ZCR/bLOG


[Radio] TS850 受信音異状

2011年08月03日 00時 更新

さいきん、Kenwood TS850の音がなんかノイズっぽくなって来て気になっていた。
完全に歪んでいるというわけではないが、もしかして歪んでいるのかもしれない。(^^;)

AMやFMの音は悪くない。SSB/CWの音が変なのだ。とりあえず了解度には影響がないレベルなのだが、聞いててちょっと疲れる音になってしまっている。

TS850 CARユニット周り

で、プロダクト検波用のリニアIC、μpc1137HA*1がおかしいのではないかと疑ってみた。
しかし、このICはもう入手困難のようだ。こいつが原因だったら回路自体を改造しなければならないが、目視では何事もないように見える。

ま、ここまではよかったのだが、電源ONのまま昼飯してシャックに戻ったら、ノイズだらけになってしまっていた。
CWのトーンが聞こえず、個々のビート音が完全にノイズに変貌してしまっているのだ。SSBを聞いてみると、オカルトっぽい恐怖系の音声処理をかけたようになっていてかろうじて人間の声だと判る程度である。

ウジウジ悩んでいたが、CARユニット周り(筐体の左側)が異常に発熱していることに気づいた。

このユニットには、DDSの LSI (66312)が4個載っている*2
このLSIから455KHzの局発(BFO)信号がμpc1137HAに送られているわけで、この信号のC/Nが悪いと復調音にも影響することになるはずだ。
これは、もう、やるしかない。

バラして見てみると、4個のLSIの足にはまるで放電したようにカーボンのようなものが付着している。まさかホントに放電したわけではないと思うが、とりあえず綿棒でスス(?)を除去。ついでに基板表面もお掃除。

DDS LSI 66312 (IC4 455kHz担当) 掃除後

けっきょく、実施したのは お掃除のみなのだが、これで発熱もノイズっぽい受信音も解消してしまった。*3

やはり、ススが悪さをしていたのだろうか。いままでは、さすがにCARユニットの中身までは掃除していなかったのだが、長年のホコリが炭化して半分ショートの状態になってしまっていたのか・・??

この状態でCN6*4のCAR端子の455KHzのレベルを測ってみたら、約30mVとなっていた。この端子にコンデンサを抱かせてレベルを落としてみたが、症状は出ない。単にレベル低下しただけではなく、やはりC/N由来の不具合なのか。*5


さて、本日は朝9時のVO-52が沖縄県島尻郡北大東村の最後の衛星QSOチャンス。

実は、昨日のFO、そして2度のVOでもパイルアップに参戦してNGだったのだ。
最初はUp周波数が435.260MHzとアタリをつけていたが、思い直して全周波数探索に切り替えたところ、435.285あたり*6JI5RPT*7/6を発見。ギリギリでなんとかQSO。

HFでは、昼前に18MHzでも捕まえ、3.5~18MHz+SATのCWで北大東島をゲットできたのであった。*8

また、お昼までは第32回オール宮城コンテストも開催されていたが、支援で数局とQSOしたのみ(1.9~7MHz)だった。*9


2011.7.10 追記:

さいきんになって、再び受信音がノイズっぽくなるようになった。常時ではなく、バラしてみて再び組み上げると治ってたりするので原因がつかめない。

問題のCARユニットについては、デカップリング用と思われる10μFの電解コンデンサ C25とC27が容量抜け*10していることが判明した。しかし、コンデンサ交換後も症状が出ているので、これが原因ではない。

ちょっと強引だが、ヘアドライヤでCARユニットを暖めてみた。
そしたら、ほどなくノイズが乗り始め完全に歪んだかと思ったら、受信不能となった。幸い、電源切って時間をおけば元に戻る。

プロダクト検波用のリニアICの方は、暖めてみてもしっかり動き続けていたので、リニアICは おそらくシロだ。

しかし、受信不能状態でDDSの出力をチェックすると、いちおう正常っぽい。止まっているのはPLLユニットのVCO2*11の出力のようだ。PLLユニットはCARユニットの真下に位置しているので、CARユニットを暖めるとPLLユニットにも影響が出るのか。
しかし、このVCO2については、回路図では空白になっていて、詳細不明なのである。困ったものだ。

うーむ、わからん。FT-726もイマイチ調子悪いし、これはやはり寿命を迎えた850と726をポイして IC-9100でも買えという高次存在(^^;)のお告げなのか。


2011.7.16 追記:

