以前いろいろと愚痴を書いたコミュニティFMの件である。実現に向けて動いているところは動いているらしい。(なんなんだ、この書き方は)
ところで、問題はサービスエリアと品質である。仮に送信所を能代市(いわゆる旧市内)某所(標高6m地点)とし、送信空中線(アンテナ)高を標高60mとして光学的にどこがサービスエリアとなり得るのか、手持ちのデータで計算してみた。
なお、大気中では電波は屈折するので、いちおう等価地球半径係数は考慮に入れているが、電界強度の計算はしていない。単に見えるか見えないかである。もちろん、電界強度は距離に逆比例して減衰する。また、電波は波であるので、回折して山の陰に回り込む場合もある。ようするに、電界強度を実地測定してみなければ本当にちゃんと受信できるのかは判らないのだが、今回の計算はとりあえず「ざっくり」やってみただけということでご理解いただきたい。(詳しく計算しろといわれてもできません ^^;)
アンテナから見えない地域・・・なぜか河戸川がダメである。寒川、福田、成合もキビしそうだ。檜山は全滅か? 鶴形もあやしい。川向こうは、朴瀬まではいいが、その東側は槐、常盤本郷を除けば全滅っぽい。北は、拓友、栗山、比八田、外荒巻もダメ。しかし、前述したように回折もあるし、まったくダメとは断定できない。
なお、コミュニティFMの制度ができた当初は、送信電力はたったの1Wだったが、その後10Wに変更され、現在は20Wまで免許がおりるようだ。20Wといえば、まあ、アマチュア無線局並みの電力なのだが、コミュニティFMはステレオ音楽放送が前提(?)であるため、人間の声がメインであるアマチュア局とは帯域幅が違う(やたら広い)。ようするに、FMラジオではアマチュア無線の受信機のように帯域幅を狭くできないため、ノイズに対してはかなり不利なのだ(S/N比は帯域幅が狭いほど高くなる)。また、受信用アンテナの性能にもあまり期待はできない。したがって、アマチュア無線で何の問題もなく交信できても、FMラジオできれいに受信できるとはまったくいえないのである。
現在、NHK-FMやFM秋田の中継所は鶴形の幟山にあるが、この送信電力は100Wである。そして、なぜ幟山かといえば、ここにしないと山谷や大柄に電波が飛ばないからなのではないかしらん。そういえば、秋田市のコミュニティFM局は、当初は大森山から送信していた。しかし、秋田市中心部での受信状況が悪く、送信所を中心部に移設したという経緯がある。
サービスエリアを拡大する方法としては、中継局を設置するという方法がある。その方式も、放送波中継、STL、有線、最近ではデジタルによる中継というものまであるようだ。しかし、中継局は一種のハコモノであり、設置費用が膨らんでしまうし、維持費もかかるためちょっと難しいと考えられているようである。