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[Radio] トライバンドDP (追記)

2005年05月22日 03時 更新

現用中の10MHzダイポールを改造し、3線式の10/18/24MHzトライバンドDPにしてみた。(5/8)

10/18/24MHz Triband DP

まず、もともとの10MHzのエレメントに18と24MHz用のエレメント(未調整)を並列につないだ時点で共振周波数が200KHzほど低下した。このため、10MHz用のエレメントを若干切りつめる必要があった。

この後、18MHzでエレメント長を調整し、最後に24MHzというように、低い周波数からエレメント長を決めていった。高い周波数のエレメント長は、低い周波数にはほとんど影響しないようである。

エレメントのスペーサは、DIY店で入手したプラスティックのモール(?)である。これを約25cmに切って使っているが、この各エレメントの間隔が問題・・・かなりクリティカルなのである。

エレメント間隔を狭くすると、18/24MHzでの共振周波数がかなり上昇する (ただし、10MHzへの影響はほとんどみられない)。当然、間隔を広くすると周波数は低下。いろいろなアンテナ参考書にも載っていることだが、エレメント間隔は十分広い方がいいようだ。

それでは、エレメント間隔が変化しないように、しっかりとスペーサで固定すればいいハナシではないか・・と、簡単に考えていたのだが、そうは問屋が卸してくれなかったのである。

問題は、「雨」なのだ。雨が降り、エレメントが濡れると・・・共振周波数が18MHzで200KHz、24MHzで300KHz程度も低下してしまうのである。そして、RIG内蔵のATUでもマッチングがとれなくなってしまうのだ。まさか、こんなに変化が激しいとは・・・・

雨が上がり、エレメントを手で振って水滴を落とすと、周波数低下はある程度改善され、ATUでマッチングがとれるようになる。しかし、毎回こうするのも芸がないのである。

問題その2・・・24MHzでのSWRが2程度と、ちょっと高い(10MHz→1.1、18MHz→1.5)。クラニシのアンテナアナライザはいちおうインピーダンスも測定できるが、純抵抗成分とリアクタンス成分を分離して測定できないため、改善策の特定が困難なのだ。

上記の問題が発覚したため、MMANAでシミュレイトしてみよう・・・と思ったら、そう、MMANAは誘電体被覆銅線の計算はサポートしていない。そこで、MMANAでエレメントデータをいじり、それをMMANA for NEC2で計算させることにする。電線の被覆であるビニルの比誘電率は、ネットで検索すると4〜5となっていたが、どうも5で計算した方が実際の周波数特性に近いような感じであった。

残念ながら、まだ打開策は見つかっていない・・・まあ、雨が降らなければなんとか使えるし、電波はそれなりに飛んでもいるのだが、やはり納得がいかない・・・もうしばらくかかるかも・・・(^_^;)

10/18/24MHz Triband DP スペーサ交換後

5/16追記

エレメントのスペーサを長いもの(50cm)に交換した。

これで、雨天時の周波数低下は18MHzで100KHz程度、24MHzで200KHz程度におさまり、ATUのマッチングもなんとかとれるようになった。また、24MHzでのSWRは2を切った(といっても1.9くらい)。

24MHzでイマイチSWRが落ちてくれないのは、トタン屋根に近接しすぎているからであろうと推測される。おそらくインピーダンスも低めになっているのではないだろうか。

そこで、オフセンタ給電の方法でインピーダンスを上げようとしてみたが、左右アンバランスな長さになるとSWRの最小点が見つからなくなってしまう。このアンテナの給電点にはだいぶ旧い強制バラン(RAK製)が入っているが、これが原因なのだろうか。アンバランスなエレメントのアンテナに強制バランを使うのは確かにマズいのだけれど・・・・

10.13MHz

まあ、3バンドで使える(ATUで無理やりマッチングさせると7〜28MHzでなんとかQRV可能)ので良しとしておこう。でも、この手のコンビネーション・ダイポールは、やはりデュアルバンドでやめといた方がいいのかもしれない。

