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[Radio] ダブル逆Lの現状

2006年05月13日 00時 更新

ほぼ1年間にわたって実験してきたアンテナ「ダブル逆L」について、まとめてみようと思ったのだが、まとまらん。とりあえず現状報告である。

Structure of Double Inverted eL いろいろ試行錯誤して、現在のエレメント長は右図のとおり。水平部4.98m。垂直部7m。材質は、電線の直径約1.7mmのビニル被覆電線。ホームセンターでACコード用(1500W?)として売られている普通のやつ。

放射に寄与するのは、ほとんど水平部のみと思われるが、この水平部の長さを伸ばしていくと、高い周波数から打ち上げ角がぐんぐん高くなってしまう。このため、水平部は5m未満に抑えてある。

この後にフェライトバー3本に12ターン巻いたフロートバランが付く。1ターンあたり7cmくらいなので、12ターンで84cm?。バラン部分の電線長は、90cmくらいか。なお、巻線の材質はポリエチレン被覆の電線。その筋では有名な古河電工のビーメックス(BX-S2.0)である。

フロートバランの後に、同軸ケーブル5D-FBが5.15m付く。この同軸ケーブルとRIG内蔵のATUを含めてのアンテナシステムとなっている。 接続点には、分割フェライトコア(いわゆるパッチンコア)を数個入れてあるが、効いているのかは未確認。不要かもしれない。

Double Inverted eL

設置は、約90cmのロープの真ん中を伸縮マストの先端にからげてL字のカギの部分を吊るようにしている。このため、中央のギャップは約70cmとなる。また、伸縮マストの高さは9.3mだから、ちょうどクルマのルーフのちょっと上にフロートバランが位置することになる。(注意: 画像は、以前のバージョンなので、ギャップは広め。フロートバランはルーフの下に位置している)

この状態で、各バンドのSWRは高い状態ではあるものの、RIG内蔵のATUで問題なくチューンがとれ、7〜28MHzでQRV可能である。

前述のとおり、このアンテナは同軸ケーブル部分もアンテナの一部であるため、この長さを変えると、内蔵ATUではチューンがとれなくなる可能性がある。例えば、5D-FBを1.8m短くしてしまうと18MHz〜24MHzが使えなくなってしまう。

また、ケーブルやバランの損失が大きいとATUによる不整合損失の改善効果が十分得られないことになるため、ケーブルには低損失の5D-FBを、バランの巻線もポリエチレン被覆のものを使用しているが、これもどこまで効果があるのかは未検証。(ATU自体の損失も問題になるので、最近の小型インダクタを使ったATUはどうなんだろ?)

以前、MMANAでの計算値+1.3mというハナシを書いたのだが、その延長で垂直部の長さ変更、5D-FBの導入等、長さの換算でアレンジ可能と考えていたら、計算どおりに作ってもチューンがとれず、けっきょく、現在の寸法に落ち着いている。前のときとは*フロートバランの挿入位置も違う*せいか(そんなハズないと思うのだが)。

当初、こんなアンテナ、飛ぶわけがない・・・なんて考えていたのだけれど、それなりに使えている実績というものを無視するわけにはいかん。まあ、もう少し使ってみるつもりである。


*追記: フロートバランについては、以前のものと現在のものでは、巻数もちょっと違うが、巻線の材質が違う。以前のものは、塩化ビニル被覆。現在のものはポリエチレン被覆。被覆の誘電率に起因する速度係数の違いはそれなりに大きい影響があるだろうと思ったが、塩化ビニルの速度係数は0.56くらい、ポリエチレンは0.67くらいで、あまりかわらんか・・・・

速度係数0.67となると、バラン部分の電線長=90cmだから、その電気長は、1.34m。5D-FBの速度係数は0.8でその電気長は、6.44m。つまり、このアンテナの垂直部の電気長は、合計=7+1.34+6.44=14.78m・・・のハズである。

これに対し、以前のバージョンは、バラン部分が9ターンだから65cmくらい + 20cmくらい伸ばしてるから、速度係数0.56の部分が85cmで電気長は1.52m。これに3D-2Vが1.4mで電気長2.1m。垂直部の残り部分が9.35m。電気長は、合計=9.35+1.52+2.1=12.97m。ということで、現在のアンテナは、電気長で1.81m分長くなっているハズなのである。

Tada/JA7KPI : 2006年05月10日(水)

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