今朝、長時間電断状態で電源ONしたら、既に歪んでいた。室温は30度を超えている。

このまま電源ONで受信しているとどうなるか・・と、しばらく放置しておいたところ、なんと、受信不能に。

バラして調べてみると、やはりPLLユニットのVCO2出力が出ていない。他の局発出力は正常に見える。
VCO2の回路図は空白で詳細がわからないと書いたが、実は一か所だけVCOについて調節可能なものがある。そう、VCOにはよくあるトリマだ。このトリマをちょっち動かしてみた。

したっけ、いきなり受信可能になったのである。ありがたいことに、受信音の歪みも解消。
これだけだと納得できないので、トリマを元の位置に戻してみたら、再び受信不能になり、あわてて元に戻す。

ということは、けっきょく経年変化でトリマの容量*12が変化してPLL出力のC/Nがひどくなることでレシプロカル・ミキシングになってたり、LOCKが外れて停止したり、おかしなことになっていたのか。
とりあえず高次存在のお告げは置いといて、しばらく様子見だ。


2011.7.31 追記:

様子見していたわけだが、電源ONで既にノイズ化してたり、時間とともにじょじょにノイズ化したりでやはり不安定であった。

ところが、PLLユニット VCO2の電源供給部のデカップリング用コンデンサであるC129(アルミ電解) 100μF/16V に同じコンデンサをパラにハンダづけしたところ、ノイズ化は解消。

3日間程度のテスト稼働で、電源ON時も長時間受信時も不具合は発生していない。

ということは、C129の容量抜けなのか・・・それと、電源ラインにノイズが乗っているということ? 寄生発振とか?


2011.8.2 追記:

やはり気になったので、治ったはずのPLLユニットを再度バラして C129の容量をチェックしたら・・抜けてないんだよ。正常なんだよ。(^^;)

ということは・・普通に0.01μFあたりのパスコンを 3端子レギュレータ*13~電源ラインに追加。
とりあえず直ってる状態だし、これで、いちおう収束ということにしよう。


*1 取説のブロックダイヤグラムでは、μpdとなっているが、ンなわきゃねーだろ。

*2 これらのDDS用LSIも入手困難のようである。

*3 ウソのような話だがホントだから困っちゃう(^^;)。バラして単に組み直したら元に戻った・・てぇのと大して違わないレベル。実際あるのだよ。

*4 回路図では、CN7となっている。いまさらだが、これもミスプリだろう。

*5 ここではもちろん BERは関係ない (^^;) 何のハナシなのよ。

*6 つまり かなり低い受信周波数。やはりキメ打ちに頼るのは禁物である。

*7 珍しい IOTA(SHIMA)専門移動屋さん。いつもおせわになっております。

*8 1.9MHzでは気配のみしか判らなかった。やはり沖縄は遠い。18MHzの後、21~28MHzを探索してみたが見つけられなかった。もっとも、TS850バラした後なのでそれなりの時間が経過していたわけだが・・

*9 16日は14MHzでも数局入感していたが、呼べと叫べど届かなかった。(T_T)

*10 C25→6μF。C27→0.07μF。

*11 1st IF 73.05MHzから2nd IF 8.83MHzへ変換するための64.22MHz。DDS ICは使われていない。

*12 あるいは半導体を含めた回路自体の容量

*13 78DL09P(9V用)。大昔はパスコン必須といわれていた・・あ、買ったのは もう大昔か。

Tada/JA7KPI : 2011年01月16日(日)
コメント(3) [コメントを投稿する]
JI7OED 2011年01月17日(月) 20時

1.9支援ありがとうございました。<br>3.5も出ていたとか。寒さで?飛んでいなかった模様。<br>14で聞こえていた、ってことはないでしょうね。

JA7KPI 2011年01月17日(月) 21時

OEDさん、MGではいちおう3.5/7でも探したんですよ。でも見つけられなかったです。<br>1.9/3.5/7の3バンドQSOの局はなぜか1局もいませんでした。1.9/3.5とか1.9/7はありました。<br>14は、大電力+それなりANTの固定局のみで、移動局は見つかりませんでした。

JI7RVJ 鈴木 2011年01月19日(水) 10時

お世話様でした。<br>せっかく名取市(0607)へ移動したんですが、31局しかQSO出来ず3.5MHzに出た方が良かったかと反省してます。<br>秋田局は全く聞こえませんでした。<br>春よ来い早く来いのJI7RVJです。


«FSK441 50.441 最新 成二くん、安らかに»
編集