JTMSの諸元がQSOの話題に上がった。また「JTMS 諸元」で検索して当bLOGに いらっしゃる方もおられるようだ。
ということで、JTMSへのQRV局増加を祈念し、ちょっと書いてみる。
設備名称 パーソナルコンピュータ変調装置 装置の名称又は種類 方式・規格等 JTMS 方式 MSK 通信速度 1,378.125ボー 周波数偏移幅 ±344.53Hz 符号構成 WSJT JTMS 副搬送波周波数 1,500Hz 電波型式 F1D ※JTMSでの送信は28MHz帯以上の周波数帯でのみ行う。
MSKで通信速度=1,378.125ボーであるということは、WSJT User Guide に記載されている。
周波数偏移幅については、MSKだから変調指数は0.5。ということは、最大周波数偏移=通信速度×変調指数なので、最大周波数偏移=1378.125×0.5=689.0625 (WSJT User Guideでも689Hzであるとされている)。したがって周波数偏移幅は 2で割って±344.53125Hz。
副搬送波周波数については、WSJT User Guideに 1155.47Hzが 0、1855.53Hzが 1を表す・・という記述があり、(1155.47+1855.53)÷2=1505.5Hzなので、1500Hzと書いても問題ないはず。
シングル・トーンを使用する部分があるのだけれど、この部分はFSK441と同じなので不要と判断。
あと、占有周波数帯幅に関しては、WSJT User Guideでは 2067Hzと記載があるし、例の 2M+2Dk の式でも K=1.2として 1378.125+689.0625*1.2=2205Hz と 2kHzを超えてしまう。*1
無線設備規則により、占有周波数帯幅が 2kHzを超えるF1Dは、原則認められない。しかし、備考にある「注」により、28MHz帯以上であればOKとなるため、※部分の但し書きが必要となる。
・・ということでいいのではないかと思われるが・・ いや、他の総通はどうなのか定かではないけど、東北総通では「パーソナルコンピュータ変調装置」の諸元についていえば、わりとアバウトでも通っちゃう*2・・ んじゃないかなぁ・・ って・・ ま、憶測ですがね。(^^;)
2016.11.03 追記:
WSJT-Xの新バージョンのRC版が出て 流星散乱通信(MS)用の MSK144というモードが追加された。これが 上で取り上げた JTMSの次期バージョン、β版に搭載されていた JTMSK の正式リリース版になるものと思われる。
で、その諸元は・・ということになるのだが、バイナリLDPC と OQPSKを使用した難解な変調方式。これは波形的に見るとMSKと同じらしい。つまり、以前ふれた JTMSKとほとんど同じということでいいのではないかと・・
設備名称 パーソナルコンピュータ変調装置 装置の名称又は種類 方式・規格等 MSK144 方式 OQPSK(MSK) 通信速度 2,000ボー 周波数偏移幅 ±500Hz 符号構成 WSJT MSK144 副搬送波周波数 1,500Hz 電波型式 F1D ※MSK144での送信は28MHz帯以上の周波数帯でのみ行う。
OQPSKというPSKを使っているので電波型式は G1Dになるのかと思いきや F1Dのまま*3。実際、パソコンから出てくる音を聞いてみると、微妙に異なるものの JTMSと同じような音だ。
ちなみに、1フレーム 144bit を72m秒で送るらしい。つまり0.1秒のPINGがあればQSOできるということか。
50MHzのWWなクラスタを見ると、既に実際のQSOが行われているようだ。1シーケンス5秒という設定も可能なので、かなり期待しているところである。
次の流星群の極大は、11/6と11/13 おうし座*4、11/17 しし座*5。
2016.11.11 追記:
ようやく MSK144による初QSOが成立した。相手局は おなじみのJA5FFJ。周波数は 50.280MHz*6。
前バージョンのJTMSのときは盛大にゴミ*7が表示されていたが、MSK144では 全くない。ただし、ノイズ等が原因で 73とかRRRとかのみ表示されることはあった。
MSK144でのQSOは、基本的にJT65と同様の交信方式。
CQ JA7KPI QN00 JA7KPI JA5FFJ PM63 JA5FFJ JA7KPI +01 CQ局はRを付けずにRPTを送る JA7KPI JA5FFJ R+01 CQ局からのRPTを確認(R)してRPTを送る JA5FFJ JA7KPI RRR RPTと相手もRPTを確認していることを確認した旨を送る JA7KPI JA5FFJ 73 RRRを確認したことを送る・・これで一件成立
・・というのが一連のシークェンス*8。最小限ではお互いにレポート交換して完了・・でもいいのだが、個人的には やはりRRRを確認したという電文まで到達して やっとQSO成立という気がする。
このあと、JE6HJT局ともQSO成立。来週の しし座とか来月の ふたご座では かなり盛り上がりそう?
