ZCR/bLOG


[Radio] ALL秋田test 2011

2011年11月25日 20時 更新

第25回オール秋田コンテストである。

  • コンテスト時間帯 9月10日(土)21:00~23:00 9月11日(日)06:00~12:00
  • 県外局のコンテストナンバ:RS(T)+都府県支庁番号
  • 同一バンドでも電信と電話で1回ずつ得点を計上可
  • 異なる2種目への参加可。種目ごとに別地点からのQRV可。

能代市(NS)からのQRVは確定だが、移動できるかどうかは未確定

PN90XEに移動し1.9MHzにQRV。23時に一旦撤収して帰宅する方向で検討中
2日目の予定は未検討検討中・・というか、もう、行き当たりばったり(^^;)。


・・というわけで、今年のオール秋田は、移動で参加できるかどうかがカギだった。
もちろん、常置場所の自宅シャックからのQRV自体は可能だった。しかしながら、昨年は自宅からの参加で電波の飛び具合が悪く 脳内麻薬の放出もイマイチだった。そのため、今年はぜひとも移動運用で参加したかったのである。

移動運用に「待った」をかける要因としては、「家庭の事情」があった。
だが、このオール秋田コンテストは21時~23時が第1幕で、第2幕は翌朝の06時~正午というスケジュールとなっている。
毎年、「なんだこのやる気を削ぐ時間割は!」・・などとぶつぶつ文句をたれていたわけだが、これが今回は幸いした。つまり、23時にいったん店を閉めて即帰宅し、翌朝06時に再度出かけて開店すれば なんとか一件落着なのである。すごく面倒いけど、それができなくてなんの地元ロカコン/オール秋田であろうか。*1

それに、今回はコンテストだけでなく、広い移動地を使って実験したいこともあった。



今回の移動地は、とにかく能代市内の近場で広い場所。できれば海のそば・・ということで、当初は「能代宇宙イベント」の会場となった能代宇宙広場(秋田県浅内第三鉱さい堆積場)を考えていた。だが、この場所は県有地であり、下見に行ったらいちおう立入禁止になっていた。
このため、付近をウロウロしたところ、JAXA能代ロケット実験場の南側近傍に使えそうな場所を発見。GL:PN90XEである。ここは釣り人もけっこう多く、アンテナ設営には気をつける必要がある。クルマから防波堤までは30m未満であり、ちょっとこわい。*2


フルサイズ逆V+ローディング逆V。給電点地上高:9.3m

さて、左図が今回のアンテナだ。これはMMANAの表示画像(アンテナ形状)である。
ちょっと見、判りにくいかもしれないが、ようするに南南西~北北東に展開したフルサイズ逆Vにローディング(3.5トラップ)逆Vをほぼ直交させた*3になっている。

今回は、単純にこのふたつのアンテナを切り換えて信号強度を比較してみようという目論見である。
切り換えのほか、合成して円偏波というのも考えてみたが、そこまで準備する余裕はなかった(^^;)。


アンテナ設営完了したら もう暗くなってたので、残念ながら このアンテナの写真は無い。

さて、比較実験はアンテナ設営後の19時頃から1.9MHzで実施してみた。この時間帯は 3~5エリアの局がよく入感していた。

その結果、聞こえてきたすべての局について、フルサイズの方が Sメータの振れが5~6程度良好であった。
東西展開のローディング逆Vで S3~S4の信号が、南北展開のフルサイズ逆Vでは S9になったのである。

比較的近距離の山形県の局の場合、ふたつのアンテナの差は縮まり、ローディング逆Vで S6、フルサイズ逆Vで S9であった。

Sメータの 1目盛って何dBだっけ? 1目盛 6dBというハナシもあるが、6目盛も違うなら36dBで、ちょっとスゴイ話になってしまうのだけれど・・1目盛3dBとしても、まだスゴイ。*4

