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[Radio] アンテナカプラ

2009年07月20日 10時 更新

現在QRT中のローカルが昔アンテナカプラ*1を使っていたことを思い出し、会ったときに「あれ、まだ有る?」って訊いてみたら「あるよ」ってんで、さっそく借りることにした。

モノは、DAIWAのCL-66である。

Daiwa CL-66 panel

そういうわけで、RIG→SWRメータ→カプラ→ANTと接続してセッティング完了。

写真でお判りのように、WARCバンド*2の表示がない。つまり、1979年よりも前の製品だということだ。

ただし、WARCバンドで使えないということではなく、10MHzは14MHz、18MHzは21MHz、24MHzは28MHzのレンジでマッチングをとることができる。

パネル面に出ているADJのボリウムと赤LEDが何なのかは未検証。

Daiwa CL-66 inside view

で、中身は右の写真のとおり。巨大なバリコンとタイトボビンに巻かれた大型のコイル・・・あこがれでしたなあ。

あれ? 左のバリコン・・これって、二連バリコンでは?・・・と、回路を追ってみると、このカプラはπマッチ*3じゃないのである。この手のカプラなら調節が楽な方がいいと思うのだが。

Daiwa CL-66 Circuit Diagram

さておき、このカプラの基本回路は左のようになっている。CQ出版から出ている「トロイダル・コア活用百科*4」にこの回路の解説があり、それによれば「容量比の大きなバリコンを必要としない」「広い整合可能範囲が得られる」という利点があるということだ。

しかしながら、実際に使ってみると、なかなかマッチングさせることができないのだ。「広い整合範囲」が裏目に出てるっぽい(^^;)。闇雲に左右のバリコンのツマミを回してもまったくSWRが落ちてくれないのである。

それで、確実にマッチングがとれることを信じつつ、最初は左のバリコンを最小容量にしておき、少しずつ容量を増加させては右のバリコンをぐるぐる回してSWRがストンと落ちるところを探す・・という調節方法をとったところ、なんとか全バンドでマッチングがとれる*5ことを確認できた。

しかし、これではマッチング完了までに相当な時間を費やしてしまい、迅速なQSYなど夢のまた夢。πマッチのカプラなら、整合範囲は狭いものの、このCL-66よりもはるかに簡単に(素早く)マッチング完了できる。当時、このカプラを買って使いこなせた人はそう多くはなかったのではないだろうか・・・なんて、余計なことだけど。(^^;)

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山村 英穂
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CL-66 50MHz改造

2008/08/11追記 50MHz改造
このCL-66には、29MHzのバンドポジションはあるが、50MHzは無い。まあ、開発当時は50MHz対応のHF用RIGなんてのも存在してなかったわけで、当然といえば当然である。

そこで、50MHz対応の改造を行った。作業は単純で、29MHz用のコイルのタップ位置をコールドエンド側に1巻分ずらす・・つまり、タップを隣にハンダづけし直すだけである。

この改造で、かなりクリティカルながら、とりあえず50MHzでも使えるようになった。

このカプラでは、一番怪しいのがバンドスイッチで、SWRが高いアンテナに接続した場合、バンドスイッチで放電したりする可能性がある。50MHzは設計外の周波数であり、十分注意のこと。

*1 昔は、アマチュアはアンテナカップラー、プロはアンテナチューナと呼んでいた。今は「カップラー」とは言わなくなってしまった。

*2 しかし、いつまで 10,18,24MHzの3バンドを「WARCバンド」と呼ばなくてはならないのだろうか。

*3 パイ・マッチ・・もはや死語か?

*4 KPIは/1時代に筆者の山村氏と50MHzAMで1stにして2時間QSOしたことがある。そのときもトロイダルコアについてお話ししたハズ。

*5 もちろん、SWR=1.0になり、パワーを入れても変動はしない。

Tada/JA7KPI : 2007年06月19日(火)
コメント(6) [コメントを投稿する]
匿名 2008年07月26日(土) 09時

私は色々アンテナカプラーを自作し、手元に2台,全部で10台は製作したかと思います。パイ型、T型など、しかしスプリット型VCは高価で中々手に入らない問題があります。調整が楽なのは後者だと思います。それにANT側のVCは500V耐圧ではスパークするため、これと直列に500PF3KV耐圧のセラミックコンデンサーを入れたらスパークはしなくなりました。

a115255938 2008年09月26日(金) 07時

CL-66は何度かヤフオクで入札を試みましたが落札できませんでした。<br>私はアンテナカプラをパイ型、T型と何台も作りましたが後者が一番効果があるようです。ANT側のVCがスパークするため、直列に1000PFのセラミックコンデンサーを入れたら直りました。現在マッチング状況をメーターで監視する方法を検討中です。何方か良い回路がありました教えて頂けませんか。

JA7KPI 2008年09月26日(金) 22時

カプラ以前に、どんなアンテナを使っているか、そのアンテナでどんな運用がしたいのかが問題になるのではないかと考えています。<br>その上でこういう運用ならこのカプラ・・ということになるのかな・・と。

NH*H 2009年02月15日(日) 16時

オークションで二束三文だけど、クラニシのやつよりよっぽどいい部品使っている。中身の写真ありがとう。コイルを巻き換えて、1.9を含むローバンドカップラーを製作予定。オークション横取りしないでね。

NH*H 2009年02月28日(土) 17時

オークションでゲットしました。中はほこりまみれだけど、いいつくり。2800円+送料とはやすい。まともにバリコン買ったら、とんでもない価格になる。適当なコイルのボビンを探さなければ。入れても100ワット止まりだけど。

NH*H 2009年07月20日(月) 10時

百キンで園芸用タイルを購入、四角いけど蒲鉾状にきってボビンにした。元のコイルとケース後部のとの間に40位巻きのコイルを挿入。3.8を3.5に、3.5を1.9に変更。秋月の1000ピコのコンデンサーを4つを直列にしたものを、並列に抱かせて1.9メガ完成。<br>つっこみを入れさせていただくなら、50にはカップラーなんか入れるより、波長が短いからきちんとチューニングとれたアンテナを作る方が常道だと思う。


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