格安チューナで地デジ対応となったKPIのシャックだったが、実は TVI が発生していることが発覚。
1.9MHz~7MHzは問題ないものの、10MHz~50MHzでは、出力20W以上で送信すると、地デジがブラックアウトしてしまう。
で、困ったことに、一度ブラックアウトしてしまうと、そのchは送信停止やチューナの電源スイッチON/OFFでは復帰せず、ACアダプタをコンセントから抜くか、電源コネクタを外してチューナへの電源供給を停止させて、さらに電源再投入しなければならないのだ。こんな設計ってアリなのか!?*3
対策として、まずはよくあるフェライトの分割コアをかましてみた。しかし、まったく効果無し。考えてみりゃ7MHz以下では問題ないので、コモン・モードではなく、ノーマル・モードでの障害の可能性が高い。*4
そこで、HPF (ハイパス・フィルタ)を入れることを考えたのだが、ネットで検索すると、435MHzを阻止できるフィルタは大進無線が扱っているものの、5,000円くらいと高価だ。
安いものは、70MHz未満を阻止できるものがアマゾンでも800円くらいで売られている。
能代地域の地デジは40ch以上なので周波数は630MHz以上しか使っていない。
ということは、遮断周波数 550MHzくらいの HPF をでっち上げればなんとかなるんじゃないか。
ということで、π型の HPF を計算してみると、Cがざっと 2PF。しかし、浮遊容量を考慮して 1PFのセラミックコンデンサを使用。
Lは、20nHくらい。銅線の直径0.4mm、コイルの直径2.5mmとして、ざっと6回巻きとなる。
どうせ自分の部屋だし、見てくれは無視してとにかくざっくりと作ってみた。*5
挿入損失がどれほどになるのか不安だったが、受信レベルは挿入前とほとんど変わっていない。*6
そして肝心のTVIの阻止効果としては、全周波数帯に渡って障害の発生は認められず、完全勝利となったのである。*7
めでたし、めでたし。*8
*1 ブラック・・といっても黒画面になるわけではない。「受信レベルが低下しています」や「放送されていません」のメッセージが出て受信不能になるのだ。
*2 以前書いたとおり、あまりTVを見ないヒトなわけで、しかも無線機とTVが同時に電源ONになることは まずあり得ない・・という生活パタンのため発覚が遅れてしまったのである。
*3 TVIを受ける一般視聴者の側では、アナログTVよりも原因の特定(犯人はアマチュア無線)がきわめて困難・・なのでは??
*4 地デジ受信アンテナの目の前に無線のアンテナが位置している。ただし145/435は地デジの上方3mほど。
*5 もちろん、自分の部屋じゃない場合、特に自分の家ではない場合には、市販製品の使用をおすすめする。自作品は信用されないし、見てくれも大事。
*6 いちばん周波数の高い53chのNHK-Eが若干低下。あとはほとんど同じだが、レベル増加したchもある。
*7 この程度のフィルタはあらかじめ組み入れておいてもらいたい>チューナ製造メーカ・・MidBand対応とかもあるのだろうけど。
*8 いちおう、締めのフレーズとして使ってみたが、それほど めでたくもないな・・(-.-;)