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[Radio] C520修理

2009年05月15日 23時 更新

大晦日も近づき、大掃除のつもりでシャックの整理をしていたら、STANDARDのC520を発掘してしまった。

久々に電源を入れてみると、いちおう動作するものの、受信音量が著しく小さく、実用にならない状態である。

Netを検索してみると、同様な症状についてかなりの数HITする。どうやら電解コンデンサの一部がちょいとワケアリで、寿命が短いものが使われてしまっているらしい。

ちなみに、C520というのは、平成初期(1989年)の144/430MHzFMハンディトランシーバである。念のため(^^;)。

Netでは、基板上の全電解コンデンサを交換してしまうという荒技が紹介されているが、ここまでする必要はないのではないか。手元のC520では受信音量さえなんとか回復すれば、とりあえず使用可能な状態である。

そこで、回路図を追ってみる。このRIGはふたつの受信機を内蔵しているような構成になっているが、受信感度やSメータの振れ具合には問題がない。ということは、やはり低周波部分がいちばん怪しい。

低周波の周波数特性的に、高音部/低音部が出ないとかいうことは無いので、単純に低周波ゲインに関わってきそうな電解コンデンサを探してみたら、Q256(低周波パワーアンプ NJM2073M)に付いてる C285 と C323 (どちらも1μF/25V) が見つかった。 コンデンサ交換後のC520基板

件のWebページを参考にさせていただき、RIGをバラす。背面のネジ2本、底面の電池ケースの金具を順にはずす。3つのコネクタは、C285とC323の交換だけならはずす必要はない。

ターゲットのC285とC323は、基板表面実装用の電解コンデンサで、高さが約6mmと低い。手持ちのもので同じ1μFのものは、高さが約11mmもあり、これではハンダづけ可能でもバラしたC520が元どおりに収まってくれない。

どうしたものかとジャンク箱をかきまわすと、10μFで高さ約7mmのものが2個出てきた。ま、回路図からいって1μFが10μFであったとしても、あまり支障はないはず。

で、えいやっ!!・・と、コンデンサを交換したところ、めでたくC520は復活したのである。

こんなことをやっているので、大掃除はちっとも進まないのであった。(^^;)


さらに拡大。ボタン電池交換後のC520基板

2009.03.14 追記:

長年放置していたC520といえば、電解コンデンサだけではなく、たいていはボタン電池も消耗してしまって、交換が必要になる・・というのが相場である。(^^;)

電池が消耗すると、もちろんメモリ・チャネルは忘れてしまうし、電源スイッチを入れて、さらにリセットしないと正常動作しないなどという症状が出ることがある。

しかし、元々実装されている電池は、CR2016(3Vリチウム)のタブ付きバージョン。CR2016自体は、まだ入手可能なのだが、タブ付きとなると、まず手に入らないようだ。

で、しかたないのでタブ無しの普通のCR2016を買い、ヤスリで磨いてハンダづけしてみたら、なんとか成功した。素早くハンダづけを完了しないと危険かもしれないので、お奨めはしない。

なお、写真では電池がむき出しのままだが、ビニールテープ等を電池の上に貼るなどして、一応の絶縁確保するのを忘れないように。

ちなみに、元々付いていた電池の電圧は0.3Vくらいまで低下していた。


2009.05.15 追記:

C520といえば、使っているうちに LCD表示がパカパカとブリンクしてしまう(当然ながら送受信不能)という問題が発生することは良く知られている(^^;)。なんらかの原因で、PLLがアンロック状態になってしまうらしい。

当方のC520も この症状が頻繁に発生するようになってしまった。ただし、1時間程度電源ONしておいて、バンドスイッチをVHF→UHF→VHFとか切り替え、CALLスイッチを押し、さらに解除すると元に戻ったりもするのである。

しかしながら、これを自力で修理したというハナシはなかなか聞かない。Netで検索しても、PLL UNLOCKの話は見つかるが、修理についてはメーカ送りというのが相場のようだ。その原因の一つとしては、PLLまわりの回路図が付属していないということもあるのではないだろうか。

C520 RF基板 謎のVCO部分

とはいえ鬱陶しいので、とにかくバラしてみた。やはり、半導体か電解コンデンサが怪しいと思われる。

だが、VCO部分は完全シールドされているようだ。回路図はない、シールドの中身は見られないとなると、もはやあきらめるしかないか。

とりあえず、VCOの横のC422とか表示がある怪しい電解コンデンサを交換してみるが、症状は変わらない。さらに右のVCOの下のチップ型の電解コンデンサを取り外してチェック。うーむ。なんか正常っぽい。

ここで一旦あきらめて再度組み直すが、FUNC+バンドスイッチでUHFの表示を消すと、アンロック状態から復帰してVHFが送受信可能になることを発見。

再度バラして左のVCOの下のチップ型の電解コンデンサを取り外してチェック。これも正常みたい。さらに、そのトナリのトリマを回してみる。基板裏側のVCOユニットとRF基板のハンダづけ部分を暖めなおしてみる・・しかし気休めか。

ところが、ここで電源入れてみたら、アンロック状態がV/Uともに解消されていたのである。しかし!!喜々として組み直してみたら、またUHFでアンロック。

バラすと直って、組み上げると症状が出る・・これは、あと一歩のところまで来ているのかも・・と、例のトリマをもう少し回してみたり、さらにVCOまわりのハンダ上げをおこなって慎重に筐体を組み直してみたら・・・じゃじゃーーん!! ・・直りました。

けっきょく、何が効いたのか よく判らんのである。でも、直ったからいいか。(^^;)

さてさて、昔は 基板のパターンを追って回路図を起こし、改造ポイントを探したりとかしたものだが、最近になって ついに生体レンズの焦点距離調節機構の劣化を自覚できるようになってしまった。パターンや回路図を追うのはちょっとつらい。きわめて重大な問題である。これを自力で修理する方法はないのだろうか・・・・


続編→C520再び

Tada/JA7KPI : 2008年12月29日(月)

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