さいきんのJA7KPIは ほぼ 7MHzにはQRVしていなかった。
・・のだが、トシによる心境の変化か、ついに というか、ようやく 7MHz用のアンテナを上げることとなったのである。
実際のアンテナは 写真のとおり。15mタワーの ほぼ中間点から引き下ろしたスローパーだ。設置作業は 約1φの被覆ワイヤをタワーに括り付けるだけ。*1
而してその実体は タワー及びそれに乗っかる他バンドアンテナ込みでのアンテナとなる。
マストトップの50MHz6エレのエレメント及びブーム、マスト、そしてタワーの全長を合計すると 約25mであり、これは7MHzの 5/8波長にあたる。
つまり、これは先端ベントの 5/8λホイップ!?
給電は、5D2Vを使用。芯線をスローパーのエレメント・ワイヤに、網組をタワーに接続。
これって タワーはアースでしかなくてワイヤからだけ電波が出るんじゃないの?? と 思ってるヒトもおられるだろうが、実は違う。むしろタワー(+マスト)から電波出るという方が近い。
それでは、スローパーのワイヤは何なんでしょ!?
ここからも電波は出る。しかし地上高低いし、エレメントというよりは マッチング・ロッドの方が近いのでは?
じゃ、タイトルの『スローパー・アンテナ』はウソかーーい!!?
スローパーの給電部。同軸ケーブルにフェライトコアを咬ませると やたらSWR最小周波数が低下したので 現在は全撤去している。*2
マトモなコモンモードフィルタを入れてエレメント長を再調整すべきなのかもしれない・・
そのエレメント長は 約9.58m。MMANAでのシミュレーションでは 約8.5mになっていたが、この差は タワーをトラス構造ではなく 大口径のパイプに換算して計算しているせいかも・・
アンテナ構造概念図及び電流分布。
HF用3エレ、一番上の50MHz用ANTからのケーブルも込みで計算しているが、やはり マスト及びタワーに流れる高周波電流の方が大きい。
MMANAの電流分布描画には イマイチな点もあるので、これでいいのかな・・という感じも 実はある。(^^;)
左がMMANAシミュレーションによる SWR周波数特性。右が実測*3。傾向としては一致しているみたいだが、実測値はシミュレーションよりも帯域が広く、どこかで損失が絡んでいるものと推測。
なお、シミュレーションでは タワー等を含めた全エレメントが「鉄パイプ」であると設定して計算させている。*4
指向性はわずかに南西方向に出るものの、NULLは無い。全体的に見て水平部分のエレメントもあるが、その部分の電流は小さく、ほぼ 垂直偏波 (準)無指向性のアンテナとなっている。
地上高14mに上げた逆Vと比較すると 打ち上げ角7度方向の指向性利得は、シミュレーションで 1dB程度低いが、単なる逆Vだと面白くないでしょ?
で、実際に使ってみて・・ 現在 サイクル25のイケイケ状態で、しかも 当方は 7MHzへのQRVが かなり少ないわけで・・ これで普通なのかどうなのか 良く判らないのだが・・
DX | K | KL | VE | BY | HL | UA | UA0 | YB | etc | 計 |
Qso | 29 | 2 | 3 | 17 | 3 | 5 | 5 | 5 | 13 | 82 |
2月18日~20日、3日間トータルで6時間程度の 7MHzFT8運用で 計82交信。全部DX。
なお、etcの中には HC2 TI8 HR5 5X7 ES6など中南米 Euも含まれている。これでも なんぼ呼んでもダメな局は やっぱりいらっしゃいまして・・ まぁ 普通 と いうことで いいのかな??
2024.2.27 追記:
設置から1週間程度経過。
雪が積もってSWR最小周波数が 6.95MHzあたりにまで低下・・ と思ったら、雪が消えても変化ないので ワイヤ長が伸びたのか?? テンションは あまり掛けていないのだが・・
約15cm切り詰めて 全長は 9.425mになった。再度SWRを測定。
2024.3.3 追記:
またSWR最小周波数が低下し、約3.5cm切り詰めて 全長は 9.39mになった?*5
SWR特性はほぼ変わらず。
2024.6.20 追記:
給電部にコモンモード・チョークを入れたら、案の定 SWRが変化した。
なぜか 7.0MHzよりも下の 6.5MHzあたりの方がSWRが良いので エレメントを切り詰めていったら・・ あろうことか、確かに SWR最低点の周波数は高くなってくるものの SWR自体は 落ちずに上昇するばかり。
けっきょく、逆にワイヤを継ぎ足した方がよかった。屋根の上に電源コード引いてハンダづけ・・
図は調整後のSWR対周波数。なぜか 8メガの方が 7メガよりも SWRが低い。しかし、ここで ワイヤを継ぎ足しても SWR最低点は 平行移動してはくれないのだ。
さて、コモンモード・チョークの効用としては、たしかにノイズが減って FT8のWFも すっきりした。だが、電波の飛びの方は あまり変わらないように思える。(^^;)
*1 もちろん 然る後 エレメント長を調節。
*2 つまり 現時点では給電ケーブルに電波が乗ってしまっている状態。
*3 NanoVNA ただし同軸ケーブル長 込み の シャック側での測定。
*4 実際のタワー/マストは亜鉛メッキなので「亜鉛パイプ」なのだが・・
*5 ワイヤが伸びて周波数低下しているとすれば 全長は最初から変わってない??
お久しぶりです。ここ最近、7MHzでKPIさんのコールを見かけて、何らかの心境の変化があったのかと思っていました。 <br>私にとって、7MHzはDXのメインバンドになってます。うちの様ないい加減なアンテナでも、まあまあ飛んで行ってくれる。いつもバンドは賑やかで、相手を選ばなければQSO相手には困らない。PSKRのページだと青のラインがきれいなどなど・・。 <br>また、昨今のハイバンドのコンディションの良さに惹かれて、28MHzにも出没中です。なんといっても、Euあたりにから隙間なくリポートが上がってきて気持ちいい。28MHzでひとしきりQRVしたあとに続けて7MHzへQSYというパターンが気に入っています。PSKRの画面だと、Eu方面からびっしりとピンクのリポートが、で、反対の北米その他の地域からは青のリポートが上がってきて、画面が綺麗。なんかコンプリートしたような気分に。共感してくれる人は少ないと思いますが。
いやー、当方も DXバンドとしての 7MHzには 以前から関心があったんですよ。FT8では 日没前からDXが見えていて 面白いですね。 <br>7MHzは 1.8MHzのスローパーに乗っけていましたが、1.8の性能優先で調整したら 7MHzではSWRが上がって ATUでも同調できなくなってしまったので ここ数年は ほぼQRT状態でした。普通の逆Vとかで 出るのも芸が無いと思ったり・・(^^;)