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[Radio][SF] ふたご座流星群/HRO

2010年12月26日 22時 更新

12月14日はふたご座流星群の極大日であった。

極大の時刻は、午後8時頃といわれていたが、いろいろあって準備が遅れ、53.750MHzの福井ビーコン*1の受信開始が23時頃、HROFFTで記録できたのは真夜中を過ぎてからだ。

Geminids HROFFT画像 2010/12/15 06:00

右の画像は、HROFFTの出力画像*2
Receiver:の欄、周波数が53.7498MHzになっているが、当方のFT-655は周波数が200Hzずれてることが発覚*3したので、実は53.750ジャストを受信している。ということは、ビート音は800Hz*4で聞こえるということだ。*5

また、モードはCW。このときは帯域幅=600Hzで受信*6。パケット通信用のデータOUT端子から信号を取り出しPCへ入力。PCのサウンドボードでのAFゲインは約20dBとした。

肝心のエコーだが、ここには比較的長いやつを載せている。
でも、ふたご座流星群は、数は多いがエコーは短い。12/15の00時あたりの画像を見ると、かなりのエコーが見受けられるものの、ほとんどがPing信号であり、これを使って流星反射(散乱)通信するのはキビしいような気がする。

しかしながら、20秒程度持続するものも複数回出現しているので、運が良ければ交信成立もあり得るだろう。*7

今回は、福井ビーコン受信のみだったが、次回はWSJT(FSK441)*8での交信を目指してみたい。1/4 早朝のしぶんぎ座流星群*9かな。*10


2010.12.17 追記:

Geminids HROFFT画像 2010/12/17 00:50

極大からまる2日以上経過して、今はこんな感じ。

なお、ビート音が750Hzあたりになるように、また、Narrow機能*11ONの帯域幅=300Hzで受信している。

かなり静かだが、それでも10分間に2個飛んでいる。もっとも、ふたご座群とは限らないし、散在流星の可能性もある。

ところで、衛星通信などをやっていると、流星群の輻射点の仰角が高いほど電波の受かりが良いなどと勘違いし易いのだが、実は、輻射点が高くなるとエコーは減少する。

この現象は「天頂効果」と呼ばれている。詳しくはリンク先をご覧あれ。目からウロコだよ。

もちろん、流星群によっては輻射点が上がらず、天頂効果があまりない流星群もあるわけだが、ふたご座群は仰角80度を超えるため、天頂効果が顕著な流星群として知られている。



2010.12.19 追記:

通常のEsでは、福井よりも宮崎のビーコン*12の方が入感頻度が圧倒的に高い。それで、50.0174MHzでHROをやってみたわけだが、これがさっぱり入感しない。半日やってみてゼロだったのである。さては停波中か・・と思ったら、50MHzリアルタイム情報にはしっかりRPTされてる。*13

さては流星群の活動が打ち止めになったのだな・・と、再び福井を受信してみると、少なく弱くなっているのは確かなのだが、こちらは まだしぶとく受信できるのである。・・・こ、これはいったい???・・・打ち上げ角と輻射点高度の関係か。

あと、本筋とは関係ない話だが、FT-655の周波数ドリフトが気になっている。・・まぁ、数十Hzオーダーなのだけれど。

Geminids HROFFT画像 2010/12/19 23:10

さて、HRO用ビーコンについては、福井だけじゃなく、28.208MHzの電波が長野から出ている*14ということで、聞いてみた・・のだが、ふたご座も極大日を5日も過ぎている*15し、これがなかなか聞こえなかった。
うーむ。たぶん停波しちゃったんじゃないかなぁ・・と思いつつ、だらだらと受信を続けていた。(^^;)

で、ようやく検出したつもり・・なのが右の画像である。*16

おぉ、けっこう長いぞ。信号も強力*17だし。まあ、使えるかも。



2010.12.23 おまけ:

Ursids HROFFT画像 2010/12/23 01:20

ふたご座群の極大日から1週間以上過ぎて、現在はこぐま座流星群の活動期間に入っている。極大は12月23日の05時JST・・のはず。

右の画像は、非常に強力かつ長いエコーである。この群でこんなに長いのにお目にかかれるとは思っていなかった。

もしかしてふたご座群の残滓なのでは?・・とも考えたが、記録された時間帯は、ふたご座はほぼ天頂にあり、前述のとおり天頂効果によってその信号強度は極端に落ちるはず。
一方、こぐま座はさすがに北極星近傍に位置しているだけあって、天頂効果の影響はあまり無いはず*18。というわけで、このエコーは、こぐま座群のものであるとしていいだろう。

しかしながら、出現頻度が低いとアマチュア無線での交信はちょっと難しいな。


*1 JA9YDB/鯖江市。天頂向け2elクロス八木。高打ち上げ角。

*2 いまさらだが、「Ovserver」は「Observer」の誤り。(^^;)

*3 その後、ズレを100Hz未満にした・・つもり。

*4 後で調べてみたら、FT655では700Hzで聞こえるのが正常のハズ(SSBとCWのオフセットもサイドトーンも700Hz)なので、もともとのJA9YDBの送信周波数が100Hz(80Hzくらい?)ずれているのではないだろうか??

*5 画像の0606前後の縦スジは、おそらく雪雑音。しかし、なんで周期的に断続しているのだろう??

*6 FT655のCWフィルタは幅600Hzなのである。

*7 今回は、00時過ぎから08時頃まで受信を続けデータを取った。なお、ふたご座が沈むのは午前9時過ぎである。

*8 ソフトDownloadしたもののイマイチ使い方判らん(^^;)。とりあえず14.076MHz/USBを聞けばいいのか? RTTY/PSKは簡単にできたけど・・

*9 極大は午前10時だが、仕事始めなので・・。なお「しぶんぎ座」という星座は現在は存在しないが、流星群の名称としては残っている。輻射点は、うしかい座とりゅう座の中間付近。

*10 輻射点は1/3の21:30JSTあたりから上り始め、翌朝1/4の08:00頃にほぼ天頂に達する。流星反射通信としては天頂効果の時間帯である1/4朝はあまり期待できず、21:30~03:00あたりが狙い目ではないかと考えている次第。

*11 IF shift+IF widthによるもの。

*12 JA6YBR/宮崎市。ターンスタイル・ヘンテナ。低打ち上げ角。

*13 ただし受信地は北海道。

*14 JR0YAN/安曇野市。水平ループ。高打ち上げ角。

*15 とはいっても、ふたご座群の活動期間は極大日±1週間程度なので、まだなんとかなるのである。

*16 当方のTS-850のCWフィルタは、500Hz。

*17 赤だと強力みたい。

*18 しかも沈まない。

Tada/JA7KPI : 2010年12月15日(水)

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