本日 2月6日は、月が遠点にある。その距離は約40万6000km。EMEにはきわめて不利な日といえよう。
さて、久々の SF・・空想科学小説ネタだ。
昨年の6月~7月に買って積ん読してた MM9 の 2冊目 MM9 -destruction- と 3冊目 MM9 -invasion- を読了した。
で、MM9、いちおう分類的には SF なのだが、はっきりいえば 怪獣小説 である。
いい歳して なにが怪獣だ・・といわれるかもしれない。しかし、初代ウルトラマンを観たのが 9歳~10歳の頃で、その衝撃が脳に深く強力に刻印されている自分なのである。*2
作者の山本弘は、たぶん同い年。奇想天外新人賞佳作となったデビュー作も当時読んでいるはずだが、新井素子や大和眞也の作品の印象の方が強く、まったく覚えていなかった。
MM9世界における怪獣は、宇宙論における「人間原理」を拡張した「多重人間原理」によりその存在を肯定されている・・など、怪獣バトル小説にとどまらずSFに昇華できているといえる。
そのバトル・シーンは、東宝~円谷プロ製作による映像・・着ぐるみや操演、電飾、作画合成による光線ワザなどが見えてきそうなのがまた良い。
また、ハナシを面白くしているのが「妖怪」の介入だ。この設定は秀逸である。
MM9―invasion― (創元SF文庫)
東京創元社
¥990
MM9―destruction― (創元SF文庫)
東京創元社
¥1,078
楽しい小説であったが、無線的に「あれっ?」と思ったのは、某UHF電波の発信源の特定に時間を要するという描写がある。
しかし、今は DEURAS-D があるので一発で判るのではないだろうか。
また、「電波管理局」というのも出て来てたが、「監理」が正解では・・?
もちろん、小説の世界の政府組織が現実のもの同一である必要はないし、あえて判りやすい組織名として使っているのかもしれない。
しかしながら、当方にしてみれば やはりたしかに「総通」というより「電監」だよなぁ・・(^^;)*3
*1 MM9 第一作は、2010年8月に文庫で読了。
*2 鉄腕アトム等のアニメはウルトラマンよりも早かったが、作画やSF描写に問題があり、まだまだだった。ちなみに一番古いSFの記憶は、4歳のときNHKでやってた「宇宙船シリカ」(原作:星新一)
*3 かつての電波監理局は現実の世界では2001年に総合通信局に改組されている。総通というと、一総通/二総通などとダブってしまう。