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[Misc] 石油ストーブの不具合

2011年03月27日 20時 更新

自室の石油ストーブの具合が悪くなってしまった。

E-05」というエラー・コードを吐いて止まってしまうのだ。
というか、いったん着火するのだが、しばらくして火勢が落ち、そのうち止まってしまって、結果的に「E-05」となる。

で、「E-05」とは何だ? ということになるのだが、取説によれば「途中で火が消えたとき」・・となっている。
いや、そんなことは火を見るよりも明らかだ。

「処置の方法」の欄には「送油バルブが閉じられていないか」「ゴムホースに空気だまりはないか」「定油面器のリセットボタンは押してあるか」・・とか書いてある。
もちろんバルブは開いているし、ゴムホースもさんざん揺さぶってみたし、リセットボタンはしっかり押したのである。


モノは何かというと、サンポットの FF-54TSという型で、2002年製造と表示がある。*1

この手のポット式ストーブでは、燃焼室の灯油の入り口が詰まってしまうことがよくあり、2年に1回ほどはバラして配管をお掃除*2しなければならない。今回もこれではないかと高をくくっていた。

しかし、バラしてみると、少し汚れてはいるものの、詰まっているというほどではない。

灯油の流れは、オイルサーバ→手動バルブ→ゴムホース→電磁弁→定油面器→電磁ポンプ→銅パイプ→燃焼室・・となっており、一連のルートをチェックしてみることとした。


オイルサーバからホースを外し、手動バルブを開けると、灯油が流れ落ちてくる。→正常である。

ホースを完全に外し、息を吹き込んでみる。まったくスムース→正常である。

電磁弁は、電源ONとともに電圧がかかり、ガチッと音がして作動しているように見える。
定油面器のフタを開け、中の灯油を少し抜き取った状態で電源ONすると、弁が開いて定油面器に灯油が満たされる。→これも正常だろう。*3

電磁ポンプはといえば、はっきりいうと、どんな理屈で動くものなのかさっぱり判らない。ただ、当初は正常に動いていることは確かだ。
端子電圧をアナログテスタで当たってみると、どうも脈流のようだ。もしかして、PWMになっているのか。*4

危険を承知で正常動作中に銅パイプを外してみた。もちろん灯油がピュッピュッと送られてくる。

銅パイプをチェック→正常である。燃焼室入り口も→正常である・・ということになると、やはり一番怪しいのは電磁ポンプ・・なのである。


FF-54TSのメイン基板

電磁ポンプの端子電圧に着目してみると、電源ONからすぐにポンプに電圧がかかって作動開始。2分10秒で着火を目視確認、6分30秒で定常燃焼に入るものの、9分30秒で電磁ポンプの端子電圧がゼロになってしまう。
つまり、ポンプが止まってしまうので燃焼室に灯油が行かず、火が消えてしまうのだ。*5

電磁ポンプの配線を辿ると、「電磁ポンプ基板」に行き着く。
メインの制御用基板からは、赤AC100V、黒コモン、もう1本が白という3本の配線がある。基板の中身は、大型の電解コンデンサ(47μF/250V)と、どうもSCR(サイリスタ)らしい半導体が3個・・SCRは・・使ったこと無いし、さっぱり判らない。とりあえずコンデンサの容量は正常っぽい。

メイン基板から電磁ポンプ基板への配線のうち、白の線には電磁ポンプ制御用の信号が重畳されているはずで、ここの電圧をアナログテスタで測ると15V前後に若干ふるえている。*6
だが、ポンプ動作が停止した状態では、一定電圧に落ち着いてしまう。

てえことは、メイン基板からの信号がおかしいのでは??


そこで、メイン基板から配線を全部外し、基板自体をストーブから取り出してじっくり観察。

小型の電解コンデンサが使われているが、チェックしたところ、容量抜けはないもよう。しかし、ホコリがけっこう溜まっている。これを念入りに除去。
基板裏の銅箔面もチェック・・・すると、件の電磁ポンプ基板行きの白の電線へと続くパタンのハンダが・・イモハンダ!?
一流メーカ製なのに、なんだこりゃ!!
で、再度ハンダづけする。念のため、このパタンへ続くラインのハンダもコテで暖め直してみた。

基板を元に戻して電源ONして・・・15分経っても・・30分・・おお、1時間経っても消火しない。故障が直った!!


というわけで、今回もはっきりした原因が判らないまま、いちおうストーブとしては正常動作に戻ってしまったのである。

こんなことではいけないんだけどなぁ・・・ま、いっか。*7


*1 9年も使っている・・・大丈夫か??

*2 ドライバやら、丸ヤスリでゴリゴリ。

*3 ちなみに、定油面器のリセットボタンとは、磁石にくっついたフロートを押して磁石から引っ剥がす・・だけの機構のようである。

*4 Pulse Width Modulation・・機械制御でも Modulationというのかどうかは判らないが。

*5 ところで、件の「E-05」というエラーは、どのように判断しているのだろうか。定油面器等には特にセンサは取り付けられていない。もしかして、燃焼室の温度をチェックしているのか? 燃焼室には熱電対のセンサがある。電源入って、温度上がって、電源ONの状態で燃焼室の温度がやたら下がって一定時間経ったら「E-05」と判断するのかな?

*6 シンクロスコープ・・などというものがあればなぁ・・今はPCで できるっけ??

*7 実は よくないのである。皆様は、決して自分で分解/修理しようとは試みず、販売店等へ修理をご依頼ください。

Tada/JA7KPI : 2011年03月26日(土)

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