非半波長ヘンテナの実験
Experiment of Non-halfwave-height Hentenna

ヘンテナ というと、ヨコλ/6、タテλ/2ということになっているが、今まで ヨコはいろいろ変えてみたことはあっても タテはあまりイジッたことはないのではなかろうか?
そこで、タテがλ/2未満のヘンテナを作ることにした。

なんでこういうことを考えたかというと、実は「10mで QRVする為にヘンテナを」と思ったのだが、タテが 5mではちとデカイ。もう少しナントカならないもんかなぁ・・というわけなのだ。
さて、タテの長さだが、一気に λ/4にしてしまってはクワッドになってしまう。
そこでとりあえず 0.4λでいくことにした。このくらいならゲイン低下があるとしても、僅かだろう。
タテは決った。では、ヨコはλ/6 (0.166λ)でいいのだろうか?
こういうときは、長さを足してみる。

0.4 + 0.4 + 0.166 + 0.166 = 1.132

というわけで、いわゆる1波長ループならギリギリ共振というところだ。
これではスライド・エレメントのいき場がなくなるのでは・・ヘンテナの FBなところは、なんといってもスライド・エレメントにあるのだ。
と、いうことでタテは縮めたが、ヨコは伸すことにした。
これも 0.25λまで伸すとクワッドなので、0.22λあたりにすることにした。
なんで 0.2λあたりで手を打たなかったかというと、実は理由はある。 が、論理的な裏付けが全くできないので書かない。(ああー、なさけない)
ただ、今までの実験/資料から 幅を広げると帯域も広がる傾向にあることが解っている から・・くらいにしとこう。

さて、実験は 430MHz で行った。 試験アンテナの寸法は次のとおりである。(cm)
エレメントは1.6mmφ裸銅線。
Structure of this Hentenna 当初は50Ω同軸で直接給電してみた。
しかし、Xの値をどのようにしても SWR≒3 であり、NGであった。
やはり幅を広くしたことが効いているのか・・?そこで、1:4 のλ/2Uバランを 3D2V で作り、200Ωで給電したら、以下のごとく結果が出力された。 (f=432.96MHz)

X(cm)2345678
VSWR1.61.11.051.151.31.41.6

どうも3cmと4cmの間に最良点があるようである。
それで、 X=3.7cm とし、VSWR−周波数特性をとった。

Freq.430432434435436437438440
VSWR1.051.051.051.051.051.051.11.1

こんなに広帯域だとは思わなかった。これなら 28-29MHz もカバーできそう?もっとも同じ特性にするには 25φのパイプをエレメントにする必要があるけれど。
放射パターンは標準ヘンテナとほとんど変りがないようだ。
水平偏波では8の字。ただし、サイドは申し分無くキレる。 垂直偏波でのサイドの切れもクワッドより FBなようだ。(今回は GAIN測定に関してはなんら行っていないが、MMPCによる計算では 自由空間で 2.3dBdと出ている)
というわけで、ヘンテナのタテ幅は λ/2でなくてもOK ということがわかった。
もっとも、このアンテナがヘンテナなのかどうか定かではないが・・(^^;)


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