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[Misc] 前骨間神経麻痺

2010年01月16日 23時 更新

例の左手の件である。今までの記録と現状を記しておく。

2005年5月1日
左ひじの4〜5cm上に、鈍い痛みがあることに気づく。小さな痛みである。そのまま森吉山へドライブに。
2005年5月2日
同様の痛みが腕の反対(裏)側にもあることに気づく。
2005年5月3日
クルマのサイドブレーキのボタンを押すことができず、左手の親指を自分の意志で曲げることができないことに気づく。しかし、一時的な麻痺と考えていた。そのまま十ノ瀬山へ。

他の指を添えるなどして、外部から力を加えると、当然ながら曲がる。また、触覚等の感覚はまったく正常。この時点で、前述の痛みは続いていたが、親指自体には痛みはまったくなし。

クルマのサイドブレーキを操作する際に必ず気がつくと思われるので、曲がらなくなったのは5月2日の夜〜5月3日の朝と考えられる。事故や怪我等はなく、原因と思しきモノにはまったく心当たりがない。


2005年5月5日
ひじ上などの痛みは治まったが、左手親指の症状に変化は無し。ぴくりとも動かない。
2005年5月6日
連休明け、近所の整形外科へ。レントゲン撮るが、異状なし。「前骨間神経麻痺」ではないかとの診断。しばらく様子見とのことで、神経の炎症を抑えるステロイド系の薬と、神経の回復を助けるビタミンB12の薬を処方してもらう。
2005年5月10日
ギターを弾いていて、左手の人指し指の動きが悪いことに気づく。人指し指は問題なく自由に動かせるものの、ギターを弾く際に、以前のようにスムースに弾けないフレーズがあるのだ。
2005年5月30日
レントゲンだけでは心許なく、総合病院の整形外科でMRIに入ったが、やはり異状なく、ここでも診断は「前骨間神経麻痺」。わりと珍しい病気らしい。しかし、この病名は症状を特定しても原因を特定しているわけではない。いったいなぜ前骨間神経が麻痺しているのか、まったく、さっぱり判らないのである。

やはり、とりあえず様子見。3か月程度で自然治癒するヒトもいるようだ。


2005年9月
左手人指し指は、ギターの練習をするうちに、ほぼ以前どおりに動くようになったものの、親指の方は4か月経っても改善はなく、まったく動かせない。薬はやめることになった。悲しい。
2005年10月
仕事が忙しく、なかなか病院にも行けないでいた。親指を曲げることがほとんどないため、筋肉(反対側の腱?)が硬くなって来ている。右手の親指は90 度まで簡単に曲げられるが、左手の親指は外部から力を掛けても90度まではなかなか曲がらない。第一関節を左右から押さえると、少し痛みがある。この痛みは当初はなかったので、拘縮・・つまり、関節まわりが固まってきている・・からくるものではないかと思われる。ただし、何度もやっているうちに柔らかくなるのか、いちおうまだ曲がるようである。

念のため、超音波エコーで腱が断裂していないかも検査したが、腱は切れていないことが確認された。

しかし、たかが左手の親指だけとはいえ、今まで動いていたのが動かせなくなったというのは、かなりの打撃。メゲている。チカラ抜けてる。しかも、この時期、仕事上でもどデカい問題が発生。鬱である。


腱移行という手術があることを医師から聞いた。その場合、薬指と小指が同時に曲がるようになってしまうらしい。しかし、それではギターが弾けなくなってしまう。自分にとってギターが弾けなくなるのはかなりのストレスであり、腱移行は考えられない。現在の状態でも、若干不自由ながらギターは弾ける。

ネットで手の病気専門の相談サイトを発見し、メイルを送ってみた。前骨間神経麻痺については自然回復例もかなりあるとのことだったが、既に5か月経っており、これ以上何もしないで様子を見るよりは次の手段も検討した方が良いとの回答を得た。

次の手段=手術については、腱移行の前に神経剥離術・・・前骨間神経への圧迫除去ということになる。

2005年11月
手術を決意。ただし、既に動かなくなってから半年が経過しており、手術したからといって指が動くようになる保証はない。あまり長く待つと、神経の圧迫が不可逆的になる・・つまり、圧迫を除去してもへこんでいた神経が元に戻らないため、回復しない場合があるらしい。くそーっ、もっと早く決断するんだった・・・ってもなぁ・・・切らないで治った例もあるというのなら、やっぱりもう少し待ってみようか・・・なんて思っちゃうよなぁ。

前骨間神経麻痺といえば、親指のほかに人指し指もまったく曲がらなくなるのが普通らしい。しかし、自分の症状は、人指し指は若干の麻痺があるものの、とりあえずは自由に曲がるという状態で、このために決断が遅れ、手術の時期が後ろにずれ込むことになってしまった。症状が出てから8か月近く経ってからの手術となる。

さて、手術のハナシはトントン拍子に進み、その筋では有名な弘前大学の先生にお願いすることになった。日程はその先生のスケジュールにあわせ、12月27日と決定。左腕を開いてみて、神経の損傷がひどいことが確認できたら、右脚から神経を移植。その場合、足の裏の感覚が一部無くなってしまうそうだが、慣れれば気にならなくなる・・・とのこと(^^;)。ま、右脚を切ることになる確率は低そうだけれど・・・

関連があるかどうか不明だが、12月の初めから完全治癒まで「禁煙」することを決断。現在も続行中。


(ここに「手術で入院」の記事が入る)


