以前、TV録画のハナシを書いたが、当然リモコンを多用するわけだ。しかも昨今のTVは本体を完全無視し、リモコンでしか操作設定できないような造りになっている。
こういう状況でリモコンが壊れようものなら、まさにパニックである。
ウチのリモコンも、良く押されると思われる「電源」「地デジ」「BS」などの4つのボタンの反応が悪くなっていたのだが、本日、とうとう電源ボタンがまったく反応しなくなった。
まあ、電源ボタンなら本体にもあり、電源入れるときだけ本体のボタンを押せばいいのだが、このような「ワタシ壊れてます状態」は精神衛生的に とうてい許容できるものではない。(^^;)
で、とりあえずバラしてみることにした。
リモコンのガワを見ると、ビスなどは使われていない。ちょっと強引だが、マイナスドライバを側面のつなぎ目に入れ、ウラのパネルを外側にコジるようにしたらパカッと開いた。金属ではなくプラスティック製のヘラなどを使うと傷が付きにくいようだ。
ボタンの構造を見ると、交互に並んだ櫛状のプリントパタン電極に導電性塗料が乗ったゴムのボタンを押しつけるという方式らしい。
で、そのゴムの導電性塗料だが、デジタル・テスタの MΩレンジで測ってみると、正常なボタンは数kΩ~数十kΩなのだが、問題の4つのボタンは数百kΩ以上あり、電源ボタンに至っては まったく反応無しの状態であった。どうやら導電性塗料が剥がれてしまっているようだ。
導電性塗料って たぶんただのカーボンだから・・と、真っ先に考えたのが1969年の映画「SOS北極 赤いテント」にも出てきた「鉛筆で塗りつぶす」という解決法*1である。しかし、HBの鉛筆ではダメだった。4Bとかのもっと濃い鉛筆だといいかもしれない。いずれにしても、長持ちはしないだろうから、別の方法をとるべきだ。
で、次の作戦は「アルミフォイルを小さく切ってボタンに貼る」という方法だが、この作戦についてはアルミフォイルの電気抵抗が小さすぎることから、電流が流れすぎて不具合が生じる可能性がある。ただし、電圧制御である可能性のほうが高いので大丈夫か。
とにかくやってみた。ボタンに瞬間接着剤を塗り、小さく切ったフォイルをピンセットで摘んで貼り付けたのである。写真でボタンの裏が光って見えるのが貼り付けたフォイルだ。
けっきょく、リモコンは元どおり操作可能となった。めでたし、めでたし。まあ、アルミフォイルを使ってもTVが爆発することはないとは思うが、そこらへんは自己責任・・ということで。
*1 映画には、そうやって修理した無線機でSOSを出し、その信号が凧で揚げたロングワイヤ・アンテナでアマチュア無線家によって受信される・・というシークェンスがあるが、これは実際の遭難事件をもとにしているとのこと。