当方のアンテナからEu方向に鎮座する近隣ビルについては 以前から 愚痴をこぼし 悪態をついてきたわけだが、はたして どれほどの悪影響があるものなのだろうか。
ここで大科学実験を行うことは不可能なので、今回も安易に MMANAに ご登場願うことにする。
ビルのデータは 以前「トタン屋根の影響」シリーズで作った屋根のデータを流用、変形させたものである。幅 約20m 高さ 約18mとした。
なお、今回のmaaデータにアンテナの分は含まれてはいない。アンテナは 6elスタックとしたが、実際のアンテナよりも簡素化してある。
と いうわけで、計算結果である。
青が アンテナ単体。ピンクが maaデータのとおり 幅 約20m 高さ 約18mの遮蔽板を距離100mの位置に置いたもの。シアンが 幅を 実際のビルに近づけた 幅 約60m にしたもの。*1
なお、アンテナから遮蔽板の上辺を見上げる仰角は実際と同じ4.5度に設定してある。
また、アンテナ単体での打ち上げ角は6.6度なので、水平面のパタンはすべて この 6.6度方向に合わせてある。
100m離れているのだが、やはり相当の影響がある。幅20mのモデルでフロントゲインは -5dB。
もちろん、実際のビルの鉄筋や鉄骨の入り具合も関係するのだろうけれど。*2
距離200mや300mのデータでも計算してみたが、300m離れて ようやく フロントゲインの減少が 1dB程度にまで回復する。*3
また、仰角10度方向のビームに着目すると、幅60mでもアンテナ単体より -1dB程度であり、このような ある程度上から降ってくる信号*4に対しては影響が少ないのかもしれない。
実際の仰角が4.5度にもかかわらず、6.6度方向のビームに影響が出るのは ハイトパタンやらフレネルゾーンが関わってくるからだろう。アンテナから半径300m以内に建物が何も無い・・というのが理想*5だが、無理無理無理・・・ *6
なお、問題の近隣ビルの一つは 耐用年数や 所有組織の問題もあり、移転する構想*7があるらしい。不安なのは、移転後に別のもっと高いビルが建っちゃうんじゃないかという・・ (^^;)
本記事については、近隣ビルの地上高を高く見積もりすぎていたため 仰角等の数値が実際とは異なっていることが発覚。
後日 あらためて正しい数値で書き直したいと考えている。
*1 シミュレーションでは 遮蔽板の厚みについては ほとんど考慮されていない。また、MMANAの分割セグメント数の制限から、幅 60m版では かなり緩い計算となっている。
*2 電波を反射するのは ほとんど鉄筋や鉄骨などの金属。コンクリート自体は あまり反射せず少し吸収するくらいらしい。
*3 今回のシミュレーションでは 1枚の板としたが、普通の建物のように 厚みのある立体にすれば フロント方向の通り抜けは さらに減って遮蔽度が上がり そうとうキビしい結果となるのではないか。残念ながら 2枚以上の遮蔽板の計算はソフトの制限により叶わなかった。
*4 いわゆる コントロール・ポイントが近い場合。
*5 アンテナよりも高い建物だけではなく、低い建物でも それなりに影響はある。
*6 宝くじが当たれば 別? (^^;)
*7 まだ「計画」以前。