ZCR/bLOG


[Radio] バラン失敗/鹿角郡小坂町

2008年09月07日 22時 更新

1:9バラン

ポリエステル被覆の1mmφ銅線を入手し、1:9(50Ω:450Ω)バランを巻き直してみた。

しかし高い周波数でのSWR悪化が激しく、とても実用にならないのだ。

大進無線のオリジナルは、0.6mmφのビニル被覆線の10回巻きで、60MHzまでSWR1.1だったわけだが、同じ巻数ではぜんぜんダメ。10MHz以上では1.5を超え、20MHz以上では2をも超えてしまう。
なお、巻線のZoは150Ωということになるらしいので、よじるというよりは、「少しからげてある」程度になっている。

そこで、大幅に巻数を減らし、5回巻きにしたところ、なんとか30MHzで1.2以下ということになった。オリジナルと比べるとかなり見劣りはするものの、実用上は問題ないのではないか。
1.9MHz/3.5MHzの特性はほとんどオリジナルと変わらなかったが、1.9よりも3.5の方がSWRがほんの少し良い。これは巻数を減らした影響だろう。

とりあえず、これで妥協し、実戦投入で試験だ。


地図画像

9/6(土) 09時過ぎ、以前から目星を付けていた移動候補地の下見程度のつもりで鹿角方面に向けて出発。
鹿角郡または鹿角市どっちでもよかったのだが、往きは樹海ラインを通ったので、当然小坂町が先になる。

現地は、QN00JK。標高 約 750m。ひょっとして、以前JQV局がQRVしたところと同一場所なのではないかと思われる。笹森展望所近くのシェルターの少し手前である。

まずは、12:13からのFM衛星AO-27にQRV。AOSは山の向こうのため、MEL直前になってようやくアクセスでき、CQを出せたもののそれだけで時間切れに。JXCさん、すんません。

さっさと複合ループを立てようと思ったものの、念のため430MHz CWに出てみたら、これがビンゴでJH7PKU/0とできる。ちなみに、ビームはほぼ南向き。144MHzでもQSO。
この後、JH0RNNとも2バンドQSO。やはりダイレクトビームではない。どこかの反射がらみと思われる。なお、両局とも浅めのQSBを伴っていた。
交信後、430.050/144.050CWでしばらくCQを出すが、呼ばれず。ま、こんなものか。しかし、やっぱし高いところに来てヨカッタ。

12:54からのFM衛星SO-50にも出てみた。MEL>60度のFBなパスなのだが、なかなかUPできず、できても何故か断続してしまい、5交信のみ。No-TONEの強力なキャリアがあるとか??


鹿角郡小坂町 QN00JK 撤収中 正面は笹森山

ようやく本題(?)。久々に5バンド複合ループを上げ、巻き直したバランを接続してSWRを測定してみる。ほとんど以前の測定値と変化ナシ。これはいい! と、ハイバンドをWatchしてみる。しかし、国内はまったく聞こえず。
28MHzからCQビーコンを流してみるも、14MHzまで降りてもまったく反応ナシ。廃バンドである。

とりあえず14〜28MHzの設計周波数では使えるバランであることは確認。

しかたないので、10MHzに降りてCQ出してちょっとだけQSO。出力を25Wまで上げてみたが、大丈夫そう。さらに7MHzに降りてみたらUKK局が井川町から出ていたので呼んで交信成立。このときは10W。再び10MHzに戻って、少し。

このあと、出力を増減させていろいろ試していたら、突然SWRが悪化!!
すぐにバランをチェックしてみたら、なんと、コアが割れていた。割れたのは、上の写真でいえば右側の1個。
接触していたプラスティック・ケースの一部分が熱で変形しており、コアがかなり発熱したもよう。

やはり、設計外周波数でSWRが高い状態では発熱してしまうのか。そもそも今回の線材変更だって、熱での被覆溶融によるショート対策であって、コア発熱そのものへの対策ではない。しかし、まさかコアが割れるとはなあ・・。これってやはり発熱が原因??

そういえば、一度巻いた線を戻して5回巻きとしたので、巻き方が均一ではなかった。これは発熱の原因となり得る。さらに、Zo=150Ωといえば、だいたい間隔2mm(つまり線と線の隙間=1mm)*1にすべきであり、今回ほんのすこし線をよじったのは不適切だった・・のかもしれない。

コアが割れていても、10W未満ならばSWRは悪化しにくいようなのだが、パワーを上げるとじわじわっとSWRが上がり、そのうち一気に悪化する。やはり、巻き方が不均一だと発熱しやすいということなのか。
次回は ここら辺を改善し、また、線径も0.5〜0.7mmにして再挑戦*2してみよう。


さてさて、バランを元のものに取り換えて少し電波を出してみたものの、「やる気」は急降下。(^^;)

16:16からのAO-7は、MEL>15度だったので気を取り直してQRVしてみた。また山の関係でAOSはMEL時刻直前。

今回は、受信アンテナを複合ループにしてみた。いつもよりかなり強力。これでLOSまで自ループが追えたのだけれど、ゼロ交信で終わってしまった。あぁ、もったいない。

この後、再び144/430CWの地上波CQを出した。でも、AO-7でゼロ交信なのに聞いてる局いるわけないよな。ここで撤収。写真撮るのを忘れていて、掲載したのは撤収中のものである。

帰りは、発荷峠〜大湯ルートを通った。鹿角市の移動候補地も下見したけれど、こちらはヒミツ。(^^;)

*1 改定新版 定本トロイダル・コア活用百科 p105の a は、図3.43では線の 直径 になっているが、半径 の間違いではないだろうか。

*2 割れたコアをアロンアルファでくっつけ、線径1mmのまま よじらず平行に、かつコアに均等に巻いてみた。周波数特性は若干改善され、SWR<1.2<36MHzとなった。とりあえずこれで実験。

Tada/JA7KPI : 2008年09月07日(日)

«PC9801NS 最新 第22回オール秋田コンテスト»
編集