ホントは、フルサイズとローディング*5という比較ではなく、垂直偏波成分と水平偏波成分の指向性の違い*6による信号強度比較*7というものをやってみたかったのだが、とりあえずは、すぐできることからやってみるか・・ということで・・本命の実験は後日のお楽しみとしたい。*8



前述の受信実験のあと、10MHzを聞くと、20時になろうとしているにもかかわらず、良い具合に入感している。ここでCQ局を呼んで久々に通常(ラバスタ)QSO。その後、なんか呼ばれたのでUP5を打ってCQを出し、十数局RUNできた。

アンテナは、ほかに145/430*9と50のホイップを用意したが、50の方は同軸ケーブルが断線*10し、QRVできなくなってしまった。



例によって前置きが長くなってしまった。ここからがようやくコンテスト本番。21時である。
この時点では、HFハイバンドのアンテナは上げておらず、QRVできるのは1.9/3.5のみだ。

まずは、1.9MHzCW。一局目とQSO中にZLOG用PCの電源が落ち、かなりアセった。シガーライタ・プラグがガタついていたようだ。*11

気を取り直してCQを出し、いちおうRUNに入るが、コンテストらしかったのは最初の20分間だけ・・かな?
だんだん疎らになっていき、20:45あたりにはQSOレートがかなり落ちてきてしまっていた。この辺から裏でS&Pし、乗り込み局の 7M3QQP/7 を発見してQSO。某局 JE8KGH/7 は宮城だと思ったら乗り込みだった。ライバルはこの2局か?

22時台になると、かなり空振りが目立つようになった。また、空電も激しく、QRNN*12 NR? をかなり打ってしまった。

あまりのヒマさに、よっぽど3.5に上がろうかと思案した・・が、乗り込み局たちは1.9シングルとしか思えぬし、ここは辛抱じゃ・・と、こちらも意地を張ってみた。

23時、第一幕終了。
宮城のマルチがない。どーなっておるのだ。06時台になんとかなるのか!? エリアでは 5がない。いつもながら、県内マルチ少ない。ノイズもひどかったし、今年はCONDXイマイチ?

とかなんとか分析してるヒマはない。速攻でアンテナ畳んで撤収である。ロウバンド用2本巻き取るのはさすがに速攻とはいかなかったが、結果的には頑張って帰宅してよかった。

このブログに少し書き込みをし、02時前就寝。


翌朝は、04時30分起床。お茶漬けかっ喰らって05時出発。*13

2日目も、まったく同じ場所で再度開店・・ということになったが、1.9はどうする? 例年どおりであれば、数局はQSOできるはず。しかし、再度1.9のアンテナを上げるのか?

けっきょく、06時台に1.9で出ないということは、早々と負けを認めることであり、乗り込み局にも失礼である・・とかなんとか自己中な理由で(^^;)再度1.9のフルサイズ逆Vを上げることにした。
3.5用のアンテナは上げず、けっきょく3.5は受信のみで電波は出さずに終わった。


能代市 PN90XE 205度方向。左から風力発電の風車群、寒風山、男鹿本山/真山。画像データいじってあるので白いクルマがミニカーみたいに見える(^^;)

06時ジャストからCQ開始。
一昨年 一昨昨年と、06時台は 2QSOできているので、とりあえず今年も06:30までに 2QSOすることを目標にした。
したっけ、なんと 4QSOもできてしまい、とれてなかった宮城のマルチもゲットできた。えがった。

なお、06:30を過ぎてからの1.9MHzのQSOは、ALL秋田に限らずJA7KPIの過去QSOデータには存在せず、今年も06:30をもって1.9MHzの運用を終了させていただいた。

即、1.9用逆Vを降ろし、ハイバンド用のトラップDPを上げる。


07時ジャストから、14MHzCWでCQ開始するも、まったく呼ばれず。
なにやらDXなコンテスト参加局のCQがうたかたのように浮かび上がっては消えていく。

このため、当方を呼んでいるのか、DXを呼んでいるのか判然としない局面もあった。また、当初は14.0505でCQ出していたが、DXのQRMのため、.0515 →.0525 →.0535 →.0540 と QSYを余儀なくされ、空振りが続くこととなってしまったのである。


