3 elements Quatro Hentenna for 1200MHz
1200MHz帯 3エレ QUATRO ヘンテナ の製作


Quatro hentenna Structure of Quatro hentenna
3エレ クアトロ(QUATRO)ヘンテナを製作した。 (Sep.1995)
エレメント構造は上図(単位=mm)のとおり。

エレメント材には、4φ銅パイプを使用。エレメント間隔は、Di-Ra=59、Ra-Re=43*である。

寸法については、以前実験した3エレ(スタンダード)ヘンテナのデータをもとに、例によってANT特性解析ソフト(MMPC)を使用し、 GAIN / FB比 / SWR 等の妥協点を探した。
と、書くと簡単そうだが、実際は 1回の計算に 10分以上(66MHz486DX2)かかる。今回はこの寸法を割り出すために 30数回計算させた。(現用のPentium II 504MHzでは1回につき33秒である。進歩ですなぁ)
ただ、 QUATRO ヘンテナは、セグメント数がやたら多くなるため、計算可能なのはこの 3 エレまでで、 4 エレ以上は現在のところ計算不能である。

Close Up of Quatro hentennaエレメントの横幅は 3つのエレメントすべて同じ。これは単純に「2ブーム型のものを作ってみたかった」という「好みの問題」ということが大きい。
JH1FCZ の実験 (Fancy Crazy Zippy #237) で、ディレクタ追加がうまくいかなかったのは、縦の幅がまだ少し長かったからだと推測している。
実際の製作については、4φ/1mの銅パイプを DIY店で購入し、カッターで切断。 73*4=292mmのもの6本、 34-4=30mmと 46-4=42mmのもの各5本、 36-4=32mmのもの4本、給電部用として 17mmのもの 2本(つまり給電点の GAP は2mmです)を作り、ハンダづけで組み立てた。

エレメントの支持は、2ブーム方式とし、ブームにはプラスティック棒を使い、エレメントはロック・タイと接着剤で固定。ブームの方はアルミ角パイプに小型のUボルトで固定した。

給電は RG58/U にて(Uバラン等は使用せず、50Ω直接給電)行っているが、直づけのままでは平衡不平衡変換がうまくいかず SWR も落ちてくれなかったので、3D用のコモン・ノイズ阻止用の分割フェライト・コアを給電点に入れ、フロート・バランの役目をさせた。
これでSWRの最小値が1.6から1.1未満に落ちてくれた。

以下にパソコンの計算結果及び実測SWRを示す。

Freq.指向性利得F/B 比Imp.RImp.jSWR実測SWR
126010.10dBd18.06dB33.76-29.682.231.9/1.6
127010.17dBd22.27dB37.06-18.371.681.6/1.2
128010.22dBd25.48dB40.77-6.671.291.6/1.05
129010.25dBd22.73dB44.995.611.171.8/1.1
130010.26dBd20.43dB49.4818.681.452.0/1.2

自由空間での計算値である。リアル・グラウンドでの計算では、地上高 2mでの利得は 15dBd(自由空間のDP比)程度に増加。また、実測SWRの項では、コア無し/コア入りの相違も表示している。

ゲインとFB比の実測だが、実は満足に出来ていない。ゲインは、室内実験では10dB以上を一応計測している。FB比は屋外で測定を試みたが、20dB以上あるという感じではあった。
FB比、F/S比はかなり良く、ビームもシャープ(垂直偏波)。ただし、いずれも精度の低い環境だったので、測定値はここには記さない。
このANTを数回移動運用に持っていったのだが、メインが他の周波数だったし、当地秋田県は1200のアクティヴィティは極端に低いため QSOによるデータ収集もままならず・・といったわけで困っている。 hi(^^;)

今回は帯域を稼ぐため4φのパイプで製作したのだが、パソコンでは 2φのデータも作ってみた。追試する場合は、こちらのほうが簡単だろう。
DiとRaの寸法が給電部以外全く同じだが、ミスタイプではない。なお、銅線等の被覆は取り去るべきだろう。誘電体である被覆はエレメント長にかなりの影響をおよぼすはずである(念のため)。


※ 2005年、MMANAでエレメント・スペーシングを最適化してみたが、あまり代わり映えしない(^^;)。
とりあえず寸法は、Di-Ra=53、Ra-Re=56 に変更。ブームは作り直した。
MMANAのデータファイル→quatro3b3.maa

※ 2008年、5エレメント化してみた。→ ZCR/bLOG で書いてます。


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