2016.11.19 追記: 設定関係の覚え書き
*1 1378.125+689.0625=2067.1875なので、JTMSで 2M+2Dk の式が成立するなら、係数kは「限りなく1に近い」ことになる。
*2 TSSやJARDの方が厳しいかも?
*3 ・・だと思う。(^^;)
*4 おうし座 18時~05時。
*5 しし座 00時~13時。
*6 北米でも同じ50.280を使っているらしい。しばらくはこの周波数メインでQRMの場合は+3kHzということでどうでしょう?
*7 エラー訂正機構が 無かったことによる意味不明なデコード結果の文字列。
*8 このあとにFree TEXTで「30W 2X5EL 73」などと送るのもアリか。
*9 しかし、これはどちらもチェックしない方がいいような気もする。JT65でEMEやるならチェックする方がいいのかもしれないが。
*10 相手局の周波数が ずれている場合、200にしておいた方が追従しやすい。
こんばんは。MSK144を調べていたら、なんか詳しい所へ来てしまいました(^_^) 最下段を見てぴつっくり。なぁーんだ、KPIさんかぁ。詳しいのも当然ですねよ(^_^;) 勉強します(^_^)v
12月は いっかくじゅう座(12/9)、うみへび座(12/12)、ふたご座(12/14)、こぐま座(12/22)、こじし座(12/29)と流星群が連続しますから、ぜひQRVなさってみてください。
こんばんは。MSK144は今までのMSによるQSOをガラリと変えてくれますね(^_^) 6エリアのビーコンが弱く聞こえているときなどは、MSK144ならバンバンでしょうね。小流星群にも日が当たって嬉しいです。まあ、当方がQRV出来るとすれば、晴れてないときや満月の辺り。遊びの本職は☆ですから。勉強します(^_^)v
9日早朝出てみます。最近MSK144の諸元追加の指定事項変更許可が降りたので。
散在流星もありますので早朝もFBでしょうが、**座流星群ならば、その**座が地平線より上にないとMSになりません。<br>ふたご座流星群なんかは、夜~朝といった時間帯になります。お会いできることを楽しみにしております。
JH3ECA 京都の中島と申します。<br>MSK144 のNew Modeの諸元大変参考になります。<br>すみませんが。。1人でも多くに局にNewModeに参加していただき来たいので<br>このホームページを私のホームページからリンクさせていただけませんでしょうか・??<br>下記のアドレスでホームページを開設しています。<br>文字通信・画像通信を中心のホームページです。<br>ホームページリンク許可を是非お願いします。<br>http://www.jh3eca.jp
当方のページは、勝手にリンクしていただいてOKです。<br>よろしくお願いします。<br>変更届出を電子申請でおこないましたが、3日で審査終了でした。(^^)
JA7KPI 局ありがとうございます。<br>大変貴重な情報の公開ありがとうございます。<br>今後ともよろしくお願いします。
こんにちは、JK1BPA埼玉の細谷と申します。<br>免許申請ですが、私はG1Dで通ってしまいました。<br>帯域制限がかかると、F1DかG1Dかわからなくなってしまいますが、基本的にはOffsetQPSKなのでG1Dではないかと思っています。<br>G1DならHFでも3kHz以下までなのでHFでも使えるかなと。
F1DとG1Dは見分けがつかない場合がありますね。G1Dへの補正を促されることも想定しましたが、作者も波形はMSKと同じとしているので F1Dでいいかな・・と。24MHz以下で使おうとも思わないですしね。(^^)