能代市 PN90XE 背景左から能代火力発電所煙突、白神岳、右はJAXA能代ロケット実験場の施設。アンテナは9/11朝に上げ直したもの。ロウバンドのアンテナ写真は、残念ながら無い。

ポツリポツリと呼ばれ出したのは 07:20頃からで、1時間後の08:20頃になって ようやくRUN状態となった。とはいっても、パイルにはほど遠く、ちょくちょく21/28MHzの偵察ができるほどであった。

09時~10時台は21MHzで5QSOできたものの、本命14MHzについては伸び悩んだ。しかし11時台は 1エリア数が伸びてくれたおかげで面目を保つことができた・・かも。

なお、28MHzについては、ついに1局も聞こえず、ゼロ交信に終わった。
また、呼んでいただけたのは良いが、コンテストナンバが不明で、NR? とか、さらに PSE KEN NR? とか打っても通じなかった局がおられた。もちろん、これはコンテストにおけるQSOとしてはカウントしていない。


band/area1 2 3 4 5 6 7 890QSOs
1.9 1113 9 4 211331 57
10 6 1 4 2 3 1 17
14 191718 7 5 9 4232 86
21 1 3 1 5
total 36323413 51515663165

・・と、いうことで、コンテスト外QSOを含めた今回の能代市/PN90XE移動の出来高は、左のTABLEのとおり。
市内移動としては、まあ、良い方なのかもしれぬ。

残念なのは、50MHzに出られなかったこと。今年は、50MHzのQSO数がまったく伸びず、トータルQSO数も例年に比して大幅ダウンしている。まこと、50だけで100QSO超えた昔が懐かしい。(^^;)

最後に、ZLOGの吐いたデータ*14を貼り付けておく。14MHzにSSBでのQSO*15がひとつだけあるが、残りは全部CW。
ログ/サマリのデッドラインは、10月7日(金)である。

<タイムチャート>

    | 21 22 06 07 08 09 10 11|合計
----+------------------------+----
 1.9| 38 15  4  -  -  -  -  -|  57
  14|  -  -  -  7 22 18 12 26|  85
  21|  -  -  -  -  -  3  2  -|   5
----+------------------------+----
合計| 38 15  4  7 22 21 14 26| 147
累計|       57      107      |
<時間およびエリアごとの交信局数>

[1.9 MHz]
         1     2     3     4     5     6     7     8     9     0     合計    累積
 [21]    5    10     9     1     -     2     6     2     2     1     38      38
 [22]    5     3     -     3     -     -     2     1     1     -     15      53
 [06]    1     -     -     -     -     -     3     -     -     -      4      57
Total   11    13     9     4     -     2    11     3     3     1     57

[14 MHz]
         1     2     3     4     5     6     7     8     9     0     合計    累積
 [07]    -     -     1     -     1     3     1     1     -     -      7       7
 [08]    -     7    11     1     1     2     -     -     -     -     22      29
 [09]    2     6     3     -     1     1     2     1     1     1     18      47
 [10]    5     -     -     2     1     3     1     -     -     -     12      59
 [11]   12     4     3     3     1     -     -     -     2     1     26      85
Total   19    17    18     6     5     9     4     2     3     2     85

[21 MHz]
         1     2     3     4     5     6     7     8     9     0     合計    累積
 [09]    -     1     2     -     -     -     -     -     -     -      3       3
 [10]    -     -     1     -     -     1     -     -     -     -      2       5
Total    -     1     3     -     -     1     -     -     -     -      5
<とれたマルチ>

[1.9 MHz]
 AK YT YH KG MT 106 108 03 05 06 07 09 10 11 12 13 14 16 18 19 20 22 24 25 26 27 28 30 31 32 34 46 47

[14 MHz]
 AK KG MT 105 106 05 09 10 11 12 13 14 16 18 19 20 22 23 24 25 26 27 28 29 30 34 35 38 39 40 42 43 44 46

[21 MHz]
 20 24 25 26 42


*1 しかし、この解を導き出したのは開催当日になってからである。まったくもって優柔不断。すみません。

*2 気象情報とかは、しっかりチェック済みであったが・・・

*3 設置場所の制限により、完全には直交していない。80度くらいか?

