八峰町移動でのASQ地上波迎撃ミッションに失敗したKPIだったが、まだあきらめてはいなかった。
実は、このことは1970年代から知られていた。なお、12月〜2月の真冬であってもこの伝搬はあり、ダクト等の屈折によるものではないと考えられている。*2
もちろん、アンテナゲインは高い方が良いため、自宅からではなく移動用のアンテナを使うことにして、移動地を能代港と決定した。自宅からは白神岳山頂が某ビルの陰になって見えないということもある。能代港なら、問題なく山頂が見えるのだ。
能代港の浅内漁協近傍でアンテナをセットし、FO-29のAOSを待っていると、雲に隠れていた白神岳が姿を現した。山頂脇の避難小屋まで良く見える*3。よし、なんか幸先いいぞ。
16時21分、FO-29飛来。CWでのQSOを速攻で成立させる。
次に受信周波数をFO-29用のUplink周波数に切り替えると、なにやらカスカスでCWっぽい信号が聞こえている気配。ワッチを続けていると、衛星追尾のためビーム方向を動かしたとみえ、了解度が少しずつ上がってくる。コールサインもとれた。
アンテナ方向は、ほぼ真北。反射なのか回折なのかはちょっと判らない。アンテナ高を調節すると、高い方が信号強度が上がる。どんどん伸ばす・・しかし、同軸ケーブルが衛星用のもので6m程度しかないため、地上高は5mで妥協するしかなかった。
16時31分、CWからSSBに切り替わったので、今度はSSBでASQ/8を呼ぶ。RPT送ってから、「地上波!・・Uplink聞こえてるので、地上波お願いします!!」と叫ぶ。ちょっと舞い上がってた。(^^;)
FO-29のLOS後、144.051をワッチすると、すぐに聞こえてきた。RPT交換してQSO成立。次に430へ上がると、なんということだ、144よりもあきらかに強力なのである。これはひょっとして1200も・・と、期待する。
しかし、1200ではできなかった。アンテナが低かったのかもしれない*4。
しかし・・ダクトではなく、144より430の方が強いということになると、回折じゃなく反射なのか・・いや、ASQ局のアンテナはたしか144が水平偏波で430が垂直偏波だから、単純に偏波面の問題か?*5
まあ、それはさておき、あの信号強度だったら、自宅シャックからでもできたかもしれない。が、しかし、ここはやはり能代港でなければいけないのである。
なぜかって、ASQ/8の移動地 松前町のグリッドロケータは、PN91。・・となれば、こちらはやはり PN90からQRVするのが礼儀というものであろう。v(^_^)/ *6
*1 松前町からは白神岳が見えるが、福島町では東側の海岸でなければ見えない。また、八峰町移動で七飯町が聞こえたのは、四ツ滝山、増川岳もしくは岩木山が関係しているのではないかと考えられる。
*2 144MHzでの実験による。
*3 もちろん、KPIの視力では双眼鏡等を使わないと確認できない。
*4 1200はクルマのルーフサイド設置。
*5 当方のアンテナは両方とも垂直偏波。
*6 伝搬距離は、約150km。松前→白神岳は約110km。次回は1200MHzもよろしく。