4el. Hentenna for 50MHz
still not completed


別ページでも紹介しているが、JA7KPIの移動用アンテナといえば、ブーム長 9.2mの C社 8el.改である。
しかしこのアンテナ、カタログによれば 11kg と、とにかく重い。 Gain 及び周波数特性的には最高の八木だと自負しているが 8D-2V の 重量も加わり、移動用としては重すぎるというのが悩みのタネであった。

で、新移動用アンテナ開発計画がスタートした。(唐突だなぁ)
設計方針は次のとおりである。

Structure of 4el.Hentenna
1. ヘンテナであること(^_^)
ご承知のようにヘンテナはシングルで 3dBd のゲインを有していて、 これは単なるクワッドに比して 2dB 勝っている。 ロングブームになるほどそのメリットは薄れていくのだが、今回は 6m 移動用ということで ショートブームを想定しており、ヘンテナのメリットが生かせると思われる。
もちろん、ループアンテナについてのある種の 非(?) 科学的な希望的幻想も十分考慮している。 (あくまでも幻想であって、妄想ではない hi)

2. F9FTよりもゲインがあること
本当は、C社6el. を目標にしているのだが、当初エレメント・データが入手できなかった。で、 F9FT-5el.よりもゲインがあるのならば、まあ 6el.並みであろうというわけだ。

3. 対周波数-GAIN、対周波数-SWR がブロードであること
もちろんこれが理想なのだが、6mにおいて少エレメント数で 高ゲインを狙おうとすると、やはり帯域はある程度 犠牲にせざるを得ないところがあるようだ。
しかし実製作のことを考慮すれば、できるだけ ブロードな特性である方がいいのはいうまでもない。
まずは、 JA1WXB 松田氏 の MMPC を用いてシミュレーションを開始した。 3el.-6el. について各々数十回計算させてみたが、有望だったのは、4el.であった。
3エレだと、やはりゲインも F/B比もかせげず、 5el. 6el. ではブーム長が長くなるわりにはゲインが思うようにとれなかったのである。
また、同じ 4el.でブーム長 4.44m(he4kpi_L) と 2.94m 、2.94m版については ワイド (he4kpi_S 水平エレメントMAX 1.49m) とナロー (he4kpi_N 同 1.00m) の 2タイプ計 3タイプをシミュレートしてみた。

ショート・ブーム&ナロータイプの寸法は右上の図を参照のこと。(他のタイプの寸法も下の表中で mmpcデータファイル としてリンクしてある)「高さ」はすべてのエレメントで等しく、 3.02m である。ブームに固定される水平エレメントは、L型アングル材を想定している。MMPC では 15.6mm 径として計算させたが、20+20 または 12.5+25 のものであれば OKのはず。 その他の部分は、2mmの裸銅線である。

ブームは、ホームセンタで簡単に手に入る 3m アルミパイプを想定した。ショートタイプはそのまま、ロングタイプは 3m+1.5mに継ぎ足せばいいだろう。

f9ft-5el vs hentenna-4el
 BL=2.94BL=4.44
Dat he4kpi_N he4kpi_S he4kpi_L
f.dBdFBswrdBdFBswrdBdFBswr
50.014.2411.41.5814.3716.81.4115.0722.81.91
50.114.3414.01.3314.4118.31.3015.1322.81.58
50.214.3917.11.2814.4419.81.2015.1821.51.29
50.314.4117.71.3314.4719.41.1615.2119.31.20
50.414.4316.91.3714.5119.41.2915.2417.31.49
50.514.4416.51.4214.5219.11.5615.2315.62.00
50.614.4716.41.8014.5218.62.1115.2014.02.77

上の表が mmpcの計算による周波数特性。右が 5el.F9FT とのパタン比較図 (50.3MHz, above realground) で、 7.5m のマストを想定している。わりといい線いってるのではなかろうか?
なお、ゲイン表示は dBd だが、これは「自由空間での Dipole」に対するゲインである。(ショートブームのものはワイド、ナローともほとんど同一パターン)



さてさて、KPI 現用 の 8el.YAGI は、あまりの重さに フル・アップ できず、地上高 6m が精一杯だが、それでも計算では 15.89dBd をたたき出している。

一方、he4kpi_N は 7.5mマスト上で 14.41dBd。仮に 9.4mのマストにあげたとしても 14.74dBdで、約1.2dB 負ける。
この約1dBの差がどれほどのものかは、実際に製作し QRV して比較しなければなんともいえない。ある人は 1dBなど大した差じゃないというし、またある人はぜんぜん違うという。

このクラスのブーム長だと、1dBUPさせるのはキビしい。だいたい、ブーム長 9.2mの 8el.とブーム長 3m弱のこのアンテナ、3倍も違うのにゲインの違いはたったの 1dB 。このようなことが許されていいのであろうか!? (^_^;)
もっとも、それだからこそショート・ブームのアンテナを作る気になったのだが・・・。

8el.Yagi vs 4el.Hentenna
左図は、9.4m のマストを想定した 4el. Hentenna と、現行移動用アンテナである (重くて 6mしかあげられない) 8el. との比較である。
こう見てみると、もうちょい!!・・っていう感じですな。

he4kpi_L(Long Boom) は、8el.YAGI のゲインにいくらかでも接近させようと、あえてBoomを延長させた Version である。帯域が狭まってはいるが、7.5mマスト上で対 8el. -0.78dB、9.4mマストでは -0.33dBと健闘している。
5el.であれば、同一マスト高で 8el.YAGI を完全に超えることが可能だろうが、構造が複雑なヘンテナで 1エレ増やさなければならないのは、この周波数帯では辛い。

ま、なんだかんだいっても、八木アンテナ が優秀だってのは認めざるを得ないところだ。 構造は簡単だし、シミュレート計算もやたら速い。簡単だから メーカー製 も市販されている。で、もっと簡単に、それ買って電波出しちゃう。 楽なのはいいんだけどね。(^_^)

さてさて、本アンテナはまだ完成していない。 材料は DIY店で物色してあるが、どのように作るか・・実製作の問題がある。 アマチュア無線家なんだから、実製作しなければ何の意味もない。
なるべく早くお披露目といきたいところだが、どーなりますか。

どのタイプを作ろうか、思案中・・だったのだが、とりあえずショート・Boom &ナロー (he4kpi_N) を製作という方向で動き出した。
なぜナロータイプかというと、ワイドタイプ では車に積んだときに 車幅を超えてしまう のだ。もちろん、重量も少しは軽くなるだろうし・・なんといっても移動用だからなぁ。
なお、その後 C社6エレ八木のデータを入手し、計算したところ、自由空間でのゲインは11.2dBiと出た。わが he4kpi_Nは 11.4dBiであるからして、めでたく勝っている・・・のだが・・(^_^;)さて、現物は?

TO BE CONTINUED

おことわり:
このヘンテナは、まだ実製作されていません。
もし、ここに掲載したデータで実製作してみようとする方がおられましたら、自分が使用しようとするエレメント材については、データと同じものを用いるか、エレメント径、エレメント長などを適宜補正してください。
例えば、ここに掲載したデータでは2mmの裸銅線を使用していますが、裸銅線ではなくビニル被覆銅線を使った場合は、共振周波数が46MHz台になるなど、特性がまったく変わってしまいます。
MMPCを使い、自分が用意できる材料の値で計算しなおしてみるのもいいかもしれません。Tnx to JH7VHZ


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