*4 IC-756proIIIには、アンテナ切替機能があり、実験ではこのRigを使用した。また、あらためて実験してみたところ、1目盛はほぼ3dBであることが判った。ということは、5目盛分とみて両アンテナの差は ざっくり15dBということになる。ちなみに、TS-850での1目盛は、ほぼ6dBのようである。

*5 ローディング・アンテナの方には、コイルの損失等による利得低下が付きまとうはず。

*6 水平偏波成分は、エレメント展開の直角方向に、垂直偏波成分はエレメント展開方向に出る。

*7 同一のフルサイズ逆Vを直交させての比較。今回のように異なるアンテナならば、z軸で90度回転させた位置での比較も。

*8 どなたか先に実験できたなら、結果についてご教示いただければ幸いである。

*9 CQコンテスト出してるのは、UIT局くらいのものだったか? (呼ばなくて ご免なさい) 8(松前)の局がCQコンテスト叫んでいたが、JARL渡島桧山支部コンテストのようである。

*10 よくある細目のもの・・これがよく切れるんだ。

*11 PCはこの後 もう一度落ちたものの、その後は安定化した。

*12 きわめてヒドイ空電ノイズ・・という意味で使ってる。本来は人工雑音のこと・・とのサイトもあるが、不明。

*13 日の出は、05:16。

*14 後で追加するのも面倒いので、当初からマルチを含めた主なデータを曝しておくこととする。

*15 その場でのリクに応えてみた。

Tada/JA7KPI : 2011年09月10日(土)
コメント(6) [コメントを投稿する]
je8kgh/7 2011年09月11日(日) 20時

コンテストでは度々お世話になっています。<br>ブログは度々拝見しておりましたが、書き込みは今回が初めてでした。今後ともよろしくお願いします。<br>某局?とは自分の事かな?と勝手に解釈しておりますが、チョットした成り行きで乗り込み参加となってしまいました。m(_ _)m<br>1.9MHzではKPI局の信号は強力に入感しておりましたが、全般を通してノイズレベルが高く苦戦しました^^;

JI7OED 2011年09月12日(月) 06時

お疲れ様でした。<br>出ていたバンドが違っていたので、詳細楽しみにしています。<br>7メガでは宮城と多数QSO、県内マルチも多数でした。

JA7KPI 2011年09月14日(水) 23時

>某局?とは自分の事かな?<br>KGHさん、ビンゴです。名乗りがあったので、本文にコールサインを追加しておきました。よろしくです。<br>1.9のノイズには本当にまいりましたね。<br>OEDさん、マルチだと思っていたので、なんで聞こえてこないのか不安でした(^^;)。

JA7KPI 2011年11月21日(月) 22時

結果発表がありました。<br>http://www8.plala.or.jp/jariakita/99_blank005.html<br>1.9は なんとか V奪回できました。朝のQRVが無ければ微妙だったわけで、やはり全力出して正解でした。<br>14は 勝てると思ってなかったのですが・・みなさん ありがとうございました。<br>返す返すも、50MHzQRVできなかったのが悔やまれる・・・ま、いろんな事情があるわけでして・・(-_-;)

je8kgh/7 2011年11月22日(火) 00時

1.9&14でVおめでとうございます!<br>私は力及ばずでした^^; 来年も宜しくです^^

ja7kpi 2011年11月25日(金) 20時

kghさん、あの状況でここまで迫ってくるとは・・さすがです。(^^;)


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