5/20追記

とりあえず、ビームパタンを載せておく。給電点高は5.2mだが、傾斜しているためか垂直偏波成分は左右非対称だ。また、水平面のパタンは打ち上げ角=45度のものである。

10MHzでは、ほとんど真上に指向性が出ている。先日、100Km離れたJL7AIA/美郷町 と交信したが、しっかりSを振って来ていた。この交信がF層反射であるならば、打ち上げ角は80度程度となる。F層(電離層)はほとんど垂直に入射してくる10MHzの電波を反射してくれるのである。びっくりだ。

18.08MHz

18MHzでは、真上にも出ているが、低角度への放射も強くなってくる。ただし、実際のアンテナは隣家の屋根よりも低い。したがって実力のほどは怪しい。(T_T)

前述のJL7AIA/美郷町 の信号は、18MHzではかろうじてコールサインがとれる程度だった。つまり、10MHzは反射するが18MHzは透過してしまうのだろう。さすがにハイバンドである。

そういえば、300Km以内の局ってのは、このバンドではなかなか聞こえない。それなりの信号強度で聞こえてくるのは、だいたい400Km以遠の局である。つまり、この周波数で有効な輻射は、打ち上げ角が約60度未満ということになるか。

24.90MHz

24MHzでは、18や10MHz用のエレメントに乗った定在波の影響なのか、水平面指向性にくびれが生じ、最大輻射方向はX軸から40度ズレてしまっている。

このため、垂直面指向性のパタンはパッとしないものに見えるが、40度回転させて計算してみると、打ち上げ角が高いというわけでもなく、それなりになっている。当地能代市から40度方向というと関西方面であり、その点まあまあ効率のいい指向性となっている。

なお、各バンドとも垂直偏波成分(赤表示)も出ているが、水平偏波成分(緑表示)に比較して、その打ち上げ角はかなり高くなっている。

24.90MHz-40dig-rotated

せっかくなので、Z軸中心で40度回転させた場合のパタンも載せておく。真南に対してはほとんどゲインがないが、南西方向には約6dBi(絶対利得〜自由空間に設置したDPの絶対利得は約2.1dBi)のゲインがあることになっている。

さて、このアンテナ、「ATUで無理やりマッチングさせると7〜28MHzでなんとかQRV可能」と書いたけれど、昨日はJK3HFN/3局を追っかけてそのとおり7バンドで交信することができた。

国内のハイバンドもようやくCONDXが上がってきたようである。

Tada/JA7KPI : 2005年05月09日(月)
コメント(3) [コメントを投稿する]
JL7AIA 2005年05月20日(金) 07時

昨日は私もHFNさんやJQVさんの追っかけをしましたが、24MでKPIさんの信号が聞こえてきたとき「にやっ」としてしまいました。<br><br>3線式DPが上手く動いているのが確認できたという事と、私の4バンダーもEs向きなのねという事が確認できたからでした。狙いどうりといえばそうなんですが、クリスマスツリーの一番下ですから結果そうなったわけです。

JA7KPI 2005年05月21日(土) 00時

「にやっ」・・としていただいてありがとうございます。(^^)<br>電波を出すことで、直接交信しなくともコミュニケーションがとれるというのは、ひとつの理想でありますね。<br><br>おまけで、パタン画像を一枚追加してみました。

JA7KPI 2005年05月22日(日) 03時

今日は、午前中50MHzが爆発。自作カプラをかまして無理やり電波を出してみた。<br>9+50dBなんていう局もいたりで、これで飛ばなかったらアホ・・みたいなCONDX。<br>呼びONLYだったけど、なんとかQSOできた。<br>とはいえ、お昼をすぎたらしぼんでしまった。残念。<br>・・・というか、やっぱり50のアンテナ上げなきゃな。


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