久々に1.9MHz逆Vのクロス設置実験をおこなった。
一回目の実験は 2011年のオール秋田のときだったので、もう3年近く経っている。困ったものである。(^^;)
今回は、3年前とは逆に ローディングタイプ(type-1)を南北に、フルサイズ(type-2)を東西に直交して展開した。
ふたつのアンテナの給電点地上高には約10cmの差があるが波長的には誤差の範囲だろう。
19時少し前から21時頃にかけて40局とQSOしたわけだが、この交信時にアンテナを切り換えてどちらの信号が強いのかをみた。ただし、応答に気をとられて切り換えを忘れたときもある。*1
設置直後のノイズレベルは ほとんど同じ。時間経過とともにフルサイズの方が少し高くなった。
結果としては、全40交信のうち 南北展張のローディング逆Vが強かったのが 12。とはいえ、ほとんど互角というレベルだ。
東西展張のフルサイズ逆Vが強かったのが 7。このうち5局は3~6エリア。静岡の某局はローディング逆Vでは検出できなかった。
双方ほぼ同じだったのが 14。切り換えできなかったのが 7 であった。
左図はMMANAでの仰角20度方向の指向性と、X軸方向の垂直面指向性のシミュレーション結果比較である。
今回の実験に相当するのは、type-1(緑 南北展張のローディング)とtype-2(青 東西展張のフルサイズ)だ。このシミュレーション結果では、フロント(X軸)方向のゲインはほぼ同じだ。
ただし、この値は水平垂直の両偏波を合算したものなので、フロント方向からほとんど垂直偏波の信号が来たら、南北展張のtype-1が勝ち、東西展張のtype-2は負けてしまうという局面もあり得る。
さて、3年前の組み合わせは type-1b(黄 東西展張のローディング)とtype-2b(赤 南北展張のフルサイズ)だったわけだが、このときは 南北展張のフルサイズである type-2bの全勝であった。シミュレーションでも相当の差があるのが判る。
結論としては・・やはりフルサイズ最強・・なのはいいとして、移動用の低地上高逆Vは ・・東西ではなく 南北に展張するのが良い・・いや、これは北東北からみた場合なので・・やはり 展張方向にビームが出る・・ として良いのではなかろうか。
それを検証するため、完全に同じフルサイズ逆Vを直交設置して・・という実験ができるのは はたして いつになるのであろうか・・・??
それにしても・・ふたつの1.9MHz用アンテナを巻き取って撤収するのに小一時間かかってしまった。設営時は日没前で気楽だったが、撤収時はもちろん日没後。周囲は原野で照明も無く、かなり消耗した。ただ、虫に刺されなかったのは幸いであった。*2