H-Hentenna for 50MHz


Futatsui machi QN00CC (200m)14MHz H-HENTENNA のページで 50MHz 向けの寸法を紹介したが、 簡易移動用アンテナとしてこれを実際に製作してみた。

エレメント材 の関係で、先の寸法とは若干異なっている。また、当初は地上高 3mで最適化したが、地上高 8.3mで使用することも多くなったので、新たに計算し直した。結果、3mでも 8mでもそれなりの特性が出るようになった(と、思う^_^;)。

ブームとベースのエレメントは、9mmのアルミ角パイプ(後述のLアングルをかぶせてねじ止めするので、直径12.4mmに換算)。エレメントの外側部分は 例によって L型のアルミアングル(1cm+1cm 直径8.1mmに換算)を使用した。
また、マストは 1m長の銅パイプで 中に 5D2Vを通し、最下部に M型コネクタをハンダづけしてモービル用アンテナ基台にそのままセットできるようにしてある。
(しかし基台が若干「ヤワ」だったようで、TOP-HEAVY なため、風が吹くと基台自体が傾いてしまう。やはり UHFアンテナのようにはいかないようだ hi )

なお、いわゆる「スライド・エレメント」部分は 2mmの裸銅線である。
図の「X」の部分、ブームからの距離は、計算では「21.5cm」だが、実際には調整の必要がある。SWRが小さくなるように加減してほしい。なお、この調整でゲインやF/B比が大きく変化することはない。

さて、14MHzのページで紹介したものと 決定的に違うのは、エレメント・スペーシングである。 帯域幅の確保のため スペーシング を拡げたわけだ。
ターゲットとして Es伝搬を想定しているため、50.6MHz付近の AMモードでも なんとか使いたいのである。
structure of H-Hentenna for 6m そのため、利得低下が生じるのを覚悟して スペーシングを拡げて ある。ただし、利得低下といっても 0.数dB であり、むしろ 拡げた方が使いやすくなるものと考えられる。
計算では、50.05 から 50.75まで SWR<1.7 。ゲインは 10.5dBd(8.3mH. 10.0dBd 3mH.) である。普通の2エレ八木と比べるとゲイン同等。周波数特性は上、といえると思う。

ビームパターンについては、水平方向は 14MHzのものとほとんど変わらない。 サイドは一応切れる 程度。 (お世辞にも「サイドが切れる」とはいえないが、一応 F/S比は存在するので、TOP の写真ではエンジン方向にサイドを向けている)
また、計算によれば F/B比は 10dB程度だが、実際 10dBはクリアしているものと思われる。

垂直方向のビーム/ Beam to Vertical Elevationは、こちらの図を参照していただきたい。 MMPCで計算したものだが、緑が同地上高 (2.7mh)のダイポール、青が本アンテナのビームである。これでいくと、打ち上げ角はほぼ 30度であり、まあまあ Es向きのアンテナといえるだろう。(地上高8.3mH.での打ち上げ角は 11度)
とはいえ、これでも 350m程度の山の上から 1エリアの固定局や 8エリアの平地移動局とも QSOできているのだから、なかなか使えるのである。
(いや、まさかこれで石狩市や北広島市がとれるとは思いませんでしたよ、SQCさん。hi )

'97年 7月の青森県一斉運用では この Hentennaを 8.3mHまで上げて使用してみた。さすがに 5el.F9FTスタックには負けるが、1エリアの信号も特に問題なく受信できている。

H-Hentenna apart to pieces さて、本アンテナは車内に簡単収納するため分解可能になっている。
一応、蝶ネジでエレメントをとめるように作ってあるが、風が無ければ ほとんど目玉クリップでとめている。

このアンテナ以前の移動用のアンテナとしては、スキャッタ/コンテスト用の 8エレしかなかったので、ちょっと移動してくる・・というわけにはいかなかったが、これでだいぶ機動力が向上した KPIであった。

さあ、次は走行中も QRVするための モービル・アンテナ に挑戦・・・ただのホイップじゃあ面白くないので、やっぱり ヘンテナ 、かな ?

とかなんとか言ってたら、このヘンテナは強風のため壊れてしまいました。さて、どーしましょ?



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