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[Radio] Open- Sleeve Antenna

2006年10月05日 23時 更新

CQ ham radio誌8月号にオープンスリーブ方式のマルチバンドアンテナの記事が出ていた。

KPI宅のアンテナは、現在10/18/24MHz用の3線式ダイポールが上がっているが、こいつにバンド追加できないかいろいろやってみた。

で、いきなり結論から申し上げるわけだが・・・失敗である。

まず、最初は14MHzから試してみた。適当な10m程度のビニル線を既設のダイポールに沿わせて仮止めし、アンテナアナライザで14MHz付近でSWRが落ちる周波数があるかどうかを探る。なお、事前にアンテナ本体のSWR対周波数曲線は把握しておく。

ところが、14MHz用エレメントを追加して24MHzや18MHzのSWRナル(最小)ポイントは大きくズレたものの、肝心の14MHz近傍ではSWRがまったく落ちてくれないのである。追加エレメントを切りつめていってもSWRのナルは見いだせず、他バンドへの影響も大きいことから、14MHzはあきらめることにしてしまった。

それでは、50MHzを追加するというのはどうだ? これなら既設バンドへの影響は小さくて済むような気がする。

ここで、MMANAとNEC2 for MMANAの登場となる。既設アンテナはビニル被覆線を使っており、今回の追加エレメントも同様のものなので、もしかしたらビニルの誘電率が効いてかなり短縮されるかもしれない。

で、MMANAでデータ作成/修正し、NEC2 for MMANAで計算させて50.1MHzでの追加エレメントの最適寸法を出してみたら、これが全長2.56mなのである。実に15%もの短縮になってしまった。

ということで、今度は全長3mのビニル被覆線を24MHz用エレメントの下に配置し、慎重に切りつめていくという作戦を開始したのだが、いくら切ってもアナライザではSWRのディップを確認できない。追加エレメントを24MHz用エレメントに密着させた場合と、10cm程度離した場合の2パタンやってもみたけれど、これもダメ。

で、とうとうあきらめてしまったのであった。なお、SWRの計測はすべてアンテナアナライザでおこない、普通に電波出してSWRメータで測るということはしなかった。

アンテナアナライザは、エレメントがしっかり共振していても、給電点インピーダンスが50Ωから大きくズレているとSWRのナルを見つけにくいという欠点がある。もしかしたら、このせいもあるかもしれない。というのは、バンドを受信してみて、ノイズの聞こえ方から、なんとなく共振はしてるような感じがしたのである・・・まったく、根拠無いのだが・・・(^^;)。

というわけで、失敗してしまったわけだが、これで衛星通信用435/145MHzデュアルバンドアンテナの開発も遅れることになってしまった。つまり、この衛星用アンテナも145用のエレメントにだけ給電して435MHz用はオープンスリーヴで・・・という設計になっていたのだ。MMAMA上では一応マトモな計算結果になっているが、実アンテナでマトモな特性を得ることができるかイマイチ不安になってしまったのである。

さて、どうしようか・・・ACAG後だな・・・

Tada/JA7KPI : 2006年10月05日(木)

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