Access Servers
アクセスサーバに関するメモ

アクセスサーバ とは、電話回線からのダイヤルアップ接続要求を処理するハードウェアである。

INS1500を使ってアナログもデジタルも一括で処理するものが主流なのだが、昔関係のあった某ISPでは従来のモデムとデジタル対応機器が混在した構成となっていた。

全世界で使われている アクセスサーバの 9割以上がアメリカ製ではないかと思われるが、最近では日本製の優れた製品も出回っている。

以下は、某ISPで使っていた(まだ使っているかどうかは不知)アクセスサーバについてのメモである。

Port Master 2e (Livingston)

アナログモデム専用アクセスサーバ、つまり アナログモデムを外付けするタイプである。モデムは全部で20台接続可能。これらのモデムに着信専用アナログ回線がそれぞれ 1つずつ接続されている。

個々のアナログ回線には、それぞれ固有の電話番号があるわけだが、代表番号が設定されており、代表番号にかかってきた場合、話中の回線を避けて順次スライドして空き回線に接続するようになっている。
某ISPでは、28.8Kbps用と33.6Kbps用のふたつの電話番号があったが、回線のスライド順序(NTTでは「滑り」と言っていた)を逆に設定してあるだけで、実はどちらも同じサーバに接続されていた。

MODEMは、HUCOMのものを使っていたが、たまに、モデムが原因なのかPort Masterなのか、とにかく、あるポートがハングアップしてしまうという不具合があった。
Port Masterは、リモートでモデムのリセットが可能なのだが、確かにリセットするものの、それでは復旧せず、結局モデム自体の電源再投入が必要であった。

Max1800 (Ascend ・・現 Lucent Technologies)

デジタル(ISDN) 同期64Kbps専用アクセスサーバである。ISDN専用であり、アナログ信号を扱うことはできない。アナログ・モデム(56K PIAFS含む)でこの番号に電話しても、回線自体つながらない。(エラー メッセージ が返される)
これには、ISDN回線が 8本接続可能。計16チャネル使えるわけだ。

以前の某ISPの設定では、ISDN代表番号に電話すれば、空きチャネルがある限り電話番号を変えなくても接続可能になっていた。
しかしこの設定では、ISDNユーザはいいのだが、アクセスサーバが増えた場合、アナログ ユーザは多くの(アクセスサーバ毎の)電話番号を管理しなければならなくなってしまう。これでは、テレホーダイ等の割引の利用では不利になる。

そのため、MAX1800については専用の番号を設け、他のアナログ デジタル両用のアクセスサーバ 複数台に対して共通代表番号を設定することにより、上の問題の緩和を図ることにした。しかし、その反面、ISDNユーザも 2つの電話番号を管理しなければならなくなったのである。
ISDNユーザの場合、従来からの ISDN(MAX1800)専用番号では、チャネル数が少ないため、話中の確率が増えるため、アナデジ共通番号との併用が必要になった。

この時点では、アナログユーザの数がまだかなり多かったための処置だったが、某ISPの幹部連は全員ISDNだったので、アナログユーザのことなどなにも考えていなかったのだ。(たぶん)

(この文章、書いてからしばらくして読んでみたが、見事に意味不明。いいんです。誰も解らなくっても)

このMAX1800も、しばしばハングアップした。多かったのは、不特定のポートが、接続されていないのにもかかわらず話中になってしまうのである。
これは、電源再投入でも復旧しないことがあり、悩みのタネであった。また、熱暴走によるハングアップも数回発生した。
(現在、某ISPではMAX1800を使用していないようである)

Lanrover D56 (Shiva ・・買収により、現 Intel )

56Kbps(K56flex および V.90)/33.6Kbps/28.8Kbps/ISDN/PIAFS共通のサーバ。PIAFSとは、PHS端末によるデータ通信の標準規格である。

アナログモデムからの信号をデジタル処理するユニットにより、アナログ ISDNの両方に対応している。
認証サーバとのやりとりは MAX1800 よりも速いようで、MAX1800 が 5秒ほどかかるところを 1秒くらいで認証完了してしまうが、その後の伝送速度は当然ながら同じである。

Lanrover Access Switch (Shiva)

これもデジタル アナログ共通アクセスサーバ であるが、このマシンは、少し規格が旧く、56KモデムやPIAFSには対応していない。そのため、某ISPではアナデジ共通番号のスライド順では最後に位置していた。

さて、デジタル アナログ共通アクセスサーバ は どの機種もデータ圧縮機能を持っている。Windowsの場合、ダイアルアップネットワーク→プロパティ→サーバの種類→詳細オプションの「ソフトウェア圧縮をする」へチェックすると、圧縮が効き若干高速にデータ転送可能である。

また、どの機種も 64Kbpsの接続だけでなく、2チャネル分を使っての 128Kbps MP接続が可能である (ただし、INSテレホーダイ以外では、しっかり 2通話分課金されるので注意)。
とはいうものの、すべてのサーバでその設定が生きているわけではない・・なぜなら、128kbps接続を無制限に受け入れてしまうと、空きチャネルが無くなり、話中が発生する確率が増大するからである。


ユーザ認証については、認証用サーバというものが別に存在する。複数のアクセスサーバそれぞれで認証処理を行なうことも不可能ではないが、そのためには 全アクセスサーバ にユーザ情報を入力しなければならない。
これでは入力担当者もたまらないので、別に 認証用サーバ(RADIUS) を立ち上げ、複数の アクセスサーバ からの認証要求を 1台の 認証サーバ で処理しているというわけである。

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