北西は 292.5度。シャック → E地点は、地図上で 299.4度。

*11 新聞以外の印刷も請けている。

*12 例の4Hzの信号は輪転機っぽい気もするが・・

*13 PHSの使用周波数は 1,900MHzあたり。

*14 マッチングについては無視。指向特性のみのシミュレーション。

*15 地上高 1mでホイップを前方に向け、5度ほど仰角をつけたときの計算結果。

*16 運が良ければ30dB程度。

*17 144MHz帯では激強であるが、AM/FM放送帯への影響はほとんど無く完全セーフのため、NHKに出動要請することはできないだろう。

*18 -10dB。

*19 Willcomの Webサイトで位置図が公表されている。

*20 自作発信器を 東南東に約800m離れた堤防某所(ロケーション的には かなりFBな地点)に置き、自宅で受信してみたら、Sは3.5くらい。そのとき、問題のノイズのSは5.5くらい。また、E地点近傍にも発信器を置いてみた(詳細説明不能 ^^;)が、発信器の信号検出は困難であった。E地点の標高は低く、建物が無くてもシャックのアンテナからは見通しできないハズ。

*21 電気設備学会の講演論文集(2010年)に「某新聞社印刷工場の輪転機ノイズ対策」というのが載っているようなので、その手のことは やはり あるのだろう。

*22 印刷所は「無線局」ではなく、輪転機も「無線設備」ではないため、いわゆる「微弱無線局の規定」は適用されない?

*23 シャックでノイズ停止を確認する必要がある。

Tada/JA7KPI : 2014年01月26日(日)

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