ZCR/bLOG


[Radio] 5el. H-Hentenna

2013年07月01日 23時 更新

ようやく重い腰が上がり、昨年11月末に強風のため壊れた145MHz用アンテナを作り直した。

前のは4エレHヘンテナだったが、今回は Upgradeして 5エレHヘンテナである。

5el. H-Hentenna for 145MHz。ブーム長 約1.8m。

新アンテナについては、いろいろ検討し、一時は3エレのヘンテナ*1で決まりかけてパーツ集めも開始していたのだが、けっきょく以前の4エレを5エレにUpgradeするということに落ち着いた。*2

理由としては、ヘンテナではTOPヘヴィになってしまうこと。これが大きい。現在のルーフタワーとマストを使う限り*3は、エンドファイア系がやはりベストであろう。

今回は、もしかして30年以上前のマスプロの9エレの残骸*4がメイン。エレメントブラケットは、ボルトナットは新調したものの、そのまま使用している。ブームは、9エレの残骸(22φ)+50の7エレのラジエータの残骸(20φ)を継ぎ足した。


5el. H-Hentenna for 145MHz

エレメントは、10mm×10mmの角パイプ。これは以前作ったAWXアンテナの残骸だ。5エレ分には足りなかったので、第3導波器はアルミのコの字チャネルを使って不足した長さの分をつないでいる。

アンテナのほか、腕木もステンレスからアルミパイプに変更。ステンレスパイプも30年くらい前のもので、溶接部分から割れてしまっていた。*5

なお、前のアンテナと同様に仰角*6を約15度つけている。*7

さて、以前から書いているが、Hヘンテナは、金属ブームを使った場合、エレメントだけでなくブームにも電流が流れてしまう*8。このため、今回はブーム込みでデータ化し、シミュレーションを行って最適化を目指してみた。


Beam Pattern hhu-5-145b。赤:本アンテナ(仰角なし) 青:本アンテナ(仰角15度) 緑:以前の4エレ(仰角15度)

当初、本アンテナのゲインはグラウンドリフレクション込みで16dBiくらいあったのだが、サイドローブがかなり盛大に出ており、サイド方向への輻射を抑える方向*9でデータを修正していった。

実際の使用でも、F/B比がかなり良いのが実感できている。

また、ブーム長も当初はかなり短めの1.2mくらいから検討したのだが、やはり1.5mを超えないと前アンテナとの差別化*10ができないことが判り、けっきょく5エレとしてはかなりロングブームなアンテナになってしまった。


SWR vs freq hhu-5-145b。赤が実測値。

実測SWRは、いちおう広帯域なのだが、144~146のアマチュアバンド内では1.3~1.4で、なぜか139MHzとか147MHzのほうがSWRが良い。完全一致には遠いが、シミュレーションによるSWR曲線と同一傾向な特性となっている。

実測値とシミュレーションを比較すると、全体的にエレメントが短いのかも・・という感じもする。ブームの太さの影響も考慮してデータ化したつもりだったが・・足りなかったか?

MMANA data file
hhu-5-145b.maa ←適当にお使いください。

なお、仮設置での調整の結果、実際のアンテナは、データファイルどおりではなく、スライド・エレメント*11の給電位置が6mm上になっている。



ぜんぜん関係ないハナシなんだけど・・近所で 再びミニFM局(noshiro.FM)が開局したとのことで、開局記念番組*12を放送していたが、FM受信用のDPよりも、このアンテナの方が信号が強く、受信状況が良好であった*13。困ったものである。(^^;)*14

88.8MHzは、この時季、中国語の放送が異常伝搬*15で入感することが多く、周波数を変えるよう言ったのだが、遅かったみたいで けっきょく周波数変更しないまま開局を迎えた。当日は運良く異常伝搬は皆無であったが、運用を続ける限りいずれ混信には悩まされることになるだろう。


*1 非半波長タイプの200Ω給電。

*2 前のアンテナから流用したのは給電部のUバラン(同軸ケーブルによる半波長迂回バラン)のみで、実際は一から作り直した。

*3 ルーフタワーを新調する際には、再度新アンテナを検討予定。

*4 よく残っていたものだが・・この程度で驚いていてはいけないのである。(^^;)

*5 ステンレス・・割れちゃうんですねー・・ビックリ。燃えないゴミとして出すため、金ノコでヒーコラ切断。

*6 衛星通信がメインのため。通常地上波用としては、仰角は不要だと思う・・

*7 30cmほどの厚紙を切って15度の型紙を作成し、屋根の上で現物あわせした。

*8 はっきりいって、思ってたよりも盛大に流れてるのであった・・(^^;)

*9 MMANAのF/B比の後方範囲を水平185度に設定してF/B比優先で最適化。

*10 フロントゲインで 1.5dB程度は増えないと違いが判らないと思う。

*11 Wire No.12

*12 本bLOGの守備範囲外の内容が多かったが、あのテクノの番組ははっきりいって付いて行けんかった。(^^;)

*13 位置によるのかしらね・・向こうは実効輻射電力がマイクロWオーダーだし・・あ、ナノWか。

*14 実際に回してみると単一指向性のようなのだが、MMANAで88.8MHzで計算させてもそうはならない。(^^;)

*15 88.8MHzは中国語の放送(浙江省温州市?)のほか琉球放送の中継局もある。ひとたび異常伝搬が発生すればミニFM局は超簡単に潰されてしまう。

Tada/JA7KPI : 2013年06月30日(日)

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