2006年1月4日
抜糸。チクチク痛い。当然ながら、親指はぜんぜん動かず。
(抜糸後2週間目の左腕の画像 ← ちょっとグロいかも)

ギター禁止令出る。座ってギターを弾く場合の腕の状態は、前骨間神経にいい体勢とはいえないらしい。そういえば、5月の連休前はギターもかなり弾いていた。しかも座っての速弾き。ううむ、やはりロックギターは立って弾くべきなのか。フリップ先生、ごめんなさい。

(ここに「左手その後」の記事が入る)

2006年2月
変化無し。ビタミンB12のお薬を再開する。
2006年3月
ぴくぴく動くようになってきた・・・ような気がする。これって、動いてるんじゃないか? ・・・というレベル。
2006年4月
ちょっと曲げることができるようになった。しかし、あれ? 動かない。どうすれば曲がるんだっけ? 精一杯チカラを入れてるつもりだが、接触不良のスイッチのような感じだ。なんか、ナサケナイ。

ギターを弾けないと、ストレス発散ができない。立って左腕を伸ばして弾くようにスタイルを変えた。

2006年6月
確実に曲がっている。しかし、チカラはほとんど入らない。厚い本を人指し指と親指でつまむ・・・などということは、まだできない。
2006年8月
曲がる角度は50度程度か。やはり力は入らない。特定小電力トランシーバのPTT(送信)スイッチは、左手親指では押すことができなかった。
2006年10月
75度程度曲がるようになり、無線のマイクのPTTスイッチを押すことができるようになった。本も小さな版のモノならつまめるようになったが、力はまだ弱い。1か月スパンでみると、あまり変わっていないような感じだが、2か月スパンでみると、確実に回復してきていることが判る。うれしい。実にウレシイ。


このままのペースで推移しても、年内の完全治癒は無理だろう。まさか回復に手術後1年以上かかることになろうとは・・・さすがに神経だ。動かなくなるときは突然動かなくなっていたため、回復も、ある程度の期間が経過すれば突然動くようになる・・・などと勝手な想像をしていたのだが、まったく外れてしまった。動かなくなるのはデジタル的に突然だが、回復は極めてアナログ的にゆーっくりなのであった。

願わくは、ゆーっくりでいいから、元どおりになりますように・・・


2006 Dec.

追記 2006年12月 右手の指では90度を超えて曲げられるのだが、左は依然として75度程度までしか曲げられない。

しかし、ついに写真のように「洗濯ばさみ」をつまむことができるようになった(先月はできなかった)。とはいうものの、すぐ疲れてしまう。

また、「事務用目玉クリップ」は、バネが硬く、まだまだ無理。つまり、チカラがまだ完全には回復していないということなのだろう。そろそろ、手術後1年になろうとしている。


追記 2007年 2月 左の親指は、80度ちょいまで曲がるようになり、「事務用目玉クリップ」も、なんとかつまむことができるようになったが、まだクリップを完全には開けず、右手の力に比べると、左手は非力きわまりない。例えば、「国語辞典」は持てるが、「広辞苑」は、まだ持てないのである。

しかし、回復はとりあえず順調のようで、ビタミンB12のお薬は終了。通院も来月で終了の予定。あとは自主的なリハビリを続けるだけである。

追記 2007年 4月 予定どおり通院は終了。つまり、「いちおう、治りました」ということなのだろう。

2か月前は持てなかった広辞苑も持つことができるようになり、固めの目玉クリップもつまんで開くことができるようになっているものの、右手の力と比べると明らかに左手は非力である。

この症状の原因が神経にあるのか、それとも長期間使われなかった筋肉にあるのかは、詳しい検査をしていないので不明だが、とりあえずは、普通に生活でき、左手がうまく使えなくて歯がゆい思いをすることもなくなった。

あとは、どのくらいで完全に回復するかだが、もともと右手と左手の性能にどの程度の差があったのか自体不明なのである。まあ、「完治かな?」と思ったら、またここに書き込むことにして、ここは一旦締めさせていただこう。

多くの方々からのお見舞い/激励に感謝!!


追記 2007年12月 もうすぐ手術後2年。日常生活にはほとんど支障ないが、左手の親指と人指し指でモノをつまむ力は、右手と比べると半分以下だ。

先日、体重計(OMRONの製品で、よくある室内用)をつまんでみて、何kg分の力かを計測してみた。

右手では8kg程度まで出せるが、左では3kg出ない。まあ、利き腕だから右の方が強いのは当然としても、半分行かないとはがっかりである。2年経ってもこんなもんだとは・・・(^_^;)

無意識に曲がっててほしいときに曲がってない・・という局面もまだある。以前は上手にできていた親指を使った細かい作業も、下手になってしまったまま。まあ、下手でもできるだけいいのだが。

神経の回路がまだちょっとこんがらがってるのかもしれない。

追記 2010年1月 手術後4年経過。2年前の「手術後2年」の書き込みでは、オムロンの体重計をつまんで3kg程度だったが、現在では5kg以上チカラを出せるようになっている。利き腕ではないので、こんなもんかもしれない。

というわけで、ようやく完治・・・と、自分自身納得できたのである。長かった・・

Tada/JA7KPI : 2006年10月07日(土)
コメント(1) [コメントを投稿する]
Tada 2007年02月18日(日) 18時

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