386/PC9801NS

昔々某年某月(たしか1991年5月だと思う)、仙台への長期出張を目前にしていた俺は PC9801NS(9821ではない)を購入した。(9801NSは、98NOTEシリーズの2番機で、初めての IDE HDD登載機である)
2ヶ月後、帰ってきた俺は なんだか騙された気がして、自作の業務用 Program をベンチマークとし、マシンごとの実行速度を計測してみたのであった。

処理 Aおよび Bは、一種の集計ソフトであり、表示されている数字の単位は「秒」である。

マシンCPUClockコプロ処理A処理B
NS386SX12MHz35111
RX28612MHz35
VX28610MHz3395
RX28612MHz2990
FA486SX16MHz1546

結果は、あろうことか 386のくせに 286マシンよりも遅いのであった。
(FAのデータは、だいぶ後になって追加で取ったもの)

PC9801NS in use on mobile かの AMD によれば、16bitの命令で、386の方が高速に処理できる命令の数は、286 の方が高速に処理できる命令の数よりも少ない ということだ。
と、なると 386SX は、386 の16bit バス版である。ほとんど存在意義のない CPU であった・・・と言ってしまっては かわいそうか?
ちなみに、286用 のコプロは AMD製 80287互換チップであった。

PC9801NSを買ったのは、もちろん仙台でも Packet通信(アマチュア無線によるデータ通信) を継続するためだったが、当然ながらレポート書き等仕事にも使用した。とはいっても PRINT環境が無かったので、草稿をエディタで書き、レポート自体は手書きで清書した (・・といっても、最初から手書きするよりもこっちの方が時間的に速いし完成度も高い)

NSの現在の使用方法は、"アマチュア無線の 野外移動運用における 交信データの記録" 、これにつきる。(Zlogである。モールス練習機としてもたまに使用)
電源が 12V仕様 であることも幸いして、車のシガー・ライタから 自作のノイズ・フィルタ経由で バッテリ端子に接続
ちなみに、フィルタを入れなければ50MHzでは結構なレベルのノイズに悩まされることになる。

蛇足だが、9801NSのフロッピ・ドライヴは 3モード対応ではない(つまり、1.44MBフロッピは読めない)。このため、現用メイン計算機側で TOMCATの 3モード対応ドライヴを搭載している。
また、NS純正のHDDは20MBであったが、キャラベルの40MBを搭載したものを購入し、その後120MBに換装している。NSのBIOSは20MBしか認識しないため、特殊なFORMATを行う必要があるが、BIOSを騙すそのユーティリティは120MBまでしか(たぶん)存在しない。

購入後10年を経過し、既にバッテリパック、バックアップ用電池とも電池としての機能は停止しており、最近は内蔵時計まで止まるようになってしまったが、いまだ現役。

それから、ベンチマークとして使用した件の自作プログラム(約2,500行)は、Version Upを重ね、現役(2004年11月現在)で某業務に使用されているが、98DOSでしか動かないため、移植か新規開発を迫られている。(んな暇あるかよ・・ってもなぁ・・・)
現在は、PC-9821Nr13(133MHz)のWin98seDOS窓で動いているが、クロック10MHz時代と比べると速いのなんの(^^;)

この PC-9801NS は、2008年8月まで正常動作していたが、9月になって電源が切れなくなったり入らなくなるという症状が出て、とうとう引退


BACK to FRONT PAGE
BACK to COMPUTER