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[Radio] 2SK779

2009年05月23日 12時 更新

衛星FO-29などへのQRVで430MHz帯での受信感度がイマイチであることが気になっていたところに、Netで 2SK779の特価販売を発見。

もしかしてプリアンプ*1に使えるかな・・と、さっそく サトー電気に発注した。

430MHz Pre-Amp. with Parallel 2SK779

2SK779は、ひと頃よく使われた2SK571とよく似ている石だが、2SK571がNF=2.0dB/8GHzなのに対してNF=1.3dB/12GHzと性能がよい。

形状は、ソースのリードが少し太め。ナナメに欠けているリードがゲート*2なのだが、これをドレインだと間違って記憶していたため、焦ることになってしまった。(^^;)しかし、それでも壊れないのは見事である。

使い方は、この手のFETでは共通の Vds=3V Id=10mAである。以前使っていた石とそのまま交換が利くとは限らないわけだが、とりあえず、交換してみた。

いちおう動いているが、調整用ドライバでトリマに触っただけでゲインが変動。こりゃ、どうみても自己発振している。そこで・・というわけではないが、同じ2SK779をパラレルにハンダづけしてみたら、自己発振は治まった。

実は今回は、最初から2SK779のパラレルを試すつもりだった。ゲートまわりのインピーダンスが高すぎるのが不安定の原因という気がしていたので、それならパラにすればインピーダンスは半分になるから安定化するのでは・・と考えていたのである。

パラレルの状態でIdを測ってみたら、10mAであった。シングルならこれで良いのだがパラだからId=20mAでなければいけない。ソース抵抗に56ΩをパラにハンダづけしてId=20mAを確保。

以前と比べると、入力側トリマの調節は似たようなものだが、出力側トリマはかなりブロードになった。
また、ノイズ自体は、なんとなく静かになったような気がするが、ゲインについては目立った変化は無し。ま、測定器が無いのでこんな感じでお茶を濁すしかないが、悪くなっていないことは確かだ。(^_^;)

追記: 3パラも試してみたが、ゲインが2パラほどは とれず、また、出力側の同調も さらにブロードになった。
3パラでは、回路自体を設計しなおすことが必要と思われる。


おまけ:

オール九州コンテスト(11/21)は、気温が低いのに加えて風雨が強く、ちょっとした嵐という状況のため、アンテナ設営を断念。

11/23 休日出勤で体調悪化。晩飯後、どうにもならなくなって寝たら、夜中に熱が出て久々にワケの分からない夢を見る。
一晩寝たらいちおう熱は下がったが仕事ができる状態ではなく、家でおとなしくしていることにした。


145MHz Pre-Amp.

さらなるオマケ。2SK779使用の 145MHz用プリアンプ

ただし、2SK779自体は基板の裏にハンダづけされている*3ので、左の写真では隠れて見えない。

基板は、20年前くらい前に作った別のプリアンプの残骸*4を有効利用。と、いっても、入力部のコイル*5は、今回、新たに巻いたものだ。タップ位置を1Tにするとゲイン過剰気味になるので、2Tにした方がいいみたい。

出力側のコイルは、カーボニル鉄のトロイダルコア。当初、ドレインを タップにつないでいたが、これもゲイン過剰で、けっきょくホット側に。

回路図*6は、下図を参照のこと。

Circuit Diagram of 145MHz Pre-Amp. Diameter of Input-Coil is about 7mm. 2mm is diameter of its wire.

RsとRdは、Vds=3V Id=10mAになるように適宜選定のこと。
3端子レギュレータなどで、あらかじめVddを3+ちょいVまで落とした方が安心かも。*7

さて、使用感だが、まずゲインがありすぎる。出力側の同調回路は不要かも。*8(^^;)

S/N比の改善効果は確かにあり、かなり耳が良くなったように思える。・・のだが、盛大に振れるSメータ*9による催眠効果かもね。(^^;)
今度、DO-64の信号でも追って検証してみることにしよう。*10

追記: VO-52の受信も、少し楽になった。VO後のUKK局をGWで追っかけたが、一関市では断片的に聞こえるも届かず。登米市でようやく捕まえ・・たつもりなんだけど・・OKかな? (^^;)



2009.05.23 追記:

Modified 430MHz Pre-Amp. with Single 2SK779

アンテナ換えたのに、どうも435MHzでの耳が悪いということで、実際の衛星の信号を聞きながらプリアンプのON/OFFをやってみたら、あろうことか、OFFにした方が明らかに了解度が上がるのである。FMでも、OFFにした方がS/N比が良い。
もちろん、ONにすると、いちおう音はデカくなり、Sメータも盛大に振れる。
ノイズだけでSメータが振れている状態だが、ANTコネクタを外してもSメータの振れは変わらない!!

で、入力部のコイルを作り直したり、トリマをフィリップス・タイプのものに交換したりしてみたが、すべて空振り。
やはりFETか・・・と、パラってあるFETをとりあえず外してシングルにしたら・・あれ?死んでいる??

なんと、パラレルにしたFETの片方だけが死んでいたのである。おそらくそれが原因でノイズ発生器になってしまっていたのだろう。

けっきょく、FETは新品に交換し、回路もシングルに戻してしまった。

*1 最近は、「受信ブースタ」とは言わなくなったようだ(^^;)。代わりに、「LNA」とか、カッコ良く言ってんのかな??

*2 表示されている「T」のアタマがゲート。

*3 145MHz用は、パラレルじゃなく、シングル。

*4 それにしても、フィリップスもどきトリマのヨレヨレ具合が年月を感じさせることよのう・・・

*5 このバカでかいコイルのせいでプリアンプのRIG(FT726)本体への内蔵は到底不可能。外部接続の自作リニアアンプ内部に設置。

*6 R2mmというのは、コイルの銅線の直径。コイル自体の直径(内径)は、約7mmである。

*7 ツェナーダイオードを使う手もあるが、ダイオード自体のノイズを抑えられないことがあるので注意。

*8 BPF+アッテネータ・・が良いのだろうけれど、とりあえず、出力側の共振回路にRを抱かせてゲインを殺した。

*9 今のところ、カラSで 1ちょっと振れるように調節している。

*10 が、このところのDO-64は夜は完全に日陰で、まったく受信できないのだった(>_<)。バッテリ積んでない衛星はこれだから困る。

Tada/JA7KPI : 2008年11月23日(日)

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